お客様の声
お客様よりいただいたご意見・ご感想の一部をご紹介いたします。
お住み替えコラム
2021.09.30
座談会参加メンバー。手前左:シニア世代:中村篤さんと妻秀子さん、手前右:子世代:井村晋作さんと妻佳那さん、奥左:生前整理アドバイザー:徳山弘美さん(エール&ウォーク)、奥右:住み替えアドバイザーとして参加:佐々木芳典(三菱地所ハウスネット株式会社)
いまやシニアの間で定着しつつある「生前整理」。 生前整理は、人生後半に向けてより自分らしく生きるための身支度ともいえます。 しかし、何から始めればよいか、子世代(または親世代)とどのように話し合って進めていけばよいかなど、不明点が多いのも事実。
そこで、生前整理アドバイザーの徳山弘美さん(エール&ウォーク)と、住み替えアドバイザーとして、三菱地所ハウスネットの佐々木芳典が、シニア世代に向けた“生前整理”と“住み替え”のポイントを解説。シニア世代と子世代の2組を交え、将来の住み替えについてや、夫婦間・親子間でのやりとり、不安に感じていることなど、リアルな思いを語り合いました。
豊かなセカンドライフを送るヒントを探っていきましょう。
生前整理とは、生きていくことを前提として、モノ・心・情報を整理していく活動です。生前整理はここ数年でよく耳にするようになりました。人生のエンディングに向けての身辺整理をする終活に対し、生前整理はこれからどのように幸せに暮らしていくかを考える「生き活Ⓡ」といえます。
生前整理を進めていくとモノが減り、部屋がすっきりと整います。しかしそれだけではなく、自分にとって本当に必要なことがわかり、これからの生き方について、安心してじっくり考えることができるのです。
親の生前整理に関しては、子世代に積極的に関わってもらいたいです。家族で思い出に向き合って、想いを引き継ぐこともできるからです。
生前整理はシニアがやるものだと思う方が多いのですが、若い頃からやっているとシニア時代を有意義に過ごせるようになりますよ。
ここで生前整理のポイントについてご紹介します。
<生前整理のチェックポイント>
【モノ】
以下の4つに分類する
・いる:現在使っていて、これからも使うモノ
・いらない:現在使っておらず、これからも使わないモノ
・迷い:8秒で決められなかったもの→1年立ってもう一度考える
・移動:正しい場所に移動させるべきモノ
【気持ち】
エターナルノートに気持ちを綴る(終活の場合はエンディングノート)
・過去のこと
・現在のこと
・やり残したこと
・これからやりたいこと
【情報】
財産の情報をまとめる
・通帳
・クレジットカード
・不動産
・貴金属類
・有価証券
生前整理では、4分類(いる・いらない・迷い・移動)でモノを仕分けします。モノの整理によって思い出を振り返ることができ、心の整理にもつながります。
気持ちはノートに綴り、財産関係は可視化して整理します。家族が見てわかるように、自分が持っている資産の一覧表を作成します。不動産の現在の価値等も知っておきましょう。
モノの整理をして資産状況を把握できると、これからの自分のライフスタイルに合わせた住まいを考えることにもつながるので、生前整理は住み替えを考えている人にもおすすめです。
今後の人生や子世代への引き継ぎを考えた住み替えを選択されるシニア世代が増えてきました。住み替えのきっかけとしては、加齢による身体面や環境面、人間関係の要因があります。たとえば、お庭が維持できない、2階に上がれない、自宅までの坂道が辛い、周りに助けてくれる人がいない、などが挙げられます。
こういった理由から、最近は駅近のバリアフリーマンションに住み替え、お子さんやご兄弟、友人と近居するパターンが増えています。身内よりも友人と近くで助け合う方が気楽だと、友人同士で同じマンションに住む方もいらっしゃいます。
<シニア世代の住み替えポイント>
【不安要素】
・身体面:庭が維持できない、2階に上がって洗濯物が干せない、お風呂の段差が怖い、など
・環境面:建物時自体が古い、坂が多い、など
・人間関係:周りに助けてくれる人がいない、など
【住み替えのポイント】
・段差の少ないバリアフリーのマンション
・車移動が必要ない駅近物件
・子どもや兄弟、友人との近居
・資産価値の高い物件
駅近のマンションは価格が維持されやすい傾向にあるので、資産価値を考えて住み替えをされる方もいます。
都心においては、今後は3LDKのマンションよりもコンパクトな1LDKなどのマンションの方が、資産価値が高くなる、という統計もあるんです。最後に都心の1LDKに住み替えて、子世代に相続財産を残すことを考えている方もいらっしゃいます。
自宅がリバーサイドにあり、ハザードマップで見ると危険な地域になっているので安全面は気になっています。実は昨年、台風が来たときに避難したんですよ。今すぐにではありませんが、住み替えは少し検討していますね。
あら、そうだったの!?反対に私は自宅をとても気に入っているので、住み替える気はありませんでした。花火も目の前で見られるすごく良い立地なんですよ。台風のあとは防災グッズを購入して災害に備えています。
まぁそれならしばらくいてもいいかな。ローンもあと数年残っているし。ただ、離れて住んでいるとはいえ、息子との関係も気にしながら考えていきたいところですね。
私たち夫婦は、老後のことを話し合ったときに意見が分かれました。私は身体が弱ってしまったときのことを考えて利便性の高い都心のバリアフリーマンションを希望したのですが、主人は栃木の温泉の近くで畑をやりたいと言い出して。もう全く違うでしょ。(笑)
人生100年時代と言われると、これから先もありますからね。私はまだまだ働きたいと思っています。“どうやって生きるか”や“どうやって楽しむか”が先にあって、じゃあどこに住む?と考えるので、おそらくそこに男女の差が出てくるのでしょうね。(笑)男性の方が何かを追い求めたい性質なのでしょうか。
実際に住み替えの相談を受けていると、ご夫婦ではほとんど意見が一致しませんね。(笑)最終的には奥様の意見に落ち着くことが多いのですが。(笑)
不動産の売買の際には、ご夫婦それぞれからお話を伺い優先事項を出し合って意見を擦り合わせ、お互いにとって納得のいく住み替えができるよう、希望条件の整理からサポートしていきます。この条件整理が、今後の生き方、暮らし方について考えるきっかけにもなっているようです。ときにはお子さんに話し合いに入ってもらうこともあります。
最終的な相続のことまでを見据えて、住み替えをされた方もいます。どういう資産状況でご自身の最期を迎えるのかを税理士さんに相談され、その流れで不動産のご相談もいただいたのです。持病があったので、先のことを早くから意識されていたのでしょう。
その方が選ばれたのは、駅近の1LDK。お子さんにとっても負担が少なく、貸しやすく、売りやすい資産価値の高い物件でした。
その方は、電子機器のパスワードから通帳の場所まで、資産情報をわかる場所にまとめられていましたし、自身の葬儀のことやお墓のことまで考えていらっしゃいました。準備期間があったので、お子さんも心の準備ができたのではないでしょうか。
また、ほかの住み替え事例としては、地方からお子さんのいる都内に住み替えをされて、楽しそうに銀座を闊歩されているおばあちゃまもいます。「こんなことならもっと早く住み替えておけばよかった!」とおっしゃるほど、都心ライフを満喫されています。
このように、不動産のお取引ではさまざまな出会いがあり、不動産仲介業者として単に家を売るのではなく、その方お一人おひとりの趣味や生きがいを反映できるような、より良いお住み替えプランをご提案できればと思っています。
まさに理想的な生前整理と住み替えをされたのですね。自分の資産や自分の持っているモノの価値がどれぐらいあるのかを知っておくと、その上でどのように住み替えるかという話にもつながってきます。生前整理と住み替えは密接に関わっているんです。人生設計の延長と言う意味で、「生前設計」という言い方もできるかもしれませんね。
確かにそうですね。住み替えがまだ具体的でなくても、査定をしてみたら今より条件の良い場所に住み替えられることに気づくお客様もいらっしゃいます。これも生前整理に繋がっているのですね。
生前整理でモノを減らすと、住み替え先の間取りの自由度が増すため、都心でのコンパクトな生活にも移行しやすいメリットもあります。ジャズピアニストのS様は、都心への住み替えにより自身の音楽活動が充実し、ご主人とのセカンドライフを満喫されています。
お名前 | S様(65歳) ジャズピアニスト |
同居のご家族 | 夫(70歳)と2人暮らし |
以前のお住まい | 千葉県船橋市 大規模マンション3LDK(78平米) |
現在のお住まい | 東京都新宿区 小規模マンション3LDK(70平米) |
住み替え理由 | 前のマンションが古くなってきたことと、両親の遺産が入ったことがきっかけ。また、前のマンションのエントランスへはエレベーターから階段を上り下りする必要があったので、高齢になってからは住めないと感じていた。 |
資金計画 | 前のマンションと実家を売却し、住み替えの資金に充てた。 |
現在のマンションを選んだ理由 |
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現在の住まい・暮らしの良いところ |
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ものの整理について | 引越し前に断捨離を行い、荷物の半分を処分。新婚当初から使っていたテーブル、システム家具、親の遺品である書画など必要なものだけをマンションに運び、そのほかご主人のコレクションや娘さんの油絵など、どうしても残したいものはレンタル倉庫に保管。 |
引越しをするにあたってのご家族との やりとり |
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これから住み替えを検討する人への アドバイス | 以前家族3人で住んでいた船橋のマンションは、子育てをするのに最適でした。そして住み替えにあたり、いまの私たち夫婦が暮らしやすい利便性が高く安全なマンションを選択できたことで生活も充実しています。 ただ、引越しのものの整理は大変です。半分ぐらい処分しましたし、持って来られなかった一部のものはトランクルームに保管しました。体力のある時期にできてよかったです。住み替えを検討されている方は、できるだけ早めに行動されることをお勧めします。 |
S様の住み替え紹介記事はこちら
モノを整理したことにより、これからの人生でやりたい事をしっかりと実現できる理想の住まいに住み替えることができていますね。何よりも、安心して自分たちのライフスタイルを送れそうです。
「これからの住まい」に関するアンケート調査では、今の住まいに住み続けたいという回答が多い中で、住み替えを考えている方も多くいることが明らかになりました。住み替える場合は、戸建て住宅よりも、シニア向け分譲マンション、サービス付き高齢者住宅などを含むマンションタイプの物件を希望している方が多く、田舎よりも便利な都心部で暮らしたいと考える方が少し多い傾向となっています。また、3K/DK/LDKから2K/DK/LDKなど、今よりもコンパクトな間取りを希望される方が多い傾向です。
<現在の間取りと住み替えたい間取り>
S様の事例やアンケート結果からも分かるように、最近のトレンドとして、ライフステージに合わせて住み替えをしていく傾向があります。新婚のときは1LDKや2LDKに、そのあとお子さんの人数に合わせて3LDKや4LDKに引っ越され、お子さんが巣立ったタイミングでトランクルームなどに荷物を預けて1LDKや2LDKに住み替えをされる。マイホームは“一生に一度の買い物”という考えは徐々になくなってきているのかもしれません。
S様の事例では、まさにトランクルームを賢く使っていらっしゃいますね。また、高齢になると体力的にも引っ越しは大変になってくるので、S様のように早めに行動するのがポイントです。
※売却についてよくあるご質問と回答をこちらにまとめています。ぜひご参考にしてください。
シニア世代、子育て世代に向けて実施した終活についてのアンケート調査では、シニア世代の48.5%は自身の老後に、子世代の49.8%は親の老後に不安を抱いていることがわかりました。また両世代の半数以上が「話し合いたいと思っているが、まだ話し合えていない」という状況です。
そこで、実際に親世代、その子供世代の方々に、生前整理について話し合っていただきました。
<セカンドライフについての不安は?>
<終活について親子間で話し合っているか?>
私は親と何も話せていなかったので、両親が相次いで亡くなったときはかなりバタつきました。実家の処分は大変でしたね。もう少し早く話しておけばと後悔しました。
そうは言いつつ、自分のことはまだ息子と話せていません。離れて暮らしているので、なかなかコミュニケーションが取れないんですよね。
うちも全く話せていませんね。LINEなどで日々のコミュニケーションは取れていますが、親の資産の話となると、どこから話を切り出せばいいのか...。
シニア世代の不動産売却の相談を受ける中で、亡くなった親御さんの希望を聞いておきたかったとおっしゃる方が多いです。どれが大切なモノなのか、何を残しておきたいのか、相続財産をどう考えているのかなどを事前に聞いてあげるのが大事なのだとわかりましたね。
モノに対する考え方は世代で違います。とくにシニア世代の方はデリケートです。モノが少ない中で生きてきた世代なので、捨てることに抵抗があるのです。なので、その人に納得してもらえるように伝えることが大切。たとえば、いつ誰がどんな状況になるかわからないので、“自分にとって大切な人を守るためにこういう話をしている”という前提を伝えた上で、「最近生前整理の話を聞いたんだけど、一緒にやってみない?」と伝えてみてください。親だけでなく、“家族でやる”という意志を示し、親のことだけでなく自分のことも伝えてみるのが大事だと思います。
離れて暮らすほど、経済活動のことを話すきっかけがありませんよね。たとえば、“生前整理の話をする日”みたいなものを設定して、1年に1回のイベントにしてしまえばいいかもしれませんね。親が子どもにエターナルノートを見せてみるのも良さそうです。
実は、7月29日が「生前整理の日」なんですよ。この日でもいいですし、家族が集まりやすい年末年始やお盆にぜひお話をしてみてください。
そうなんですね。「生前整理について」ではないかもしれませんが、私は子どもの写真を両親とオンライン上で共有しています。いつログインしたかわかるようになっているので、一応それが生存確認にはなっているのかなと。これもコミュニケーションとして、お互いに話し合う第一歩かもしれないですね。
写真をアップするたびに「こんなことができるようになったのね!」と親からLINEが来ます。でもそれ以外のお金の話などをする勇気はなかなか出ないのですが...。
うちは息子とのLINEでのコミュニケーションが逆生存確認になっていますよ。(笑) 気軽なやりとりができるのは今の世の中のいいところだと思うので、なにか上手く活用できればいいですね。
たしかに、今の時代の新しいコミュニケーションや生前整理の方法があるかもしれませんね。
いきなり直接的な内容から始めるのではなく、その人の人間性やどんな人生を歩んできたかなどを聞くところからコミュニケーションを取っていくのはどうでしょう。私は父親の戦時中の体験や、父親の両親のことを聞いたりしたのですが、思い出話から始めると話しやすいのではないかと思いました。
私の母は自分でお墓を決めると言っています。「永代供養がいいかな?」と先日相談をされました。
そういう話から生前整理の話にさらにつなげていけるといいですね。色々なところに話の入口があるのかもしれません。ちなみに、最近は駅近の永代供養も多くなっているんですよ。このような情報も伝えてみるといいかもしれませんね。
終活で知りたい項目では、「モノの整理」に関心があることがわかりました。
まさに、この夏休みに整理をしないとと思っていたところです。使わない部屋があるとどうしても物置化してしまいますね。
私はミニマリストではないのですが、モノがないのが好きなのでどんどん捨てます。息子の洋服とかも...笑
反対に両親の家にはたくさんものがあります。やはりなかなかモノを捨てられない世代なんでしょうね。父親が病気でベッドで寝たきりになったことがきっかけで、「そろそろ片付けよう」と話し始めました。
生前整理は、「これならできるかな」と思えることからしていくのが一番良いと思います。その中ではモノの整理は始めやすいです。
注意しておきたいのは、その人にとって大切なモノの整理は、その人の心が決まるタイミングまで待ってあげることです。実は私の実家では、亡くなった父の自転車を母が2年ほど処分せずにいたんです。「まだもう少し置いておきたい」と。でもあるときを境にどんどん処分し始めました。
やはり心の整理がついて自分の生活ができていくようになると、モノも自然に整理できるのでしょう。まずは本当に必要のないモノから手を付けていくことをおすすめします。
無理に運転免許を手放して元気がなくなってしまった方もいるので、生きがいをやめさせるのもいけないなと思います。本人の意志に耳を傾けながら前向きに決めていければいいですね。
生前整理も住み替えも、「自分がどう生きたいか」を考えることです。次のライフステージをポジティブに迎えられるように、少し立ち止まってご自身やご家族のことに思いを巡らせてみましょう。
<参加者プロフィール>
【中村ご夫妻】中村 篤さん(63) 秀子さん(62)
テレビ番組の制作会社を立ち上げプロデューサーとして従事。56歳のときに転職し、着物屋をオープン。妻と二人で店を切り盛りしている。息子は30代・彼女と同居中。息子と将来の住まいに関しては(まったく)会話していません。
~座談会に参加した感想~
これから先の楽しみ方をハッキリさせることで、必要・不必要なモノの整理ができる気がしました。そして、息子とのコミュニケーションは親の方から積極的にとっていこうと思いました。
終活と生前整理は同じものだと思っていましたが、全然違うことがわかりました。明るく前向きに考えていきたいです。
【井村ご夫妻】 井村晋作さん(36) 佳那さん(35)
デザイナーの晋作さんと佳那さん。今年2歳になる娘が一人。両親は埼玉県と横浜市在住。互いの両親の将来については特に深い会話はしていません。
~座談会に参加した感想~
生前整理というとまだ先の話という印象があったのですが、今使っているモノや契約しているサービスを整理していくことも生前整理だと初めて知りました。“自分がどう暮らしたいか”に合わせて改めてみる、という心持ちだと取り組む一歩を踏み出せるのかなと思いました。
生前整理は、年齢に関係なくライフステージごとで行っていくものなんだと気づきました。
※A
アンケート概要:セカンドライフ(老後)の関心ごとや不安に関するアンケート
調査方法:インターネットリサーチOpen
実施期間:2020年6月23日~2023年6月23日
回答数:2,373
※B
アンケート概要:「永住か?」「住み替えか?」将来の住まいに関するアンケート
調査方法:インターネットリサーチOpen
実施期間:2020年3月26日~2023年4月13日
回答数:2,563
※グラフの数字は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、回答比率の合計が100%にならない場合があります。
掲載記事の内容は制作時点の情報に基づきます。
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