不動産用語集
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お住み替えコラム
2022.03.02
家の住み替えの際には物件の売却と購入をいっぺんに行うため「税金の支払いが高額になるのでは?」と不安に感じる方も多いでしょう。税金は現金で支払う必要があるため、税額を考慮に入れずに住み替えをしてしまうと、思わぬ出費に悩んでしまう可能性があります。
ただ、税金の特例や控除制度を利用すれば節税できるケースもあります。住み替えにかかる税金を基礎から解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
家の住み替えを行う際には、住んでいる家の売却と、新しい家の購入のそれぞれにおいて、税金がかかる可能性があります。
どのような税金が発生するのか確認しましょう。
家を売却する際には、以下の4種類の税金がかかる可能性があります。
家を売って「利益」が出たときにかかる税金です。
売却価額から家の取得費や売却・取得にかかった経費を差し引いた残りの金額がプラスであれば、譲渡所得税が発生します。譲渡所得は以下のように求めます。
譲渡所得税額は、譲渡所得に対し、所有期間に応じて定められた譲渡所得税の税率を掛けて求めます。
印紙税は、契約書や証書を作成したら納めなければならない税金です。
不動産売買の場合、売買契約書に収入印紙を貼ることで納付します。金額は売買価額によって異なります。
不動産の登記を行う際には、登録免許税がかかります。
家を売却した場合、所有権移転登記の登録免許税は買主が負担するのが通常ですが、住宅ローンの抵当権抹消登記費用は売主が負担することが一般的です。
個人が家を売る場合には消費税はかかりません。一方、事業者が住居を売る場合は消費税がかかります。
家を購入する際にも不動産売買契約書に収入印紙を貼って印紙税を払わねばなりません。
家を購入すると、所有権移転登記をしなければなりません。その際の登録免許税は買主負担となります。税額は以下のようにして求めます。
新築建物の保存登記の場合には税率が0.15%となります。
不動産を取得すると、不動産取得税がかかります。
購入後半年~1年半程度の間に都道府県税事務所から納税通知書が届くので、支払いをしなければなりません。税額は以下のようにして求めます。
ただし軽減特例が適用されるので、築古物件や面積の大きくない物件であれば不動産取得税がかからないケースも多数です。
不動産会社から物件を購入すると、消費税がかかります。不動産会社に中古物件を仲介してもらうなど、個人から購入した場合には消費税はかかりません。
家の取得後は毎年、固定資産税を払う必要があります。市街化区域内の物件であれば都市計画税もあわせて課税されます。税額はそれぞれ、以下のようにして求めます。
家の住み替えの際、適用できる特例や税金控除制度があります。活用して節税しましょう。
居住用の家(マイホーム)を売却した場合には、「3,000万円の譲渡所得の特別控除特例」を適用できます。
譲渡所得の金額から3,000万円が控除され、残りの金額に譲渡所得税がかかります。
つまり、売却による利益が3,000万円までであれば譲渡所得税がかかりません。
この特例の主な適用要件は以下のとおりです。
たとえば家の取得費が3,000万円、売却価額が5,000万円の場合、譲渡所得は2,000万円ですので、この特例を適用すると譲渡所得税は非課税(ゼロ)になります。
多くの場合、売却による譲渡所得は3000万円以下になるので、家の住み替えで譲渡所得税がかかるケースは少ないでしょう。
ただし、住宅ローン減税との併用ができないので注意が必要です。
売却する家の所有期間が10年を超えていると、一定の条件に当てはまれば、軽減税率の特例によって税率が下がります。
本来の税率は譲渡所得の20%(所得税15%、住民税5%)ですが、軽減税率を適用すると、6,000万円までの部分にかかる税率が14%になります。
譲渡所得 | 税率 |
---|---|
6,000万円以下の部分 | 14%(所得税10%+住民税4%) |
6,000万円を超える部分 | 20%(所得税15%+住民税5%) |
※2037年までは、所得税の税率に復興特別所得税(所得税の2.1%)が上乗せされます。
主な適用要件は以下のとおりです。
軽減税率の特例は、前述の居住用物件を売却したときの3,000万円の特別控除と併用できます。
特定居住用財産の買い替え特例とは、住んでいる家の売却益にかかる譲渡所得税の支払いをを繰り延べてもらえる制度です。
売却益が3,000万円を超えると本来なら譲渡所得税がかかりますが、買い替え特例を適用したら今すぐに税金を払う必要がありません。
ただし買い替え後の新しく購入した家を売却するときには、まとめて課税されます。譲渡所得税の税額が0になるわけではありません。
適用するには、物件を譲渡する年の1月1日において、所有期間が10年を超えているなどの要件を満たす必要もあります。また、居住用物件を売却した際の3,000万円控除とは選択適用となり、併用はできません。
住み替え後の家の購入に住宅ローンを利用するなら、住宅ローン控除を適用できる可能性があります。
住宅ローン控除とは、年末時点における住宅ローン残高の0.7%分の税額を控除してもらえる制度です。原則的に新築住宅なら3,000万円まで(税額21万円まで)、中古住宅なら2,000万円まで(税額14万円まで)が上限額となります。
また新築住宅の場合には13年間控除を受けられ、中古物件の場合には10年間となります。
長期優良住宅や低炭素住宅の場合、上限額が上がります。
家を売却して損失が出たときにも、節税に役立つ制度を利用できる可能性があります。
確定申告をすることによって利用できる損益通算と繰越控除について解説します。
損益通算とは、ある所得におけるマイナス分と、給与所得など他の所得におけるプラス分を相殺できる制度です。
前の家を売却すると、売却価額が取得費や売却費用の合計額より低くなり「赤字」になる可能性があります。この赤字分を他の所得から差し引き、所得税を減らせるのです。
サラリーマンの場合には給与所得と譲渡所得の赤字分を損益通算して、給与所得にかかる税額を減らせます。減税対象となるのは所得税と住民税です。
不動産を売却した際の赤字の金額は、高額になるケースも多々あります。1年では給与所得から引ききれない場合もあるでしょう。
そんなときには「繰越控除」を行い、次年度以降の所得からも不動産売却の赤字分を差し引くことができます。
繰越控除できるのは、譲渡した年の翌年から数えて3年間です。売却した年を含めて計算すると、合計で4回まで、税額を控除してもらえます。
マイホームの売却で売却益が出た場合は譲渡所得税を支払うために必ず確定申告をしなければなりません。一方、赤字の場合は確定申告は義務ではありません。しかし、損益通算や繰越控除の制度を利用するためには確定申告が必要ですので、忘れずに確定申告はするようにしましょう。
家を住み替えるときには、売却にも購入にも税金がかかります。必ず支払わなければならない税金もありますが、状況によってはかからない税金もあります。
特例や減税の制度をうまく利用すれば節税できるケースが多いので、しっかり活用しましょう。
家を住み替えるには、家探しから現住居の売却の段取り、資金計画に至るまで限られた時間の中でやるべきことがたくさんあります。後悔しないためには頼れるアドバイザーが必要といえます。税金の支払いについても適切なアドバイスをしてくれる不動産仲介会社をパートナーとして選ぶのが重要でしょう。
三菱地所ハウスネットは「売りたい」お客様と「買いたい」お客様をつなぐ不動産仲介会社として、豊富な経験と確かな売買実績を蓄積しています。「三菱地所の住まいリレー」では、三菱地所グループの総合力を生かし、住まいに関するトータル的なサポートを提供しています。
住み替えを検討されているお客様一人ひとりに寄り添った高品質なサービスをご用意しておりますので、ぜひ住み替えの際にはどのようなご相談でも三菱地所ハウスネットまでお気軽にお寄せください。
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