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お住み替えコラム
2023.06.29
ライフスタイルや家族構成の変化により、老後の住み替えを検討している人、あるいは自分の親が検討している人も多いのではないでしょうか。20代~30代の時とは異なり、老後は住み替え先に住める時間や住宅ローンの返済期間が短くなり、不安に思うこともあるでしょう。この記事では、老後の住み替えに適したタイミング、住み替えの5つの選択肢やそれぞれのメリットとデメリット、失敗しないための資金計画について解説します。
リタイア後はどこでどのように過ごしたいかを具体的にイメージしてみると、老後の住まいを決めやすくなるでしょう。老後の住み替え先の選択肢として6つの例を挙げます。それぞれにメリットとデメリットがありますので、選択に失敗して不必要に何度も引越しを繰り返さないよう、ご自身の現状に当てはめて最善の方法を考えてみてください。
関連リンク:https://www.mec-h.com/column/sumikae/12
国土交通省「平成30年度 住宅市場動向調査報告書」によると、住宅取得が2回目以上(二次取得者)になる50歳以上の世帯では、分譲マンションや中古マンションを取得する割合が、それぞれ全体の66.7%、72.3%と圧倒的に多くなっています。分譲戸建住宅(32.6%)や中古戸建住宅(53.8%)の取得割合と比較すると、その差は大きいことがわかります。
持ち家を売却して、賃貸に移ることもできます。または、持ち家は資産として残しておきたい、などの場合は、持家を貸し出して家賃収入を得ながら賃貸に住むという選択肢もあります。
退職で社宅退去などを機に家を購入することもあるでしょう。退職後は、現役時代に比べて一般に収入が少なくなるので、それまで以上に月々の家賃が負担になり、購入に踏み切ることも考えられます。
加齢により自立生活に不安がある、子どもには迷惑をかけたくない、という人は高齢者施設へ入居するという選択肢もあります。高齢者施設はさまざまな種類があり、ここでは入居待機期間が短く、要介護前でも入れる民間有料老人ホーム(介護付・住宅型)を示します。
介護付は介護サービスが施設内で受けられ、住宅型は外部の介護サービスを利用します。原則、住居型は満60歳以降、介護付は満65歳以降の人が入れます。
独立した子どもや子世帯と同居するという選択肢もあります。子どもがまだ働き盛りで忙しく過ごしている時期であれば、家事などを分担すると喜ばれるでしょう。経済的負担も折半すれば、お互いにメリットがあります。
いつから「老後」と解釈するかは、人によって違うかもしれません。ここでは、リタイア間近の時期を「老後」とすると、老後の時期に重なる住み替えを検討するタイミングは、主に次の3つが挙げられます。
それぞれのケースではどんな特徴があるのか、詳しくみていきましょう。
会社を退職すると、通勤に便利な立地に住む必要がなくなります。ライフスタイルが変わり、住みやすい立地の条件が変わってくることもあるでしょう。たとえば、家で料理をする時間が増えてスーパーやコンビニが近所にあった方がよい、スポーツクラブや趣味へ通いやすいところがよい、などです。
家で過ごす時間も増えるため、読書ができる書斎が欲しいなど、居住空間の快適性をこれまで以上に重視する可能性もあります。リタイア後は、それまで仕事で時間がなく、やりたくてもできなかったことをやるチャンスでもあります。そのため、野菜づくりをしたい、自然の中を散歩できる環境に住みたい、などの希望があれば、住むエリアを変えることも考えられます。
子どもが一人暮らしや結婚で家を出てしまうと、それまで子どもが使っていた部屋が不要になります。そのような部屋を来客用にするだけでは、使用頻度が格段に下がる割には掃除などの手間もかかり、効率的な活用とはいえません。
それなら部屋数は少なくても、常に利用するリビング、トイレ、浴室などが広い方が快適性は高く、すべての空間を有効活用できます。また、広さにゆとりがある場合は、バリアフリーへの仕様変更も容易で、老後の生活がしやすくなります。
あるいは、それまでの生活空間から不使用になった部分を省いたコンパクト設計の方が生活や管理がしやすい場合は、家の規模を縮小する選択肢もあります。
家が老朽化すると、いずれは建て替えやリフォームが必要になります。戸建ては、一般に築20年以上では売却時の建物評価額はゼロとなります。築20年以上の戸建ては建て替えやリフォームの検討時期になってくるともいえます。マンションは、築10年以上で大規模修繕工事が行われることが多いため、内装の簡単な修繕なども築10年が1つの目安と考えられます。
住人も歳を取ると、つまずきやすくなったり、車いすでの移動が必要になったりするので、バリアフリー化が検討されることになります。
家の老朽化やバリアフリー化への対応は、これまで住んでいる家に手を加えても対応できますが、老朽化の程度によっては思い切って住み替えをするほうが安く済むこともあり得るでしょう。
老後は就労所得がなくなり、経済的には生活規模の縮小が求められる時期になります。現役時代と同様の感覚でお金を使わないよう注意が必要です。老後の生活費を確保しながら、老後の住み替えを検討する際は、余裕を持った資金計画が大切です。資金の準備方法を3つ紹介します。どれか1つを選ぶのではなく、必要に応じて適宜3つを組み合わせて上手に利用しながら準備をするとよいでしょう。
退職金や貯金の一部を利用する方法です。持ち家などの売却資金に加え、新居購入に足りない分を退職金や貯金の一部で補填できます。
老後は収入の大幅な減少が見込まれるため、退職金や貯金は老後の生活費を賄うための大切な資金です。老後の生活費が月にいくら必要かをまず試算してみましょう。
仮に老後の夫婦の生活費に月25万円必要で、年金収入が20万円なら、不足額は月5万円で年間60万円を貯蓄から取り崩すことになります。老後を65歳から90歳までの25年と見積もると、1500万円(60万円×25年)は老後の生活費に最低でも残すべき貯蓄残高です。老後の生活費を賄うだけの費用を取りおいてから、住居費へ計画的に使いましょう。
現在持ち家に住んでいれば、家の売却資金を老後の住まいの購入に充当できます。高く売れれば売れるほど、住み替える家の購入予算を多く見積もれます。
一般に土地の価格が物件価格に影響しますので、売却時期は地価の高い時がねらい目です。特に戸建ては、土地が物件価格に占める割合も高いので、所有地の価格変動には注意しておきましょう。地価が上昇するタイミングには、インフレが進んでいる時や、地域的に利便性が上がる時、などがあります。たとえば近隣で公共施設やショッピングセンターができるなどの計画があれば、地価は上昇することが期待できます。
建物は経年とともに価格が下がるのが一般的です。購入時には最新モデルだった設備の仕様も時代と共に旧式化し、経年劣化も進むため、建物は早く売るほど高く売りやすいといえます。
民間金融機関の借入可能年齢は、満65歳~満71歳未満、最終返済時は満80歳~満81歳未満のことが多いようです。60代でも健康で安定した収入があれば、住宅ローンを組めます。
しかし、60代での住宅ローンは、最終返済時を80歳とすると、借入期間は最長20年で借入金額も少なくなります。また、80歳まで働き続けるのは難しいので、更に短い借入期間にする、頭金を多めに入れる、もう少し早い時点からの借入を検討する、などが現実的です。
もし子どもと同居をするのであれば、親子リレー返済や子どもとのペアローンで、借入期間や借入額を増やすことができます。
また、住宅ローンの総返済額を減らすポイントは借入金利です。なるべく低金利で借りられるよう金利動向にも注意しておきましょう。
老後はライフスタイルが変化して、住まいに求めるものは現役時代と異なる可能性があります。
また、持ち家は高額な資産なため、売却して新たな家を購入するには適正価格で売却して有効活用したいところです。年金収入のみで資金的な余裕が少ない老後は、持ち家をできるだけ高額で売って追加資金を抑えたいことから、この傾向は一層強いでしょう。
老後の生活を見据えた上で、上手に住み替えをするためにはどんな点に気を付けたらよいのか、老後の住み替えを失敗させないポイントを3つお伝えします。
年齢が上がれば体力の低下も考えられ、家で過ごす時間も増えるでしょう。そのため、住み替え先の建物と周辺環境、その2つに気を付けて選ぶことがポイントです。
まず、住み替え先の住まいが快適に過ごせる建物構造であることです。断熱性に優れ、冬は暖かく夏は過ごしやすいか、段差はないか、セキュリティはしっかりしているか、などのチェックは欠かせません。
次に、周辺環境です。坂道や階段が少なければ高齢になっても暮らしやすいといえます。また、自宅時間が長いと周囲が気になる可能性も高まるため、これまで周辺住民とトラブルはないか、住民の入れ替わりが頻繁ではないか、なども確認しておくとよいでしょう。
加えて、将来的に車の運転が難しくなることを考えて、車なしでも生活できるような利便性の高さもポイントです。たとえば、駅やバス停、よく利用する施設(コンビニ、スーパー、ドラッグストア、銀行、郵便局など)が近くにあると便利でしょう。
さらに、病気やケガをするリスクも年齢とともに高まるので、自宅からアクセスのよい場所に医療機関があれば安心です。
老後の住み替えは、住み替え先の建物と環境に重点を置いて選びましょう。特に、環境は建物のように後からリフォームすることはできないため、実際の生活をイメージして確認しておきましょう。
老後の収入は年金に限られるため、資金繰りで失敗すると取り返しがつきにくくなります。早めに資金計画を立てて余裕を持った住み替えをしましょう。
住み替える家を買う際には、持家の売却資金を元手にして、さらに追加資金を払う(住宅ローン含む)のか、払うならその金額がいくらなら老後生活を圧迫しないのか、事前によくシミュレーションすることが大切です。
まずは、「住み替えの家を買うとき」と「持家を売るとき」に失敗しないことです。前者での注意ポイントは、高額すぎる物件を買わないことです。たとえば、退職金をつぎ込んで買ってしまい、年金だけでは足りない生活費を補う貯金が底をつき、生活が回らなくなることもあり得ます。
住宅ローンを借りすぎることも、「住み替えの家を買うとき」の失敗例です。退職後も働き続ける予定で住宅ローンを組んでも、途中で体を壊して働けなくなり月々の返済負担が重く生活が苦しくなる可能性も考えられます。
「持家を売るとき」に注意したい点は、持ち家を相場よりも極端に安く売らないことです。不動産市場や不動産会社をよく調べずに売却したり、住み替える家の購入とタイミングを合わせるために売り急いだりして、相場より安く売却してしまうと、結果として予算よりも多くの購入資金を持ちだすことになります。
いずれにしても、身の丈に合った住み替えをして老後生活を圧迫しないことが大切です。
老後の住み替えといっても、その家が必ずしも終の棲家になるとは限らないことも想定しておきましょう。
なぜなら、人生100年時代になり、自分ひとりで生活ができずに介護が必要になるときが誰にでもやって来る可能性があるからです。そのため、住み替え先を売却するという選択肢も考え、売却時に資産価値が落ちない物件を選ぶとよいでしょう。
仮に、要介護になり施設へ入所する場合、住み替えた家を売却し、入居一時金や月額費用に充てることができます。また、子どもと同居をすることになれば、住み替えた家を売却することもあるでしょう。
もし自分が亡くなり、家を家族が相続するのであれば、その家を賃貸にしたり売却したりするなどして残された家族が有効な利益が得られる可能性もあります。
立地や周辺環境が良ければ資産価値を高く維持できることが期待されます。資産価値の落ちにくい物件を住み替え先に選ぶことは、自分が売却をするにしても家族が引き継ぐにしても有利に働くと考えられます。
また、家族に資産を残す際に、現金で残すよりは不動産で残した方が相続税評価額は低くなるため、相続税対策にも有利でしょう。
続いて、住み替えの流れや不動産売却の進め方について見ていきましょう。老後の住み替えはできるだけリスクの低い方法が望ましいため、以下は比較的資金計画が立てやすい「売り先行」の場合を想定しています。
現在の住まいは、適正価格で早く売却できることが理想です。そのため、少しでも早いタイミングで高く売ってくれる不動産会社を選ぶことが重要です。まずは自分でネットなどを検索して調べてみましょう。
不動産会社に査定を依頼する際は、複数の不動産会社へ依頼してみると、現在の住まいのおおよその価格相場がわかります。特に、その地域で販売実績が多い不動産会社であれば、これまでの取引から不動産市場の動向を把握している可能性が高いでしょう。
売る家がいくらになるかがわかれば、手元に入るお金が予想できるため、それに基づいた無理のない資金計画を立てやすくなります。住宅ローンを組み、売却資金以上の家を買うのであれば、いくらまでの借入なら老後の生活を圧迫しないのか、シミュレーションをして購入できる家の金額を決めます。
返済可能な住宅ローンの金額がわかれば、購入できる家の金額がわかります。購入できる金額の範囲内で住み替え先の家を選ぶことが、無理のない資金計画の基本です。
住み替えで失敗しないように立地や建物構造などに注意しながら購入物件を決定し、現在住んでいる家を売却して、その資金(と住宅ローン)を元手に住み替え先の家を購入します。
住み替えには、不動産市場の動向をつかみ、タイミングよく適正価格でまずは売却することが肝心です。そのためには、取引実績の多い不動産会社を選ぶとよいでしょう。
また、住み替えは自宅の売却後に新たな住まいを購入するという2段階のステップがあるため、売却のタイミングに合わせて新たな住まいを購入できると無理のない資金計画が立てられます。
取引実績のみならず、買取実績のある不動産会社なら、タイミングを合わせた売買のマッチングができるでしょう。
三菱地所ハウスネットは、「売りたい」お客様と「買いたい」お客様をつなぐ不動産仲介会社として、豊富な経験と取引実績を持っています。また、住まいの「買いかえ」では、メリットの最大化とデメリットの最小化を目指したプランニングを行っています。
また、三菱地所グループの総合力を活かして相談時から成約後に至るまで、売主にも買主にも安心な不動産取引を後押しする以下のサービスをご提供しています。
はじめての不動産取引でも、不安を解消して安心して進めることができます。
老後の住み替えに対する不安は、体力的・経済的要因からくるものが大きいと考えられます。これらの不安を解消するためには、老後の生き方を見定めながら住み替える家を吟味し、しっかりとした資金計画を立てることが大切でしょう。
不動産売買は、頻繁に経験するものではないので難しいものです。自分が求めるライフスタイルと、今後の住まいに求めるものを明確にして、信頼できる不動産仲介会社と出会うことが、住み替えを成功させるポイントです。
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掲載記事の内容は制作時点の情報に基づきます。
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