不動産用語集
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お住み替えコラム
2022.07.19
マンションの住み替えを行うにあたり、その手順や検討のタイミングなどを知っておくとスムーズに住み替えを行うことができます。本記事ではマンションへ住み替えるメリットや住み替えの際に確認しておきたいポイントを解説するとともに、住み替えにあたりどのくらいの費用がかかるのか、使えるローンなどについても解説します。マンションへの住み替えを考えている際に役立ててください。
マンションの住み替えには、「売り先行(売却先行型)」そして「買い先行(購入先行型)」の2つの手順があります。「売り先行」とは、先に現在の自宅を売却し、その後住み替え先のマンションを探す方法で、「買い先行」とは、まず、住み替え先のマンションを購入し、その後現在住んでいる物件を売却する方法です。それぞれにメリット・デメリットがあるため、事情や状況に合わせて選択するのがよいでしょう。
「売り先行」「買い先行」に関して、詳しくはこちらをご参照ください。
マンションの住み替えを成功させるためには、自分にとって、住み替えに適したタイミングを知ることが大切です。出産や子育て、さらにはリタイア後などといった自身のライフステージの変化とともに考えることはもちろん、金利や不動産価格の動向といった市場の動きを見ながら、住み替えに適したタイミングを把握し、余裕をもって準備を始めるようにしましょう。ここではマンション売却のタイミングとしてよくあげられる、いくつかの例を紹介します。
マンションの売却にあたっては、築10年以内に行っている割合が多く見られます。築10年以内であれば、部屋や設備の劣化も比較的少ないため、設備トラブルなどが発生することも少ないので、売主・買主ともに安心です。
国土交通省が発表している不動産価格指数をみても、マンションの価格は戸建てと比べ上昇傾向にあります。一般的に築年数が浅いうちは高値で売却できる可能性が高まるため、売却して得た資金を住み替え先のマンションの購入資金だけでなく、家具の購入や引っ越し業者の手配など、住み替えにかかる費用として使える資金を増やすことにもつながります。
とはいえ、「古い物件をリーズナブルに購入し、自分好みにリノベーションしたい」というようなニーズもありますので、築年数が10年以上の物件を住み替える場合でも心配することはありません。
国土交通省が発表している「マンション大規模修繕工事に関する実態調査(2018)」によると、初回の大規模修繕はおおむね築13年から16年ごろに行われることが多いことが分かります。長期修繕計画では、大規模修繕工事を行った後に、修繕積立金が高くなる計画を設定している場合が多いため、売却を考えるなら大規模修繕工事が行われる前をタイミングの目安にするとよいでしょう。ただし、修繕前より修繕後の方が見栄えもよくなり売りやすいこともありますので、その見極めが重要となってきます。
マンションに限らず、住宅の購入を検討する際、完全に同じ物件はないため、自分が買いたいと思えるマンションに出会った時が一番の住み替えタイミングです。ただし、購入の際に住宅ローンを利用するなら、金利が低い時がメリットを受けやすいですので、合わせて金利の動向もチェックしておきましょう。
ライフステージが変化を迎えるときは購入タイミングの一つです。例えば、子供の成長をきっかけとするなら、数年先の「入学時に」もしくは「卒業時に」というイベントごとの目標も立てやすく、そのタイミングに向かって貯金をするなどの計画を立てることもできます。また「退職」を機会にリタイア後の生活を楽しむための住まいを購入する方も少なくありません。
戸建てとマンションの大きな違いの一つは、フルフラットである点です。現在戸建てに住んでいる方なら、マンションに住み替えることによって、室内に階段などがなく基本的に横の動線だけで生活できることによって安全性も確保され、特にシニアや小さいお子さんのいる家庭では満足度が高いようです。また、マンションではオートロックが付いていることが多く、エントランスに防犯カメラが設置されているなど、戸建てに比べて防犯性が高いといった特徴があります。さらに、建物の構造上、家の中の温度差が少ない点や共用部の管理や修繕を管理会社に任せられる点もメリットといえます。
マンションからマンションへ住み替えるケースであれば、これまでにマンションで生活した経験を活かすことで、物件選びに失敗しにくいという点のほかに、これまでと同様の慣れ親しんだ生活スタイルを維持することができる点がメリットに感じられるでしょう。
マンションからマンションの住み替えでも、管理費などの維持費や、駐車場の利用方法、共有部分の利用規約などはマンションによって異なります。また、新築マンションと中古マンションでも異なる点は多数あります。
さらに、戸建てからの住み替えであれば、マンションならではの維持管理費や、管理規約で定められている様々な内容、駐車場のサイズや利用制限など、チェックしておかなければならないポイントがあることを認識しておきましょう。
まず、維持費が毎月どのくらいかかるのかについて確認しましょう。マンションには管理費、そして修繕積立金といった維持費が発生します。マンションは専有部分と共有部分に分かれており、階段やエレベーターは共有部分になります。外廊下やベランダも共有部分です。そして、これらの共有部分についての管理や修繕は管理組合から管理業務の委託を受けた管理会社が行います。そのための管理費が維持費として発生するほか、長期修繕計画に従って13年から16年に1度行われる大規模修繕工事のために充てられる修繕積立金も発生します。管理費や修繕積立金はマンションごとによって異なりますので、毎月どのくらいの費用がかかるのか、長期修繕計画はどのようになっているかなどを把握しておくことが大切です。
駐車場もマンションへの住み替えにあたり確認しておくべきポイントです。まず建物内にあるのか、外にあるのかを確認するとともに、駐車場までの距離や入出庫にかかる時間を確認しておきましょう。また、駐車場代はいくらなのか、現在空きがあるのか(なければ空く予定はあるのか)何台まで止めることができるのか、といった点も確認しておく必要があります。さらに、立体駐車場であればサイズ制限についても確認しておきましょう。特にサイズ制限がある場合はこれまで乗っていた車を駐められない可能性もあります。そうなると、車を買い替えるのか、もしくはマンションの駐車場以外で月極駐車場を借りるのかを検討する必要が生じますので、早めに確認しておくことが大切です。
「マンションは管理を買え」とまで言われるくらい、管理状態は大事なチェックポイントです。駐輪場に置かれている自転車やバイクなどはきちんと整理されているか、来客用の駐車場があるならば、その利用方法はどうなっているのかと併せ、ルールがしっかりと守られているかも確認しておく必要があります。ごみ置き場の整理はもちろん、ごみの収集後に管理員が清掃しているかについても確認しておくと安心です。さらに管理員が勤務している時間はいつなのか、またどのくらいの頻度で来るのかもしっかりと確認しておきましょう。ちなみに、夜間は管理員ではなく警備員が対応しているマンションもありますので、夜間の管理体制についても合わせて確認しておくとよいでしょう。
ペットを飼っている、もしくは飼う予定がある場合は、ペットの飼育に規制があるかについても重要な確認ポイントです。ペット飼育可であっても、飼える種類や大きさ、数が規約で決まっている可能性がありますので、事前に規約内容を確認しておきましょう。また、「共有部では抱きかかえる」、「ペットを抱きかかえていても、ペットが苦手な人とは同じエレベーターに乗らない。もしくは乗る際に一緒にのっても大丈夫か尋ねる」などペットに関するルールを守ることも大切です。鳴き声が響くと苦情が来ることも予想されますので、ペットに対するしつけもしっかりと行っておくようにしましょう。
マンションに住んでいる居住者の様子もチェックしておくと安心です。世代の偏りはどうか、全体的に単身者が多いのか、家族が多いマンションかなどを内覧時に確認しておくと、入居中の付き合い方も予測できるでしょう。同じような家族構成が多ければ、生活サイクルも似ている場合が多く、自然に良好なコミュニケーションが生まれる機会も増えてきます。一方で、マンションは集合住宅である特性上、生活騒音などでトラブルになる可能性もあるほか、自分とは生活時間帯が異なる隣人と同じ物件に住むことが、普段の生活を続けていくうえでの負担になる可能性も考えられます。そこに住んでいる全ての居住者を確認するのは実質不可能ですが、近隣トラブルなどの有無などを売主や不動産仲介会社へヒアリングをしておくことは大切です。
中古マンションの購入を検討するにあたっては、築年数も大切なチェックポイントです。比較的築年数が新しければ設備も新しく、快適に過ごせるでしょう。ただし、築年数が古いマンションにも多くのメリットがあります。中古マンションは駅前などの立地条件が良い場所に建てられているケースが多く、周辺に病院があったり、都心への交通の便が良かったり、商業施設が近くにあったりなど、生活するうえで便利な要素がたくさんあります。また、中古マンションの場合は、新築物件に比べると比較的安く購入でき、その分費用をかけて自分の好みにリノベーションを行う方も増えています。
マンションの立地は、住まい探しの大切なポイントです。まず利便性が良いかどうかはマンションを選ぶ際の重要なポイントになります。住み替えの目的に合わせ、周辺環境の確認も怠らないようにしましょう。駅が近いかどうか、銀行やスーパーなど生活のうえで利用する施設が近くにあるか、また、リタイア後の住み替えであれば、病院に通いやすいかといった点についても確認してみてください。資産価値を重視するならば、アクセスのよい最寄駅から10分以内を目安にすることをおすすめします。
最後に忘れてはならないのは、災害対策です。災害に強い地区に建っているかどうか、自治体のハザードマップを参考に確認しておくと安心です。
マンションへの住み替え時に利用できるローンには、「住宅ローン」そして「住み替えローン」があります。現在住んでいる家のローンを完済しているならば、新たに住宅ローンを利用することができますが、まだ完済できておらず残債が残っている場合でも、住み替えローンを利用できる可能性があります。住み替えローンは通常の住宅ローンと異なり、まだ完済していない住宅ローンの借入残高と新たに購入する物件の購入費用を合わせて借り入れることができる仕組みです。
住み替えに関するローンに関してはこちらをご覧ください。
住み替えの際には、現在住んでいる家の売却を行うことから、その売却価格に対して所得税(譲渡所得)が発生します。ただし、売却価格によっては売却益が出ることもあり、逆に損失が発生することもあります。譲渡所得金額は、「譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)」によって計算します。さらに、一定の条件に該当する場合は特例の適用があり、この金額からさらに控除を受けることができます。特例には以下のものがあります。
逆に売却損が出た時には、その損失額をその年のほかの所得と損益通算することができますが、一定の要件に該当する必要があります。
住み替えに関するローンに関してはこちらをご覧ください。
戸建てからマンションへ、もしくはマンションからマンションへの住み替えは、住み替え先のマンションによって住み替えるメリットやデメリット、失敗しないために知っておくべき注意点があります。
住み替えは家探しから現在住んでいる自宅の売却の段取り、住み替えにあたっての資金計画など、多くの作業を限られた時間の中で行わなければなりません。プロセスが複雑なためこれらの作業を信頼できる不動産仲介会社に任せることが重要です。
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