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住まいリレーコラム
2025.10.28
土地を相続したものの、利用予定がなく、売却を検討する人は少なくありません。しかし、通常の不動産の売却とは異なり、相続ならではの手続きや注意点があるため、戸惑うケースも多いのが実情です。相続登記の義務化や共有名義人の同意の必要性、譲渡所得税の負担など、事前に理解しておくべきポイントは数多く存在します。
この記事では、相続した土地を売却する際の具体的な流れや注意点について解説します。
相続によって土地を取得し、売却を検討する際には、通常の不動産売却とは異なる特有の手続きや注意点があります。
第一に、相続する土地の名義を変更するための「相続登記」が完了していなければ、その土地を売却することはできません。2024年4月1日からは相続登記が義務化されており、不動産を相続した場合は速やかに登記手続きを済ませる必要があります。
また、複数人で土地を相続した場合は、その土地が相続人全員の共有財産となり、売却には共有者全員の同意が必要となります。もし一人でも反対する相続人がいれば、売却を進めることができない点にも注意が必要です。
このように、相続した土地を売却する場合には、売却時の手続きを見越して相続手続きを進める必要があるため、その煩雑さから「難易度が高い」と感じる人も少なくありません。しかし、相続した土地を売却することによって、以下のようなメリットも期待できます。
不動産を所有している限り、固定資産税や都市計画税が毎年課税されます。
相続した土地に使い道がなく、遊休地になるのであれば、売却によって毎年の固定資産税の負担を回避できるだけでなく、売却代金を受け取ることで、家計にとってプラスになるでしょう。
経年劣化の大きい建物に比べれば、土地の場合は管理費用を抑えやすいといえ、近隣住民に迷惑がかからないよう、定期的な維持・管理コストは少なからず発生します。特に遠方にある土地や利用予定のない空き家の場合、管理には時間的・精神的な負担もともないます。
そのような土地を売却することで、土地管理の手間から解消されるというメリットがあります。
土地などの不動産については、現金のように均等分割することが難しく、遺産分割をめぐるトラブルにつながりやすい財産の代表例です。
あらかじめ相続時にトラブルへ発展することが見込まれる場合には、生前のうちに不動産を売却して現金化し、相続人同士で公平に分配することも合理的な選択肢といえるでしょう。
相続した土地を売却するためには、いくつかの段階を踏んで手続きを進める必要があります。それぞれの工程には注意点があり、適切に対応しなければ後々のトラブルや余計な費用につながる可能性があります。
ここでは、売却までの具体的な流れについて解説します。
被相続人(亡くなった人)が土地を保有している場合には、「土地を誰が相続するのか」を決める必要があります。その際には、まず「被相続人が有効な遺言書を遺しているか」を確認します。遺言書がある場合は、原則としてその内容にしたがって相続手続きを進めます。
遺言書がない場合や、遺言書に記載されていない財産がある場合は、法定相続人全員で遺産の分割方法について話し合う「遺産分割協議」が必要です。法定相続人は、市区町村役場で発行できる被相続人の戸籍謄本を収集することで特定できます。
遺産分割協議では、土地を含むすべての財産をどのように分割するかを決定します。不動産などの財産を売却し、現金で分配する「換価分割」を検討している場合は、相続人全員の合意を得る必要があります。
協議がまとまったら、その内容を記した「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員が署名と実印による捺印を行います。作成した遺産分割協議書については、そのあとの相続登記などの手続きを進める際にも必要となる重要な書類であるため、大切に保管しましょう。
遺産分割協議は相続人全員の合意が必要です。もし話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることも可能です。調停委員(弁護士や元裁判官など)を介して話し合いを進めることで、冷静な話し合いを実現しやすい一方で、調停手続きが終結するまでには時間と手間がかかります。
なお、土地などの不動産に関しては、複数の相続人による共有名義にすることも可能です。ただし、共有名義の不動産については、その物件を貸し付けたり、売却したりする際に共有者全員の同意が必要となるなど、トラブルの原因にもなりがちです。
複数の相続人による共有名義を検討する際には、これらのデメリットを踏まえたうえで慎重に判断しましょう。
遺言書や遺産分割協議によって土地を相続する人が確定したら、法務局で相続登記を行い、土地の名義を被相続人から相続人へ変更します。
不動産については、登記を行うことで、その物件の真の所有者であることを第三者に対して証明することが可能となります。相続した土地をいずれ売却する際にも、相続時において適切に登記手続きが行われていることが大前提となります。なお、相続登記の申請は、土地の所在地を管轄する法務局で行います。
相続登記の際には、所有権移転の登記申請書、遺産分割協議書、印鑑証明書、被相続人・相続人それぞれの戸籍謄本や住民票、固定資産評価証明書など、多くの書類を準備しなければなりません。
相続登記は自分で行うことも可能ですが、このように手続きが煩雑であることから、司法書士に依頼するケースが多いです。司法書士報酬については、登記する不動産の件数などによっても異なりますが、一般的には5万円から15万円程度が目安となります。
2024年4月1日からは相続登記が義務化され、不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請を行う必要があります。また、遺産分割協議で不動産を取得した場合にも、分割協議が成立した日から3年以内に登記しなければなりません。
これらの期限内に登記手続きを行わないと、10万円以下の過料が課される可能性もあるため注意しましょう。
相続税の課税対象となる遺産の総額(課税価格)が基礎控除額を超える場合には、相続税が発生し、税務署への申告と納税が必要となります。
基礎控除額については、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算します。
例)法定相続人が3人の場合
基礎控除額:3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円
課税価格が4,800万円よりも小さいので、相続税はかかりません。
なお、相続税の申告と納税の期限は、「相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内」です。
相続税における課税価格には、被相続人名義の現預金や不動産、株式以外にも、一定期間内に行われた「生前贈与」や「みなし相続財産(死亡退職金や死亡保険金など)」などが含まれます。
このように相続税の課税対象となる財産の範囲を正しく理解しておらず、相続税の申告義務の判断を間違えてしまうケースも少なくありません。
申告期限を過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税が課されるだけでなく、相続税の特例制度を適用できず、納税額が増える可能性もあるため注意が必要です。
相続税の計算は複雑なため、申告手続きに不安がある場合には、所轄の税務署や税理士に相談することをおすすめします。
相続登記が完了し、土地の売却手続きを進める場合には、以下の準備を行いましょう。
まずは不動産会社に査定を依頼し、所有する土地が「いくらで売却できるか」の目安を把握します。複数の不動産会社に査定を依頼することで、より客観的な価格や売却条件を比較検討できます。
また、土地の売却においては、隣地との境界が明確であることは必要不可欠です。境界を明示していない土地を売買すると、隣地との間でトラブルの原因となりうるため、土地の売り主は買い主に対し、土地の境界を明示することが義務付けられています(境界明示義務)。境界が不明確な場合は、売却前に確定測量を実施するなどの対応が求められます。
土地の上に建物が建っている場合は、その建物の状態も売却に影響します。特に老朽化が著しい建物は、解体して更地にした方が買い手はつきやすくなることがあります。ただし、解体には費用がかかるため、相続人同士でよく話し合い、不動産会社とも相談して決定しましょう。
測量や解体には時間と費用がかかるため、売却を急ぐ場合は早めに着手することが重要です。土地のあるエリアに精通し、相続手続きにも詳しい不動産会社に相談することで、スムーズな売却準備を実現しやすくなるでしょう。
査定や売却準備を経て、信頼できる不動産会社を選定したら、媒介契約を締結して正式に売却活動を開始します。
媒介契約には、主に以下の3種類があり、それぞれ不動産会社の営業活動の内容や情報公開の範囲、売り主の自由度が異なります。
| 契約の種類 | 概要 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 一般媒介契約 |
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| 専任媒介契約 |
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| 専属専任媒介契約 |
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専任媒介とは?専属専任媒介や一般媒介との違いと向いているケースを解説
「早く売りたい」や「高く売りたい」「自分で買い手を探したい」など、自分自身の売却方針に合わせて、最適な契約形態を検討することが大切です。
また、満足のいく不動産売却を実現できるかは、よい不動産会社との出会いに左右されるといっても過言ではありません。地元の情報に強く、相続案件の経験が豊富で信頼できる不動産会社を選ぶことがポイントです。
買い手が見つかり、価格や引き渡し時期などの売却条件についての交渉がまとまったら、いよいよ売買契約書を取り交わします。この際、買い主から売買代金の一部を手付金として受け取るケースが一般的です。
売買契約の締結に際しては、宅地建物取引士の資格を持つ不動産会社の担当者から、重要事項説明が行われます。物件に関する重要な情報や契約条件について詳しく説明を受けるため、不明点や疑問点があれば必ず解消しておきましょう。
売買契約を締結し、最終的な残代金の受け取りを経て、物件を引き渡します。この際、土地の所有権移転登記の手続きも行われるため、司法書士が立ち会うことも多いです。
売却する土地に対して抵当権が設定されている場合には、売却の妨げになる可能性が高いです。抵当権設定の原因となるローンがすでに完済されているのであれば、あらかじめ抵当権抹消登記を行いましょう。
なお、売買契約時には、印紙税や不動産会社へ支払う仲介手数料などの費用が発生するため、事前に支出額を確認し資金計画を立てておきましょう。
また、土地の売却によって利益(譲渡所得)が出る場合は、所得税や住民税の負担も発生します。売買契約にともなって資金計画を立てる際には、税金のシミュレーションも必ず実施しましょう。
土地などの不動産を売却して利益が出た場合には、その利益は譲渡所得として、所得税や住民税などの譲渡所得税の対象となります。
譲渡所得税については、不動産の売却価格そのものではなく、売却による利益に対して課されます。したがって、土地を売却しても利益が出ない場合は、譲渡所得税は発生せず、確定申告手続きも不要です。
譲渡所得は以下の計算式で求められます。
譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費用)
▪収入金額
土地などの不動産売却によって得た売却代金や固定資産税の精算金などを指します。
▪取得費
売却した土地を購入した際の購入代金や購入時にかかった税金、仲介手数料、整地費など、土地の取得に直接かかった費用の合計額を指します。
相続した土地の場合、原則として被相続人がその土地を取得したときの取得費を引き継ぎます。購入時の売買契約書などが見当たらず、取得費が不明な場合は、売却価格の5%相当額を「概算取得費」として計算します。
▪譲渡費用
土地を売却するために直接かかった費用で、不動産会社への仲介手数料や売買契約書に貼付する印紙税に加え、売却のための測量費や埋設物撤去なども含まれる場合があります。ただし、土地の維持・管理に必要なメンテナンス費や固定資産税などは、譲渡費用には含まれません。
譲渡所得に対して課される所得税や住民税の税率は、土地の所有期間によって異なります。
具体的には、売却年の1月1日時点での所有期間が5年以下の場合には短期譲渡所得、5年を超える場合には長期譲渡所得として、それぞれ異なる税率を用いて税額を計算します。
| 売却物件の所有期間 | 所得税および復興特別所得税 | 住民税 | 計 |
|---|---|---|---|
| 5年以内(短期譲渡所得) | 30.63% | 9% | 39.63% |
| 5年超(長期譲渡所得) | 15.315% | 5% | 20.315% |
なお、相続した土地の所有期間については、原則として被相続人がその土地を取得した日から計算され、相続人の所有期間と通算されます。例えば、被相続人の所有期間が5年を超えていれば、たとえ相続した直後に売却しても長期譲渡所得の税率が適用されます。
相続した土地を売却する際に利用できる特例については、「空き家にかかる譲渡所得の3,000万円特別控除」と「取得費加算の特例」2つが代表的です。ただし、これらの特例は重複適用が認められません。
したがって、売却によって発生する譲渡所得の金額や、相続時に支払った相続税額などを考慮し、それぞれの税額をシミュレーションしたうえで、どちらの特例を適用すべきかについて判断することが重要です。
この特例は、被相続人の自宅を相続し、相続後に空き家となっていた物件を売却した場合に、譲渡所得の金額から最大3,000万円(令和6年1月1日以後の譲渡で、その物件を取得した相続人の数が3人以上の場合は2,000万円)まで控除できる制度です。
売却した空き家について、この特例の適用を受けるためには、その物件が以下の要件のすべてに当てはまらなければなりません。
上記に加え、「相続開始の時から譲渡の時まで事業や貸付け、居住の用に供されていないこと」や「相続開始のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること」「売却代金が1億円以下であること」などの要件も満たす必要があります。
なお、相続後に空き家となっている家屋を取り壊してから売却する場合でも、相続から譲渡するまでの間に事業や貸付け、居住用に使用していないなど、一定の要件を満たす場合には、この特例を適用することが可能です。
この特例の適用を受けるためには、確定申告が必要です。確定申告書を提出する際には、以下に掲げるような書類を添付し、売却年の翌年2月16日から3月15日までに所轄税務署へ提出します。
この特例制度の詳しい適用要件や添付書類については、以下の国税庁のホームページをご参照ください。
参考:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
この特例は、相続または遺贈により取得した土地や建物、株式などの財産を一定期間内に譲渡した場合に、支払った相続税額のうち、一定の金額を譲渡所得における取得費に加算できる制度です。
この特例を適用することで、譲渡所得の収入金額から差し引く取得費が増えるため、課税対象となる譲渡所得を減額でき、税負担を軽減することが可能です。
特例適用によって取得費に加算できる相続税額は、以下の算式で計算した金額となります。
取得費に加算する相続税額 =
売却した人が支払った相続税額×【売却した財産の相続税評価額÷(売却した人の相続税の課税価格+債務控除額)】
例えば、相続時に支払った相続税が500万円で、相続した財産1億円のうち、今回売却した相続財産が5,000万円の場合、この特例によって取得費に加算できる金額は以下のとおりです。
500万円×5,000万円/1億円=250万円
ただし、この特例によって取得費に加算できる金額は、特例を適用する前の譲渡益(収入金額から、取得費と譲渡費用を控除した金額)が上限となります。
なお、この特例制度の適用を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
また、この特例の適用を受けるためには、確定申告が必要です。確定申告書に以下の書類を添付し、納税地の所轄税務署に提出しましょう。
取得費加算の特例に関する詳しい内容については、以下の国税庁のホームページをご参照ください。
土地を相続すると、相続税の問題だけでなく、相続したあとの活用や売却という課題に直面します。特に土地などの不動産の場合は、現金のように均等に分けて相続できないうえ、所有しているだけで維持・管理コストもかかるため、最終的に売却を選択するケースも少なくありません。
しかし、相続した土地を売却するにはいくつかの注意点があり、それらを正しく理解していないと、想定外のトラブルや費用負担が生じることもあります。
ここでは、土地売却にあたって押さえておくべき代表的な注意点を解説します。
相続した土地が都市部にある場合は比較的買い手が見つかりやすいものの、地方や過疎化が進む地域では需要が少なく、売却までに時間がかかったり、希望する価格では売れなかったりすることも多いです。
特に、人口減少や地価下落の影響に加え、周辺に空き地や空き家が増えているエリアでは、そもそも買い手がつかないというケースもあります。
こうした場合には、不動産会社に早めに相談することで、客観的な相場観を把握し、現実的な売却価格を設定することが重要です。また、売却を急がない場合には、賃貸利用や駐車場として一時的に活用するなど、収益を得ながら売却のタイミングを見計らうことも有効な対策となります。
土地を売却するには、買い手に安心感を与えることが必要不可欠です。
その際に大きな問題となるのが、土地の境界が不明確なケースです。古い土地では境界標が失われていることも多く、隣地所有者と境界線に対する認識が異なることも珍しくありません。境界が確定していないと、購入後のトラブルを懸念して売買契約自体が成立しないことも多いです。
こうした事態を避けるためには、事前に土地家屋調査士へ依頼して境界確定測量を行い、隣地所有者とも合意を取っておくことが大切です。測量の手間や費用はかかりますが、スムーズに売却するための必要な準備といえるでしょう。
相続人が複数いる場合、遺産をどのように分けるかについての話し合いがまとまらず、遺産分割協議が長引くことがあります。
特に不動産は公平な分割が難しい財産の代表格であり、感情的な対立が起きやすいという特徴があります。「売却し、現金化して分けたい」と考える人もいれば、「思い入れがあるから残したい」と主張する人もおり、意見の相違が原因で協議が進まないことも多いです。
このようなときは、第三者である弁護士や司法書士に依頼し、間に入ってもらうことで、冷静に話し合いを進められる場合があります。最終的に合意ができない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てて解決を図る方法もあります。
また、遺産分割協議がまとまらないことが懸念されるのであれば、相続対策として、生前のうちに遺言書を作成することも効果的です。
相続した土地が複数人の共有名義となっている場合、売却には全員の同意が必要になります。
共有者の中に疎遠な親族や連絡が取りにくい人がいると、同意を得るだけでも大きな負担となり、売却が思うように進まなくなることもあります。特に年月が経つにつれて、共有者の持分も子や孫へ承継されていくため、相続のたびに共有者同士の関係性が希薄になっていくケースが大半です。
こうしたトラブルを避けるためには、できるだけ早い段階で共有者同士が話し合い、売却方針を明確にしておくことが重要です。場合によっては、共有持分を整理する方法や、一人の相続人が土地を相続し、ほかの相続人には代償金を支払う代償分割といった方法も検討するとよいでしょう。
相続登記を済ませていなければ、そもそも売買契約を締結することはできません。したがって、相続した土地を売却するためには、その土地の名義が相続人に変更されていることが前提となります。
また、2024年4月以降は相続登記が義務化されており、期限を過ぎて放置すると過料の対象になります。売却の予定がないからといって、登記手続きを怠ると余分な出費を招くリスクも大きくなるため、注意が必要です。
相続登記の手続きには、被相続人の戸籍謄本や遺産分割協議書などの書類が必要であり、専門的な知識も求められます。不慣れな場合は司法書士に依頼することで、スムーズかつ確実に登記手続きを完了させることができます。
相続した土地を売却して利益が出た場合には、譲渡所得税が課される可能性があります。
相続した不動産を売却する場合、原則として被相続人がその物件を取得した際の購入代金などをもとに計算した取得費を引き継ぎますが、当時の売買契約書などが見つからないケースが多いです。
このように取得費が不明な場合には、概算取得費として売却価格の5%しか控除できず、本来よりも大きな譲渡所得が計上されてしまうことがあります。その結果、譲渡所得税の負担が想定よりも高額になり、当初の資金計画が崩れてしまうことも少なくありません。
このような事態を避けるためには、確定申告に向けて、購入当時の契約書や領収書など、取得費の計算根拠となる資料を早期のうちに探しておくことが大切です。
また、「相続した空き家を売却した場合の3,000万円の特別控除」や「取得費加算の特例」など、税負担を軽減できる特例制度もあるため、売却前に適用要件などをきちんと確認し、譲渡所得税のシミュレーションを行いましょう。
税金計算や確定申告手続きに不安がある場合には、お早めに税務署や税理士に相談することをおすすめします。
相続した土地を売却する場合には、相続登記や遺産分割協議などの「相続特有の手続き」と「不動産の売却手続き」の両方を適切に進めなければなりません。
売却によって維持コストや管理の手間から解放されるメリットは大きい一方で、境界確定の必要性や共有名義のリスク、譲渡所得税の負担など、売却する前に知っておくべきポイントも多いです。
不動産売却に向けた一般的な流れに加え、相続時における注意点や対応策を正しく理解することが大切です。相続や土地売却に関して不明点がある場合には、不動産会社や専門家に相談することが、スムーズな売却への近道となるでしょう。
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