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住まいリレーコラム
2025.10.28
不動産売却を検討する際、「専任媒介契約」という言葉を目にすることもあるでしょう。「これはどんな契約なのだろう?」「他にも契約の種類がある?専任媒介契約とは何が違うのだろう?」と気になる方も多いでしょう。
この記事では、媒介契約の1つである専任媒介契約を中心に、他の契約種類との違いや、それぞれのメリット・デメリットを解説します。大切な不動産の売却だからこそ契約の種類についてしっかり理解し、自身の状況に合った媒介契約を見つけて、後悔のない売却を実現しましょう。

一般的に、不動産を売却する際は不動産会社に仲介を依頼し、その際に媒介契約を締結します。専任媒介契約はその媒介契約の種類の1つで、不動産の売却を特定の不動産会社1社にのみ依頼する契約方法を指します。
専任媒介契約の主な特徴は以下のとおりです。
なお、専任媒介契約では、もし売り主が独自に買い主を見つけた場合に直接契約しても問題ありません。
専任媒介契約のメリットとデメリットは、以下のとおりです。
| メリット |
|
|---|---|
| デメリット |
|
専任媒介契約は、1社限定で媒介を依頼するため、複数の不動産会社に依頼をする場合よりも売り主の対応が少なくて済み、手間がかかりません。
さらに、売り主は2週間に1回以上の頻度で販売状況の報告を受けられるため、売却活動の進捗を把握しやすいのもメリットです。その報告内容をもとに、売却価格や販売戦略の見直しを不動産会社と相談しやすくなります。
また、売却が1社に任されているため、不動産会社は広告費などをかけやすく、早期売却につながりやすくなります。さらに、1社に限定することにより、内覧などのスケジュール調整やオープンハウス(物件の見学会)を行う場合の管理も比較的容易です。
一方、デメリットとしては、依頼した不動産会社の販売力によって結果が大きく左右される点が挙げられます。担当者や不動産会社の販売力が低い場合、希望する価格や期間で売れない場合があります。
不動産売却を考える際は、専任媒介契約、専属専任媒介契約、一般媒介契約の違いを理解することが重要です。
専任媒介契約とその他の媒介契約との違いは、主に以下の4点です。
▪依頼できる不動産会社の数
1社に限定されるか、複数に依頼できるか
▪自己発見取引の可否
自身で見つけた買い主と直接契約できるか
▪業務状況の報告義務
不動産会社から売り主への活動報告が義務付けられているか、その頻度はどのくらいか
▪レインズへの登録義務
物件情報を他の不動産会社にも共有するレインズへの登録が義務付けられているか
媒介契約の種類ごとの特徴やメリットとデメリットを以下にまとめました。
| 項目 | 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 |
|---|---|---|---|
| 他社との契約 | 不可 | 不可 | 可能 |
| 自己発見取引 | 不可 | 可能 | 可能 |
| 契約期間 | 最長3ヵ月 | 最長3ヵ月 | 制限なし |
| 活動報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 報告義務なし |
| レインズの登録義務 | 5日以内に登録 | 7日以内に登録 | 登録の義務なし |
専属専任媒介契約は、専任媒介契約と同じく1社限定で売却を依頼する契約方法です。ただし、専任媒介契約よりも1社限定の意味合いが強く、売り主自身で買い主を見つけても直接契約はできません。必ず不動産会社を介して売買契約を締結する必要があります。
専属専任媒介契約のメリットとデメリットは、以下のとおりです。
| メリット |
|
|---|---|
| デメリット |
|
専属専任媒介契約も専任媒介契約と同じように窓口が1社に絞られるため、不動産会社との対応が少なくて済み、手間がかかりません。また、1週間に1回以上の活動報告が受けられるため、専任媒介契約よりも短いスパンで業務内容が把握できます。
また、専属専任媒介契約では、たとえ売り主が購入希望者を見つけても直接契約ができないことから、不動産会社は成約できればかならず報酬が得られます。そのため、不動産会社はより積極的に販売活動を行う傾向にあります。
さらに、不動産会社によっては、買取保証付き仲介など専属専任媒介契約限定の独自サービスを提供しているところもあります。買取保証付き仲介とは、一定期間内に仲介での売却が成立しなかった場合、その不動産会社が直接物件を買い取るサービスです。
デメリットは、売り主が独自に購入希望者を見つけても直接契約ができない点や、不動産会社の力量が結果に大きく影響する点です。そのため、不動産会社の選定は慎重に行う必要があります。
一般媒介契約は、3種類の中ではもっとも制限が少ない自由な契約です。
一般媒介契約のメリットとデメリットは、以下の次のとおりです。
| メリット |
|
|---|---|
| デメリット |
|
一般媒介契約は契約期間に制限はありませんが、専属専任媒介契約や専任媒介契約と同じように、最大3ヵ月が推奨されており、媒介業務の実務においても3ヵ月とすることが一般的です。レインズの登録や業務報告が義務付けされていないことにより不動産会社の業務上の負担は軽減しますが、実際の媒介業務は他の媒介契約とあまり違いはありません。
売り主は自ら見つけてきた購入希望者との直接契約が可能です。直接契約を行うと仲介手数料が不要になるため、自ら購入希望者を探せる可能性がある売り主にはメリットが大きい契約の種類といえます。
さらに、売り出しを開始した初期の時点では不動産会社同士の競争原理が働いて早い売却が可能となる場合もありますが、売却が難しい物件になると、時間の経過とともに販売活動が低下する可能性があります。
一般媒介契約を選択するのであれば、ある程度時間的余裕がある売り主のほうが望ましいでしょう。
3つの媒介契約にはそれぞれ特徴があり、どの契約が適しているかは売り主の状況や物件の特性によって異なります。契約の種類を安易に決めず、3つの媒介契約がそれぞれどのようなケースに向いているのかを確認し、自身の状況と照らし合わせて検討することが重要です。
ここでは、それぞれの契約方法がどういったケースに向いているのかを解説します。
専任媒介契約は、不動産会社の手厚いサポートを受けつつ自身でも買い主を探せる、バランスの取れた契約方法です。専任媒介契約が向いているのはどのようなケースが考えられるのでしょうか。
不動産売却は担当者との相性や信頼関係が成否を左右するため、特定の1社とじっくり向き合い二人三脚で売却活動を進めたいケースに向いています。2週間に1回以上の定期報告義務があるため活動状況を把握しやすく、安心して売却を任せられます。
複数の不動産会社とのやり取りは、意外に手間と時間がかかるものです。その点、窓口を1社に絞れれば、内覧の日程調整や問い合わせ対応などの手間を大幅に減らせます。忙しく、売却活動に手間や時間をかけれないケースに向いています。
「初めての不動産売却で何から手をつければいいかわからない」という方も多いでしょう。その点、専任媒介契約であれば、不動産会社が責任を持って販売戦略を立て、積極的に販売活動を行ってくれます。専門的なことは、プロに任せる方針で進めたいケースに向いています。
専任媒介契約は、「基本的にはプロに任せたいけれど、もしかしたら親戚や知人が買ってくれるかもしれない」と考えるようなケースに向いています。自ら購入希望者を見つけて直接契約することも可能なため、不動産会社経由と自分経由の両面で売却のチャンスを広げられます。
専属専任媒介契約は、3つの媒介契約の中で最も制約が厳しい分、不動産会社の責任も重くなります。専属専任媒介契約が向いているのはどのようなケースが考えられるのでしょうか。
専属専任媒介契約には1週間に1回以上の報告義務と媒介契約後5日以内のレインズ登録義務があり、不動産会社は迅速かつ集中的に販売活動を行わなければなりません。そのため、他の契約種類に比べてスピーディーな売却が期待できます。住み替えなどで売却期限が決まっているようなケースに向いています。
専属専任媒介契約は、買い主探しから契約手続きまで、信頼できる不動産会社にすべての手続きを任せたい場合に向いています。売り主は自分で買い主を探す必要がなく、不動産会社からの報告を待つだけで済みます。
不動産の売却においては一般的に人気エリアや条件のよい物件ほど早く買い主が現れる傾向にありますが、任せるのは1社のみで自ら買い主を探すこともない専属専任媒介契約の場合、不動産会社はより積極的に売却活動を行う傾向にあります。そのため、より早期かつ好条件での売却も不可能ではありません。
一般媒介契約は、売り主の自由度が最も高い契約種類です。一般媒介契約が向いているのはどのようなケースが考えられるのでしょうか。
すでに購入を検討してくれている知人や親族がいる場合は、一般媒介契約を結びつつ自らも交渉を進めるのが効率的です。売り主自身が見つけてきた購入希望者と直接契約できれば、仲介手数料はかかりません。
どの不動産会社に任せるべきか決めかねている場合、各社の対応や提案内容を比較し、専属専任媒介契約や専任媒介契約を結べる1社を見極めるための期間と考えることもできるでしょう。
販売活動を経て無事に買い主が見つかったら、次は契約の手続きに進みます。不動産では「媒介契約」や「売買契約」など複数の契約が関わるため、それぞれで注意しておきたいポイントを把握しておくことが大切です。
媒介契約に基づき不動産会社が仲介して売買契約が成立すると、売り主および買い主は仲介手数料を支払う必要があります。どの媒介契約であっても支払いは必要ですが、仲介手数料は成功報酬であるため、売買が成立しない場合は支払いの必要はありません。
仲介手数料は成約金額の区分ごとに税率が決まっていますが、注意したいのは、成約金額に消費税が含まれる場合は「税別」の金額になる点です。また仲介手数料には必ず消費税が課税されます。
なお、2024年7月1日からは、「低廉な空き家(価格800万円以下)」の仲介手数料に関するルールが見直されています。以前は、仲介手数料の上限が一律で30万円+消費税(売主・買主の合計で最大60万円+消費税)と決められていました。
しかし改正後は、媒介契約の時点で不動産会社と売主・買主が報酬額について合意していれば、実際の仲介にかかった費用を踏まえて上限を超えることも認められています。そのため、仲介手数料の目安を事前に確認しておくことが重要です。
例として、成約金額1,000万円の場合の計算方法をご紹介します。
法定の計算式
ーーーーーーーーー
合計 39万6,000円
簡易計算式は、「(1,000万円×3%+6万円)+消費税=39万6,000円」となります。
なお、成約金額が400万円以下の空き家に準ずる物件の売却では、売り主が支払う仲介手数料を一律18万円+消費税とすることができるよう、特例が設けられています。
仲介手数料の支払い時期は次の2通りあり、不動産会社との話合いにより決定します。
一般的には引き渡し時一括の支払いとすることが多いようです。
以下の記事では、不動産を売却した際の仲介手数料の相場について詳しく解説しています。
不動産売却の仲介手数料の相場は?計算方法や支払うタイミングをわかりやすく解説
媒介契約の種類によって、売買契約に至るまでのサポートの手厚さは異なります。
専任媒介契約や専属専任媒介契約の場合、不動産会社には定期的な業務報告義務があるため、売り主は販売活動の進捗を細かく把握できます。これにより、価格交渉や契約条件の調整など、重要な場面で担当者と密に連携しながら売却を進められます。
一方、一般媒介契約には報告義務がないため、売り主自らが各社と積極的にコミュニケーションを取り、状況を把握しなくてはなりません。特定の担当者との密なコミュニケーションがなければ販売活動の経緯が共有できず、価格交渉や契約条件の調整時にうまく連携が取れない恐れがあります。
きめ細やかなサポートを期待するのであれば、専任媒介契約か専属専任媒介契約のほうが安心感でしょう。
専任媒介契約と専属専任媒介契約には、3ヵ月以内という契約期間が定められています。
この期間中は、原則として他の不動産会社に乗り換えたり、一方的に契約を解除したりはできません。万が一、担当者の対応に不満を感じても、契約期間が満了するまでは同じ会社に任せる必要があります。
もし、不動産会社に明らかな落ち度がないにも関わらず自身の都合だけで媒介契約を解約すると、それまでにかかった広告費などの経費を違約金として請求される可能性があります。そのため、専任媒介契約または専属専任媒介契約を結ぶ前には、信頼できる不動産会社かを慎重に見極めることが重要です。
専任媒介は不動産の売却を特定の不動産会社1社にのみ依頼する契約方法です。売却が1社に任されているため、不動産会社は広告費などをかけやすく、早期売却につながりやすくなるというメリットがあります。
媒介契約には、専任媒介契約以外にも専属専任媒介契約や一般媒介契約があります。不動産売却を成功させるためには、それぞれの違いや特性をよく理解したうえで、自身に合った媒介契約を見つけることが重要です。
掲載記事の内容は制作時点の情報に基づきます。
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