お住み替えコラム

2023.06.29

マンションの住み替えで失敗しないために。手順・タイミング・費用などを確認しよう

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マンションの住み替えで失敗しないために。手順・タイミング・費用などを確認しよう

マンションの住み替えを行うにあたり、その手順や検討のタイミングなどを知っておくとスムーズに住み替えを行うことができます。本記事ではマンションへ住み替えるメリットや住み替えの際に確認しておきたいポイントを解説するとともに、住み替えにあたりどのくらいの費用がかかるのか、使えるローンなどについても解説します。マンションへの住み替えを考えている際に役立ててください。

  1. マンション住み替えの手順|「売り先行」か「買い先行」か
  2. 売り先行の場合の流れ
  3. 買い先行の場合の流れ
  4. マンションの住み替えを検討するタイミング
  5. 【マンションの売却タイミング】築10年以内の割合が多い
  6. 【マンションの売却タイミング】修繕積立金が増額される前
  7. 【マンションの購入タイミング】買いたい物件に出会った時が買い時
  8. 【マンションの購入タイミング】ライフステージが変化した時が買い時
  9. マンションへ住み替えをするメリット
  10. マンションへ住み替えをする際に確認したいポイント
  11. 維持費(管理費、修繕積立金)
  12. 駐車場
  13. 管理状態
  14. ペット
  15. 居住者
  16. 築年数
  17. 立地
  18. 住み替えに必要な費用
  19. マンション売却時にかかる費用
  20. 新居の購入時にかかる費用
  21. マンション住み替え時に使えるローン
  22. マンション住み替え時に使うローンの注意点
  23. マンション住み替え時の税金対策
  24. 売却益が出た場合
  25. 売却損が出た場合
  26. マンションの住み替え・買い替えで失敗しないためには不動産仲介会社選びが重要

マンション住み替えの手順|「売り先行」か「買い先行」か

マンションの住み替えには、「売り先行(売却先行型)」そして「買い先行(購入先行型)」の2つの手順があります。「売り先行」とは、先に現在の自宅を売却し、その後住み替え先のマンションを探す方法で、「買い先行」とは、まず、住み替え先のマンションを購入し、その後現在住んでいる物件を売却する方法です。それぞれにメリット・デメリットがあるため、事情や状況に合わせて選択するのがよいでしょう。

「売り先行」「買い先行」の流れやメリットデメリットについて、詳しく解説していきます。

売り先行の場合の流れ

売り先行で住み替えを行う場合の流れについて解説します。

売り先行ではまずは現在居住しているマンションの売却活動を優先的に行います。先に売却を行い、マンションを現金化して、その資金を元手に住み替え先のマンションを購入する、というのが大きな流れです。

具体的には、まずは不動産会社によるマンション査定を行います。その査定額に納得できたら不動産会社と媒介契約を締結し、売却活動をスタートさせます。検討者が見つかったら条件交渉を進め、売買契約を締結します。

並行して、住み替え先のマンション探しも行います。マンションの査定から売買契約締結の間で資金計画を立て、物件を探します。購入するマンションの内見や契約手続きも売却活動と並行して進めますが、引き渡しは売却するマンションを先に行って残代金を受領し、その後、購入するマンションの引き渡しを行うのが売り先行の流れです。

売り先行のメリット

売り先行と買い先行を比較した場合の最大のメリットは、売却により発生した利益をそのまま住み替え先の購入資金にあてられることです。

買い先行の場合は、不動産会社が行ったマンションの査定額をベースに資金計画を立てますが、査定額はあくまで査定であり、実際に査定通りの金額で売却できるとは限りません。通常、査定額と実際の成約価格には乖離が発生するものです。
そのため、「売却して出た利益でローンの残債を返済しようと思っていたのに、査定額より成約価格が低かったため、資金計画に狂いが生じてしまった」、ということも起こり得ます。

その点、売り先行は、すでに売却価格が確定してから購入物件を選択できるため、資金計画をより具体的に組み立てやすくなります。よって、次のマンションを検討する際にも「このくらいの価格の物件を買おう」という明確なイメージがつけやすくなります。

そのほか、売り先行は売り急ぐ必要がないという点もメリットでしょう。もし、購入物件が確定済みで引き渡し日が決まっていたら「◯月◯日までに売却しなければならない」という明確な期限が発生します。その結果、価格や条件が仮に自分の希望に合わなかったとしても、妥協して契約してしまうこともあるでしょう。一方で、売り先行は売却が決まってから住み替えのマンションを購入するので、無理に急いで不本意な条件で契約する必要もありません。

売り先行のデメリット

売り先行は資金計画の立てやすさにおいてはメリットがあるものの、仮住まいが必要になる点などがデメリットです。

マンションを売却し、引き渡し日までに新居が見つかれば良いですが、そんなに都合よく理想の新居が見つからないケースもあります。

新居が見つからない間は、一時的とはいえ賃貸マンションやウィークリーマンションを借りる必要があります。賃貸マンションを借りる場合、賃料にもよりますが初期費用でも数十万円かかります。

さらに、元々住んでいたマンションから仮住まいの賃貸マンション、そして賃貸マンションから新居へと、合計2回も引越しする必要があります。引っ越しが増えるほど、出費と引っ越しの手間も増していきます。

売り先行を成功させるためには、いかに仮住まいの期間を増やさないかがポイントといえるでしょう。

買い先行の場合の流れ

買い先行で住み替えをする場合、自宅の価格査定と並行して購入の資金計画を立てていきます。査定によって大体の売却価格が把握できるので、「次に購入できるマンションの価格はこのくらいだろう」とイメージをつけていきます。

その後、マンションの内見や購入手続きを行います。購入手続きは、内見から条件交渉と購入申込、そして売買契約締結や引き渡しと進んでいき、最短でも1ヶ月半~2ヶ月程度の期間を要します。

新居への引っ越しが完了したら、売却活動も本格的に開始し購入者を募集します。購入希望者が見つかったら契約条件や価格の交渉を行い売買契約締結、その後は引き渡しへと進んでいきます。

買い先行のメリット

買い先行でマンションの住み替えを行う最大のメリットは、希望のマンションが見つかるまで妥協せずに探し続けられることです。売り先行の場合は、先にマンションを売却して仮の住まいに引っ越すことが多く、早く次のマンションを見つけないと出費がどんどん増えてしまいます。

しかし、買い先行は売却前に住み替え先のマンションを見つけるので、希望条件に合う気に入ったマンションが見つかるまで、ゆっくりと探し続けることが可能です。

買い先行では仮の住まいに引っ越す必要がなく、売り先行で必要になる余計な費用と手間が発生しません。

また、一般的に賃貸物件のオーナーにとっては入居者に長期的に入居して欲しいため、一時的な利用目的だと、断られたり、敬遠されてしまう可能性もあります。

買い先行のデメリット

買い先行では、住んでいたマンションに住宅ローンが残っていると、新たに購入したマンションの住宅ローンと、二重ローン(ダブルローン)の状態となってしまいます。

住んでいたマンションが売れない限りは、2つの住宅ローンをずっと支払い続けることになります。

マンションがすぐに売れればいいのですが、なかなか売れないとローン支払いの負担が増えていき、結果的に当初想定していた価格よりも低い金額に値下げして売却しなくてはならない場合もあります。

ただし、値下げしたため、住宅ローンの残債を下回った金額で売却した場合、ローンの残債と新居の支払いを1本化させる「住み替えローン」を利用することができます。

注意したい点は、住み替えローンは高額な借入となることから審査が厳しくなる傾向があることです。また、金利も一般的な住宅ローンよりも高くなるといったデメリットも存在します。

買い先行では住んでいたマンションを売る前に新たなマンションを購入します。そのため、住み替え先のマンションを選ぶにしても、査定金額を前提として資金計画を立てなくてはなりません。

マンションの売買では査定価格と成約価格に差が出ることも多く、査定価格よりも低い金額での売却になった場合、資金計画事態が厳しいものになってしまいます。

マンションの住み替えを検討するタイミング

マンションの住み替えを成功させるためには、自分にとって、住み替えに適したタイミングを知ることが大切です。出産や子育て、さらにはリタイア後などといった自身のライフステージの変化とともに考えることはもちろん、金利や不動産価格の動向といった市場の動きを見ながら、住み替えに適したタイミングを把握し、余裕をもって準備を始めるようにしましょう。ここではマンション売却のタイミングとしてよくあげられる、いくつかの例を紹介します。

【マンションの売却タイミング】築10年以内の割合が多い

マンションの売却にあたっては、築10年以内に行っている割合が多く見られます。築10年以内であれば、部屋や設備の劣化も比較的少ないため、設備トラブルなどが発生することも少ないので、売主・買主ともに安心です。

国土交通省が発表している不動産価格指数をみても、マンションの価格は戸建てと比べ上昇傾向にあります。一般的に築年数が浅いうちは高値で売却できる可能性が高まるため、売却して得た資金を住み替え先のマンションの購入資金だけでなく、家具の購入や引っ越し業者の手配など、住み替えにかかる費用として使える資金を増やすことにもつながります。

とはいえ、「古い物件をリーズナブルに購入し、自分好みにリノベーションしたい」というようなニーズもありますので、築年数が10年以上の物件を住み替える場合でも心配することはありません。

【マンションの売却タイミング】修繕積立金が増額される前

国土交通省が発表している「マンション大規模修繕工事に関する実態調査(2018)」によると、初回の大規模修繕はおおむね築13年から16年ごろに行われることが多いことが分かります。長期修繕計画では、大規模修繕工事を行った後に、修繕積立金が高くなる計画を設定している場合が多いため、売却を考えるなら大規模修繕工事が行われる前をタイミングの目安にするとよいでしょう。ただし、修繕前より修繕後の方が見栄えもよくなり売りやすいこともありますので、その見極めが重要となってきます。

【マンションの購入タイミング】買いたい物件に出会った時が買い時

マンションに限らず、住宅の購入を検討する際、完全に同じ物件はないため、自分が買いたいと思えるマンションに出会った時が一番の住み替えタイミングです。ただし、購入の際に住宅ローンを利用するなら、金利が低い時がメリットを受けやすいですので、合わせて金利の動向もチェックしておきましょう。

【マンションの購入タイミング】ライフステージが変化した時が買い時

ライフステージが変化を迎えるときは購入タイミングの一つです。例えば、子供の成長をきっかけとするなら、数年先の「入学時に」もしくは「卒業時に」というイベントごとの目標も立てやすく、そのタイミングに向かって貯金をするなどの計画を立てることもできます。また「退職」を機会にリタイア後の生活を楽しむための住まいを購入する方も少なくありません。

マンションへ住み替えをするメリット

戸建てとマンションの大きな違いの一つは、フルフラットである点です。現在戸建てに住んでいる方なら、マンションに住み替えることによって、室内に階段などがなく基本的に横の動線だけで生活できることによって安全性も確保され、特にシニアや小さいお子さんのいる家庭では満足度が高いようです。また、マンションではオートロックが付いていることが多く、エントランスに防犯カメラが設置されているなど、戸建てに比べて防犯性が高いといった特徴があります。さらに、建物の構造上、家の中の温度差が少ない点や共用部の管理や修繕を管理会社に任せられる点もメリットといえます。

マンションからマンションへ住み替えるケースであれば、これまでにマンションで生活した経験を活かすことで、物件選びに失敗しにくいという点のほかに、これまでと同様の慣れ親しんだ生活スタイルを維持することができる点がメリットに感じられるでしょう。

マンションへ住み替えをする際に確認したいポイント

マンションからマンションの住み替えでも、管理費などの維持費や、駐車場の利用方法、共有部分の利用規約などはマンションによって異なります。また、新築マンションと中古マンションでも異なる点は多数あります。

さらに、戸建てからの住み替えであれば、マンションならではの維持管理費や、管理規約で定められている様々な内容、駐車場のサイズや利用制限など、チェックしておかなければならないポイントがあることを認識しておきましょう。

維持費(管理費、修繕積立金)

まず、維持費が毎月どのくらいかかるのかについて確認しましょう。マンションには管理費、そして修繕積立金といった維持費が発生します。マンションは専有部分と共有部分に分かれており、階段やエレベーターは共有部分になります。外廊下やベランダも共有部分です。そして、これらの共有部分についての管理や修繕は管理組合から管理業務の委託を受けた管理会社が行います。そのための管理費が維持費として発生するほか、長期修繕計画に従って13年から16年に1度行われる大規模修繕工事のために充てられる修繕積立金も発生します。管理費や修繕積立金はマンションごとによって異なりますので、毎月どのくらいの費用がかかるのか、長期修繕計画はどのようになっているかなどを把握しておくことが大切です。

駐車場

駐車場もマンションへの住み替えにあたり確認しておくべきポイントです。まず建物内にあるのか、外にあるのかを確認するとともに、駐車場までの距離や入出庫にかかる時間を確認しておきましょう。また、駐車場代はいくらなのか、現在空きがあるのか(なければ空く予定はあるのか)何台まで止めることができるのか、といった点も確認しておく必要があります。さらに、立体駐車場であればサイズ制限についても確認しておきましょう。特にサイズ制限がある場合はこれまで乗っていた車を駐められない可能性もあります。そうなると、車を買い替えるのか、もしくはマンションの駐車場以外で月極駐車場を借りるのかを検討する必要が生じますので、早めに確認しておくことが大切です。

管理状態

「マンションは管理を買え」とまで言われるくらい、管理状態は大事なチェックポイントです。駐輪場に置かれている自転車やバイクなどはきちんと整理されているか、来客用の駐車場があるならば、その利用方法はどうなっているのかと併せ、ルールがしっかりと守られているかも確認しておく必要があります。ごみ置き場の整理はもちろん、ごみの収集後に管理員が清掃しているかについても確認しておくと安心です。さらに管理員が勤務している時間はいつなのか、またどのくらいの頻度で来るのかもしっかりと確認しておきましょう。ちなみに、夜間は管理員ではなく警備員が対応しているマンションもありますので、夜間の管理体制についても合わせて確認しておくとよいでしょう。

ペット

ペットを飼っている、もしくは飼う予定がある場合は、ペットの飼育に規制があるかについても重要な確認ポイントです。ペット飼育可であっても、飼える種類や大きさ、数が規約で決まっている可能性がありますので、事前に規約内容を確認しておきましょう。また、「共有部では抱きかかえる」、「ペットを抱きかかえていても、ペットが苦手な人とは同じエレベーターに乗らない。もしくは乗る際に一緒にのっても大丈夫か尋ねる」などペットに関するルールを守ることも大切です。鳴き声が響くと苦情が来ることも予想されますので、ペットに対するしつけもしっかりと行っておくようにしましょう。

居住者

マンションに住んでいる居住者の様子もチェックしておくと安心です。世代の偏りはどうか、全体的に単身者が多いのか、家族が多いマンションかなどを内覧時に確認しておくと、入居中の付き合い方も予測できるでしょう。同じような家族構成が多ければ、生活サイクルも似ている場合が多く、自然に良好なコミュニケーションが生まれる機会も増えてきます。一方で、マンションは集合住宅である特性上、生活騒音などでトラブルになる可能性もあるほか、自分とは生活時間帯が異なる隣人と同じ物件に住むことが、普段の生活を続けていくうえでの負担になる可能性も考えられます。そこに住んでいる全ての居住者を確認するのは実質不可能ですが、近隣トラブルなどの有無などを売主や不動産仲介会社へヒアリングをしておくことは大切です。

築年数

中古マンションの購入を検討するにあたっては、築年数も大切なチェックポイントです。比較的築年数が新しければ設備も新しく、快適に過ごせるでしょう。ただし、築年数が古いマンションにも多くのメリットがあります。中古マンションは駅前などの立地条件が良い場所に建てられているケースが多く、周辺に病院があったり、都心への交通の便が良かったり、商業施設が近くにあったりなど、生活するうえで便利な要素がたくさんあります。また、中古マンションの場合は、新築物件に比べると比較的安く購入でき、その分費用をかけて自分の好みにリノベーションを行う方も増えています。

立地

マンションの立地は、住まい探しの大切なポイントです。まず利便性が良いかどうかはマンションを選ぶ際の重要なポイントになります。住み替えの目的に合わせ、周辺環境の確認も怠らないようにしましょう。駅が近いかどうか、銀行やスーパーなど生活のうえで利用する施設が近くにあるか、また、リタイア後の住み替えであれば、病院に通いやすいかといった点についても確認してみてください。資産価値を重視するならば、アクセスのよい最寄駅から10分以内を目安にすることをおすすめします。

最後に忘れてはならないのは、災害対策です。災害に強い地区に建っているかどうか、自治体のハザードマップを参考に確認しておくと安心です。

住み替えに必要な費用

住み替えにあたっては、売却そして購入それぞれに諸費用がかかります。売却の際にかかる諸費用は売却価格によって異なりますが、購入にかかる費用は新築マンションであれば購入価格の約4%、中古マンションの場合は購入価格の約7~8%といわれています。

マンション売却時にかかる費用

マンションは購入時だけでなく、売却する際にも費用が発生します。売却できるかどうか、という点にばかり気をとられると、意外と売却時にかかる費用の存在を忘れがちです。

売却には不動産会社に支払う仲介手数料や、印紙税や譲渡所得税などの費用がかかります。ここでは、売却時に発生する費用の種類を解説します。

仲介手数料

仲介手数料は、マンションの売却を依頼した不動産会社に支払う報酬です。

金額は法律で上限が決まっており、「成約価格(税抜き)×3%+60,000円」(消費税別途)となります(成約価格(税抜き)が400万円を超える物件の場合)。なお、仲介手数料は成果報酬なので、依頼しても成約にいたらなかった場合は支払う必要はありません。

印紙税

印紙税は、財産や権利に関する取引をした際に課される税金です。具体的には、契約書や領収書などの経済取引によって作成された文書に課されます。

不動産売買契約書も印紙税の課税対象になり、売買価格により税額は異なるものの、1〜6万円が目安となります(売却価格1,000万円超~5億円まで)。

住宅ローン繰り上げ返済手数料

売却によってこれまで住んでいたマンションの住宅ローンを一括返済する際に、金融機関に対して支払う手数料です。手数料の目安は5,000~20,000円程度ですが、金融機関ごとに異なるため事前に確認しておきましょう。

抵当権抹消費用

住宅ローンを組む際、抵当権が設定されます。売却する際には抵当権を抹消する必要があり、その抹消にかかる費用です。

登録免許税は不動産1個につき1,000円なので、土地1つ、建物1つで構成されるマンションの場合は2,000円です。抹消手続きは司法書士に依頼するのが一般的で、登録免許税とは別に司法書士報酬が、2~3万円程度発生します。

新居の購入時にかかる費用

マンション購入の際に忘れてはならないのが、物件の価格以外に発生する諸費用です。価格にばかり気を取られてしまうと、貯金が予想以上に減ってしまうなど、資金計画とのずれが発生する可能性もあります。

ここでは新居購入の際に必要になる費用について解説します。

住宅ローン事務手数料・保証料

住宅ローンを利用する場合は金融機関を通して手続きを行いますが、その事務手数料を金融機関に支払います。保証料は、万が一住宅ローンの支払いを滞納してしまった場合に、保証会社が立て替え払いをするための費用です。

火災保険・地震保険料

万が一の火災に備えて加入するのが火災保険です。昨今は火災だけでなく地震も非常に多く発生するので、地震保険にも加入しておくのが一般的となっています。

費用は数万円〜数十万円となり、入る保険のプランや保障範囲によって差が出ます。

不動産取得税

不動産を取得した人に対して課される税金です。不動産を購入してから6ヶ月前後で納税通知書が送付されてきます。税率は、土地と家屋(住宅)の場合で、それぞれ課税標準額に対して3%です(取得日が平成20年4月1日から令和6年3月31日までの場合)。

固定資産税の清算金

不動産の所有者には、固定資産税が課税されます。毎年1月1日時点で固定資産税課税台帳に記載されている人が納税義務者となります。そのため年の途中で発生したマンションの売買では、決済日以降の税金を買主が負担し、日割りで売主に精算するのが通常です。

マンション住み替え時に使えるローン

マンションへの住み替え時に利用できるローンには、「住宅ローン」そして「住み替えローン」があります。現在住んでいる家のローンを完済しているならば、新たに住宅ローンを利用することができますが、まだ完済できておらず残債が残っている場合でも、住み替えローンを利用できる可能性があります。住み替えローンは通常の住宅ローンと異なり、まだ完済していない住宅ローンの借入残高と新たに購入する物件の購入費用を合わせて借り入れることができる仕組みです。

住み替えに関するローンに関してはこちらをご覧ください。

マンション住み替え時に使うローンの注意点

マンション住み替え時にローンを使用する際は以下の2点に注意しましょう。

オーバーローン

オーバーローンとは、住宅ローン残債が売却額を上回っている状況を指します。不動産の購入にあたって必要になる諸費用などを含めてローンにしたり、借り入れ後に物件の価値が下がりローン残高よりも物件の評価額(売却額)が低くなったりした場合にオーバーローンが起きます。オーバーローンになると、住み替えローンの活用や貯金の切り崩しにより、売却額でも返済できない部分の残債を返済することになります。

ローンの借り過ぎ

オーバーローンの場合、住み替えローンを活用して残債を返済する方法があります。ただし、住み替え先のマンションの担保価値以上の融資を受けることになるので、「借り過ぎ」の状況になる可能性があり、結果的に、いずれマンションを売却した際に、売却額だけでは残債を返済しきれなくなる可能性が高まります。

マンション住み替え時の税金対策

住み替えの際には、現在住んでいる家の売却を行うことから、その売却価格に対して所得税(譲渡所得)が発生します。ただし、売却価格によっては売却益が出ることもあり、逆に損失が発生することもあります。譲渡所得金額は、「譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)」によって計算します。さらに、一定の条件に該当する場合は特例の適用があり、この金額からさらに控除を受けることができます。特例には以下のものがあります。

  • 3,000万円の特別控除の特例
  • 軽減税率の特例
  • 買換え(交換)の特例

逆に売却損が出た時には、その損失額をその年のほかの所得と損益通算することができますが、一定の要件に該当する必要があります。

マンションの売却により、利益が出た場合と損失が出た場合では、それぞれどのような特例があるのでしょうか。各パターンで使える特例を下記で解説しますので参考にしてみてください。

住み替えに関するローンに関してはこちらをご覧ください。

売却益が出た場合

マンションを高く売ることができ売却益が出た場合は、発生した利益に対して譲渡所得税が課税されます。売却したのが自宅マンションの場合には、3,000万円特別控除という控除が利用可能です。これはマイホームを売却した際に利用できる特例で、マンションの保有期間に関係なく、譲渡所得(売却益)から最高で3,000万円を控除できる特例です。

つまり、売却益が3,000万円以下の場合には譲渡所得税が発生しないことになります。

売却損が出た場合

マンションを売却して損が出てしまった場合は、「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が利用できます。

住んでいたマンションを売却して新たに居住するためのマンションを購入した場合、売却によって発生した損失をその年の給与所得や事業所得などの所得から控除(損益通算)できます。

損益通算しても控除しきれなかった部分の損失は、さらに売却した年の翌年以降3年以内に繰り越して控除することも可能です。

マンションの住み替え・買い替えで失敗しないためには不動産仲介会社選びが重要

戸建てからマンションへ、もしくはマンションからマンションへの住み替えは、住み替え先のマンションによって住み替えるメリットやデメリット、失敗しないために知っておくべき注意点があります。

住み替えは家探しから現在住んでいる自宅の売却の段取り、住み替えにあたっての資金計画など、多くの作業を限られた時間の中で行わなければなりません。プロセスが複雑なためこれらの作業を信頼できる不動産仲介会社に任せることが重要です。

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この記事を監修した専門家

高野友樹

高野友樹株式会社髙野不動産コンサルティング代表取締役/株式会社アーキバンク取締役COO
公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士。
不動産会社にて仲介、収益物件管理に携わった後、国内不動産ファンドにてAM事業部マネージャーとして従事。
2014年、株式会社髙野不動産コンサルティングを創業。

掲載記事の内容は制作時点の情報に基づきます。

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