お住み替えコラム

2022.05.31

老後の住み替え。タイミングや住み替え先、失敗しないための資金計画を

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ライフスタイルや家族構成の変化により、老後の住み替えを検討している人、あるいは自分の親が検討している人も多いのではないでしょうか。20代~30代の時とは異なり、老後は住み替え先に住める時間や住宅ローンの返済期間が短くなり、不安に思うこともあるでしょう。この記事では、老後の住み替えに適したタイミング、住み替えの6つの選択肢やそれぞれのメリットとデメリット、失敗しないための資金計画について解説します。

  1. 老後の住み替えを検討するタイミング
  2. 老後の住み替え先の選択肢
  3. 老後の住み替えにおける資金計画
  4. 老後の住み替えは慎重に

老後の住み替えを検討するタイミング

いつから「老後」と解釈するかは、人によって違うかもしれません。ここでは、リタイア間近の時期を「老後」とすると、老後の時期に重なる住み替えを検討するタイミングは、主に次の3つが挙げられます。

  • 現役をリタイアしたとき
  • 子どもが独立したとき
  • 建て替えやリフォームが必要になったとき

それぞれのケースではどんな特徴があるのか、詳しくみていきましょう。

現役をリタイアしたとき

会社を退職すると、通勤に便利な立地に住む必要がなくなります。ライフスタイルが変わり、住みやすい立地の条件が変わってくることもあるでしょう。たとえば、家で料理をする時間が増えてスーパーやコンビニが近所にあった方がよい、スポーツクラブや趣味へ通いやすいところがよい、などです。

家で過ごす時間も増えるため、読書ができる書斎が欲しいなど、居住空間の快適性をこれまで以上に重視する可能性もあります。リタイア後は、それまで仕事で時間がなく、やりたくてもできなかったことをやるチャンスでもあります。そのため、野菜づくりをしたい、自然の中を散歩できる環境に住みたい、などの希望があれば、住むエリアを変えることも考えられます。

子どもが独立したとき

子どもが一人暮らしや結婚で家を出てしまうと、それまで子どもが使っていた部屋が不要になります。そのような部屋を来客用にするだけでは、使用頻度が格段に下がる割には掃除などの手間もかかり、効率的な活用とはいえません。

それなら部屋数は少なくても、常に利用するリビング、トイレ、浴室などが広い方が快適性は高く、すべての空間を有効活用できます。また、広さにゆとりがある場合は、バリアフリーへの仕様変更も容易で、老後の生活がしやすくなります。

あるいは、それまでの生活空間から不使用になった部分を省いたコンパクト設計の方が生活や管理がしやすい場合は、家の規模を縮小する選択肢もあります。

建て替えやリフォームが必要になったとき

家が老朽化すると、いずれは建て替えやリフォームが必要になります。戸建ては、一般に築20年以上では売却時の建物評価額はゼロとなります。築20年以上の戸建ては建て替えやリフォームの検討時期になってくるともいえます。マンションは、築10年以上で大規模修繕工事が行われることが多いため、内装の簡単な修繕なども築10年が1つの目安と考えられます。

住人も歳を取ると、つまずきやすくなったり、車いすでの移動が必要になったりするので、バリアフリー化が検討されることになります。

家の老朽化やバリアフリー化への対応は、これまで住んでいる家に手を加えても対応できますが、老朽化の程度によっては思い切って住み替えをするほうが安く済むこともあり得るでしょう。

老後の住み替え先の選択肢

リタイア後はどこでどのように過ごしたいかを具体的にイメージしてみると、老後の住まいを決めやすくなるでしょう。老後の住み替え先の選択肢として6つの例を挙げます。それぞれにメリットとデメリットがありますので、選択に失敗して不必要に何度も引越しを繰り返さないよう、ご自身の現状に当てはめて最善の方法を考えてみてください。

  • 戸建てからマンションへ
  • マンションから戸建てへ
  • 持ち家から賃貸へ
  • 賃貸から持ち家へ
  • 高齢者施設へ
  • 子どもと同居

戸建てからマンションへ

国土交通省「平成30年度 住宅市場動向調査報告書」によると、住宅取得が2回目以上(二次取得者)になる50歳以上の世帯では、分譲マンションや中古マンションを取得する割合が、それぞれ全体の66.7%、72.3%と圧倒的に多くなっています。分譲戸建住宅(32.6%)や中古戸建住宅(53.8%)の取得割合と比較すると、その差は大きいことがわかります。

<マンション>

■メリット
  • 鍵一つで出かけられる利便性とセキュリティの高さ
  • 居住空間に段差や階段が少ない
  • 庭や外構などは共用施設として管理組合で維持管理するため、清掃や手入れの体力的負担がない
  • 戸建てに比べ開口部が少なく、鉄筋コンクリート造のため気密性が高く、あたたかい
■デメリット
  • 近隣住民の生活音などが気になることがある
  • 老朽化や震災などで建替えが必要になると、自分の一存では決められず管理組合での決議が必要

<戸建て>

■メリット
  • 郊外などでは自然の豊富な静かな住環境を手に入れやすい
  • 庭があれば四季折々の庭木や草花が楽しめる
  • 駐車スペースと住まいの距離が短いので移動や荷物の運搬が高齢者には楽
  • 庭先で洗車が可能であったり、ガレージなどにこだわることができる
  • 建替え、リフォームなどの自由性がある
  • 隣接住民の生活音が気になりにくい
■デメリット
  • 庭木の手入れなどの手間や時間がかかり、時には費用も発生する
  • 建物の外装や敷地などを含めた外構も自己管理が必要
  • 建物の修繕は一度に多くの出費が見込まれるため、計画的に行う必要がある
  • マンション立地よりは一般的に駅・商業施設・病院などまでの距離が遠く利便性が落ちる

持ち家から賃貸へ

持ち家を売却して、賃貸に移ることもできます。または、持ち家は資産として残しておきたい、などの場合は、持家を貸し出して家賃収入を得ながら賃貸に住むという選択肢もあります。

<賃貸>

■メリット
  • 気軽に住み替えができるので、その後も実家、高齢者住宅、老人ホームなどへ移り住みやすい
  • 持ち家を売却できればローン残高が精算でき、売却資金があれば一定期間の家賃や初期費用に充てることができる
■デメリット
  • 返還時に原状回復義務があり、物件の破損などに気を付けなければならない
  • リフォームができない、物件によってはペットが飼えない、など条件が厳しい
  • 敷金、礼金、更新料などがかかる
  • 月々の費用負担が大きく、長期間住むと持ち家よりもトータルコストが高くなる可能性がある
  • リタイア後定期収入がなくなるため、審査が厳しくなり物件の選択肢が少なくなる
  • 家賃を払い続けても自己所有物(自分のもの)・自己の資産にはならない

賃貸から持ち家へ

退職で社宅退去などを機に家を購入することもあるでしょう。退職後は、現役時代に比べて一般に収入が少なくなるので、それまで以上に月々の家賃が負担になり、購入に踏み切ることも考えられます。

<持ち家>

■メリット
  • 資産になるため、その後売却して老人ホームの入居一時金や利用費用に充当できる
  • 自分の理想の住まいを追求することができる
  • 財産として子どもに残すことができる
  • 賃貸に比べて住居費の負担が減る(住宅ローンがない場合)
■デメリット
  • 購入時にまとまった費用を用意する必要がある
  • 高齢になると住宅ローンを組めない場合もある
  • 将来住み替えたくなっても、すぐに売却できないことがある
  • 固定資産税がかかる
  • 管理修繕費がかかる
  • リタイア後に住宅ローンがあると年金収入からの返済負担は大きい

高齢者施設へ

加齢により自立生活に不安がある、子どもには迷惑をかけたくない、という人は高齢者施設へ入居するという選択肢もあります。高齢者施設はさまざまな種類があり、ここでは入居待機期間が短く、要介護前でも入れる民間有料老人ホーム(介護付・住宅型)を示します。

介護付は介護サービスが施設内で受けられ、住宅型は外部の介護サービスを利用します。原則、住居型は満60歳以降、介護付は満65歳以降の人が入れます。

■メリット
  • 見守りや生活支援がある
  • 家事負担がない
  • 医療機関提携・緊急時対応などの健康管理サービスがある
  • レクリエーション・イベント等のアクティビティが受けられる
■デメリット
  • 費用が高額になることがある
  • 施設の場所によっては、子どもの近くに住めるとは限らない
  • 施設のルールを守り生活をする必要がある
  • 自分で考え行動する機会が減り人に依存することが多くなると、自立意欲が減退することもある

子どもと同居

独立した子どもや子世帯と同居するという選択肢もあります。子どもがまだ働き盛りで忙しく過ごしている時期であれば、家事などを分担すると喜ばれるでしょう。経済的負担も折半すれば、お互いにメリットがあります。

■メリット
  • 家族が一緒に住んでいる安心感がある
  • 介護が必要になった時に家族が分担してくれることが期待される
  • 孫がいれば、成長過程を見守ることができる
  • 住宅ローンを子世帯と協力しながら組むこともできる
  • 住宅購入費や入居後の光熱費などを、親子で補完し合える
■デメリット
  • お互いに同居によるストレスを感じることがある
  • 孫の面倒をみることがストレスになることもある
  • 共有キッチンでは、嗜好が異なる食事を調理する際に不便なことがある
  • 二世帯住宅の場合は将来売却しにくい

老後の住み替えにおける資金計画

老後は就労所得がなくなり、経済的には生活規模の縮小が求められる時期になります。現役時代と同様の感覚でお金を使わないよう注意が必要です。老後の生活費を確保しながら、老後の住み替えを検討する際は、余裕を持った資金計画が大切です。資金の準備方法を3つ紹介します。どれか1つを選ぶのではなく、必要に応じて適宜3つを組み合わせて上手に利用しながら準備をするとよいでしょう。

  • 退職金や貯金
  • 現在の住宅の売却資金
  • 住宅ローン

退職金や貯金

退職金や貯金の一部を利用する方法です。持ち家などの売却資金に加え、新居購入に足りない分を退職金や貯金の一部で補填できます。

老後は収入の大幅な減少が見込まれるため、退職金や貯金は老後の生活費を賄うための大切な資金です。老後の生活費が月にいくら必要かをまず試算してみましょう。

仮に老後の夫婦の生活費に月25万円必要で、年金収入が20万円なら、不足額は月5万円で年間60万円を貯蓄から取り崩すことになります。老後を65歳から90歳までの25年と見積もると、1500万円(60万円×25年)は老後の生活費に最低でも残すべき貯蓄残高です。老後の生活費を賄うだけの費用を取りおいてから、住居費へ計画的に使いましょう。

現在の住宅の売却資金

現在持ち家に住んでいれば、家の売却資金を老後の住まいの購入に充当できます。高く売れれば売れるほど、住み替える家の購入予算を多く見積もれます。

一般に土地の価格が物件価格に影響しますので、売却時期は地価の高い時がねらい目です。特に戸建ては、土地が物件価格に占める割合も高いので、所有地の価格変動には注意しておきましょう。地価が上昇するタイミングには、インフレが進んでいる時や、地域的に利便性が上がる時、などがあります。たとえば近隣で公共施設やショッピングセンターができるなどの計画があれば、地価は上昇することが期待できます。

建物は経年とともに価格が下がるのが一般的です。購入時には最新モデルだった設備の仕様も時代と共に旧式化し、経年劣化も進むため、建物は早く売るほど高く売りやすいといえます。

住宅ローン

民間金融機関の借入可能年齢は、満65歳~満71歳未満、最終返済時は満80歳~満81歳未満のことが多いようです。60代でも健康で安定した収入があれば、住宅ローンを組めます。

しかし、60代での住宅ローンは、最終返済時を80歳とすると、借入期間は最長20年で借入金額も少なくなります。また、80歳まで働き続けるのは難しいので、更に短い借入期間にする、頭金を多めに入れる、もう少し早い時点からの借入を検討する、などが現実的です。

もし子どもと同居をするのであれば、親子リレー返済や子どもとのペアローンで、借入期間や借入額を増やすことができます。

また、住宅ローンの総返済額を減らすポイントは借入金利です。なるべく低金利で借りられるよう金利動向にも注意しておきましょう。

老後の住み替えは慎重に

老後の住み替えに対する不安は、体力的・経済的要因からくるものが大きいと考えられます。これらの不安を解消するためには、老後の生き方を見定めながら住み替える家を吟味し、しっかりとした資金計画を立てることが大切でしょう。

不動産売買は、頻繁に経験するものではないので難しいものです。自分が求めるライフスタイルと、今後の住まいに求めるものを明確にして、信頼できる不動産仲介会社と出会うことが、住み替えを成功させるポイントです。

三菱地所の住まいリレーでは、住み替えに関する様々な相談が可能です。まずは無料査定から試してみてはいかがでしょうか。

この記事を監修した専門家

岩永真理

岩永真理ファイナンシャル・プランナー
一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®。IFPコンフォート代表。
大手金融機関に10年以上勤務。海外赴任経験も有す。
2011年にファイナンシャル・プランナー資格(CFP®)取得後は、個別相談・セミナー講師・執筆(監修)などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用や住宅購入、リタイアメントプランなどの相談多数。

掲載記事の内容は制作時点の情報に基づきます。

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