不動産用語集
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お住み替えコラム
2023.06.29
転職や転勤、離婚などの理由で、住宅ローンを完済していない状態で家の住み替えをしなければならなくなるケースがあります。そのようなとき、住宅ローンの残債があっても住み替え先の住宅購入資金を調達する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
今回は「住み替えローン」と「ダブルローン」について、それぞれの違いや注意点、住み替えローンを利用する際の流れについて解説します。
住み替えるにあたって現在の住まいの住宅ローンを既に完済していれば、新居の住宅ローンを組むことが可能です。また、現在返済中の住宅ローンがあっても現在の住まいを売却した資金で残債を返済できれば問題ありません。
「住宅ローン」とは、購入する土地や建物を担保に住宅購入資金を借りることができる金融商品です。金融機関は、担保となる不動産に「抵当権」という権利を設定し、万一債務者の返済が滞った場合に、貸し出した金銭を回収できるようにしているのが一般的です。
抵当権を抹消するには、住宅ローンそのものを完済する必要があります。売却代金のみでは足りない場合、不足分については、預貯金を充当する、親族からの援助や借入金などを充当する、他の資産を現金化するなどの方法で、完済することになります。
しかし、家の売却資金や自己資金を充てても住宅ローンを返済しきれない場合もあるでしょう。そんな時に考えられるのが「住み替えローン」や「ダブルローン」を利用するという方法。「住み替えローン」や「ダブルローン」を利用すれば、残債があっても住み替えが可能となるのです。
前文でも記載した通り、抵当権とは、住宅ローンを組む際、金融機関が融資対象となる不動産(建物・土地)に対して設定する権利のこと。住宅ローンを借り入れた人(債務者)が返済できなくなった場合に備えて、不動産に抵当権を設定してローンの担保とします。仮に住宅ローンの返済が一定期間滞ってしまうと抵当権が行使され、不動産の差し押さえ・強制競売(任意売却の場合もあり)が行われるのです。
住み替えローンとは、現在住んでいる家の住宅ローン残債と新しく購入する居住先の家の購入費用を合わせて「1つの住宅ローン」として融資してもらえるローンです。
この章では、住み替えローンを利用できる条件やメリットとデメリットについて解説します。
住み替えローンを利用するには、以下の条件を満たす必要があります。
金融機関によって条件は異なりますが、一般的に上記の内容を条件としています。
住み替えローンには以下のメリットがあります。
住み替えローンは、現在住宅ローンの残債があるために、今まで住んでいた家の売却代金と自己資金を足し合わせても住宅ローンを完済できない場合であっても利用が可能です。
住み替え先の家を購入するにあたり、住宅ローンの利用が必要だとしてもローンを1本化でき、二重のローンを組む心配がありません。
自己資金を利用すれば既存の住宅ローンが完済できる状況だとしても、他にまとまった支出が予定されている場合、あえて住宅ローンの完済費用に充てずに自己資金を残しておくこともできます。
デメリットとしては「高額な債務を抱える可能性がある」ほか、「審査に通らない可能性がある」などがあります。
既存の家の住宅ローン残債と住み替え先の家の購入費用を合わせて借り入れるわけですので、もちろん借入金額が高額になる可能性もあります。また、借入金額が高額になるということは、審査に通るのが難しくなることを意味します。
一般的に住み替えローンの場合、住宅ローンに比べると高い金利が適用されます。
住み替えローンを利用するにあたり、既存の家の売却と住み替え先の家の購入のタイミングを合わせる必要があり(原則、同じ日に住み替え先と現居の引渡を同日に行う必要があります)、そのタイミングがなかなか合わないことも考えられます。特に今まで住んでいた家が売れなかった場合、住み替え先の家の購入手続きが進まず、利用までに時間がかかるケースもあります。
住み替えローンを使うまでの流れは以下のとおりです。
先に購入にいくらかかるか、住み替え先を決め、購入費用を確定させます。(不動産価格+購入の諸費用)
そして、同時に現時点で住宅ローンの残債がいくらあるのかを確認します。ローン残債は返済予定表で確認できます。返済予定表を紛失した場合は、金融機関の窓口やネットで確認できます。
現在住んでいる家を売却したい旨、不動産仲介会社に相談し査定を行ってもらいます。できれば複数社に相談し、査定結果を比較するようにしましょう。その際の対応(例えば、査定額は勿論ですが、住み替えの為の提案をどれくらいしてもらえるか)などを総合的に判断し、最終的に依頼する不動産仲介会社を決めるとよいでしょう。ここで大切なのは、「この金額は絶対に下回らない金額」を把握する事です。自宅の売却で現在の住宅ローンでいくら残るのかを確定させ、購入先の必要金額と合わせ、住み替えローンの総額を確定させます。次の段階の事前審査申し込みに進めます。
住み替えローンを取り扱っている金融機関を探し、金利や手数料などの条件を確認します。また申込条件も確認することを忘れないようにしてください。金融機関も複数社候補を挙げ、条件を比較して最終的に申し込む金融機関を決めることをおすすめします。
利用する金融機関を決めたら、事前審査を申し込みます。その後本審査に入ります。本審査では本人の属性を事前審査よりも詳しくチェックするほか、購入する物件の評価も合わせて行われます。住み替えローンは借入金額が高額になる傾向が高く、利息も高めに設定されるため、返済能力があるかどうかを厳しくチェックされます。
本審査に通過したら契約締結となり、締結後に融資が実行されます。その後返済が始まります。無理のない返済が続けられるよう、借入金額や返済期間を細かくシミュレーションし、返済計画を立てておきましょう。
ダブルローンとは、現在住んでいる家の住宅ローンの返済はそのまま続行し、住み替え先の家の住宅ローンを組むことです。つまり2つのローンを組むことになり、返済も2つになります。
ダブルローンを利用できる条件やメリットおよびデメリットについて、次項で説明します。
ダブルローンを利用するためには、以下の条件を満たさなければなりません。
ダブルローンを利用する最大のメリットは、既存住宅の売却と住み替え先の家の購入のタイミングを合わせなくてもいいことでしょう。また、仮住まいを準備する必要がない点もメリットです。
売却しようと思ってもなかなか売れない可能性は十分に考えられます。家が売れないために、購入しようと思っていた住み替え先の家が売れてしまうというリスクもあります。ダブルローンを利用することでこのようなリスクを回避できます。
ダブルローンのデメリットは、何と言っても返済額が増えることでしょう。前の家の住宅ローンと新居の住宅ローンの2本立てになりますから、毎月の返済額は単純に倍近くなることも想定されます。毎月返済額が高くなるということは、当然金融機関の融資条件も厳しくなります。また、金融機関は基本的に自宅は一人につき一つと考える為、現在利用している金融機関は選べない事が多いです
住み替えローン・ダブルローンそれぞれの特徴について解説してきましたが、住み替えでローンを利用する場合どちらを選ぶべきなのでしょうか。
結論から言うと、どちらのローンにもメリット・デメリット両面があるため、個別の状況によって適したほうを選ぶのがベターです。ご自身の状況に合ったローンがわからない場合には、金融機関や不動産仲介会社などに相談することをおすすめします。
家の住み替えを検討するにあたり、住み替えローンもしくはダブルローンを利用するなら計画的に進めなければなりません。住み替えやローンの利用にあたって、さまざまな条件が絡み合うことも考えられますので、不動産仲介会社や金融機関に事前に相談しながら進めていきましょう。
そのためには、信頼できる不動産仲介会社そして金融機関を見つけることがポイントになります。
三菱地所の住まいリレーでは、現在住んでいる家の売却提案や住み替え先の住まいを探すといったサポートだけでなく、住宅ローンの利用についても相談を承っています。ローンの利用に対して不安を感じている方に対しては、三菱地所ハウスネットの豊富なローン取り扱い実績や幅広いネットワークを活用したアドバイスはもちろん、金融機関に対する「住宅ローン事前審査」のお申込みも受け付けております。住み替えや住み替えに関するローンの利用でお悩みの方はまずお気軽にご相談ください。
住み替えを考えるにあたり、現在住んでいる家の住宅ローンがまだ残っている場合、本来なら売却した代金で住宅ローンを完済しなければなりません。しかし、売却代金が思ったほど高くなく自己資金も不足している状況では住宅ローンが完済できません。
その際に利用できるのが、住み替えローンもしくはダブルローンです。住み替えローンおよびダブルローンにはそれぞれ特徴があり、メリット・デメリットがあります。どちらを利用するのが自分に合っているのか、しっかりと検討してから決めるようにしましょう。
掲載記事の内容は制作時点の情報に基づきます。
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