お住み替えコラム

2022.07.19

60代70代で考える老後の住み替え。成功のポイントとは

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住み替えのノウハウ特集
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60代70代は、住宅の老朽化やライフスタイルの変化に伴い「住み慣れた家をどうするか」考え始める時期かと思いますが、リタイア後に住み替えを考えるにあたって押さえておくべきポイントがいくつかあります。

実際に住み替える際には、どのような点を考慮しながら、最終的な住み替え先を決めるべきなのでしょうか。今回は老後の住み替えにおいて気をつけるべきポイントを解説します。

  1. どっちがいい?老後の住まい選択肢
  2. シニアの住み替え先選びのチェックポイント
  3. シニアの住み替えを成功させるポイント
  4. 60代70代の住み替えは不動産仲介会社に相談

どっちがいい?老後の住まい選択肢

老後の住まいを考える際には、どのような生活スタイルを送りたいか、ということが重要なポイントになります。病院に通う頻度が高くなることが予想されるため、できるだけ交通手段のよい場所に住みたいと思う人もいれば、老後は郊外の静かな場所でゆっくりと過ごしたいと考える人もいるでしょう。住まいの選択肢はさまざまですが、それぞれの特徴およびメリット・デメリットを十分に把握した上で決めることが大切です。

マンションか戸建てか

マンションか戸建てを選ぶ際に重要となるポイントをみてみましょう。

まず一つ目に、生活導線の負担が少ないか、という点です。マンションは、基本的に生活動線が横で済ませられます。高齢者のケガの多くは自宅での転倒となっていますが、階段の昇り降りもその原因の1つといわれています。その点、エレベーターが付いているマンションであれば、上下の動線の負担が軽減されます。一方、戸建ての場合でも、一から注文住宅でバリアフリー設計の戸建てを建てるという手もあります。そのため、自分に合った間取りや広さなども含め、総合的に負担の少ない選択をすることが大切です。

続いて二つ目のポイントは、建物や庭などの管理(庭掃除や建物メンテナンスの手配など)にかかる手間です。戸建ての場合、管理会社が入っているマンションと比較すると、汚れた壁の塗装や庭の草木の手入れなどを自ら対応または手配するという労力がかかります。一方、ガーデニングやDIYが趣味の方にとってはメリットに感じる点かもしれません。

賃貸か持ち家か

自分が亡くなった後の相続のことを考え、生きているうちに現金と比べて使い勝手の低い不動産を売却し、賃貸物件に住み替えるという考え方もあります。特に相続人が複数人存在する場合、分割協議の際に揉める原因となる可能性が高いため、売却して現金化しておくという考え方は有効です。

ただ、住宅ローンを完済しているのであれば、家の維持に関する支出は主に固定資産税と、戸建ての場合は修繕費用、マンションの場合は管理費や修繕積立金になり、賃貸物件に住み替えるよりも現在の家に住み続ける方が住宅費としての固定支出を抑えられる可能性があります。

この点については、現在の住宅にかかる固定費と賃貸物件に住み替えた際の固定費を比較して検討することが大切です。また、賃貸物件では入居審査があるため、希望する物件に入居が可能か事前に不動産仲介会社に相談しておくとよいでしょう。

中古物件か新築物件か

住み替えにあたり持ち家を検討するのであれば、中古物件を選ぶのか、新築物件を選ぶのかについても選択における重要なポイントです。中古物件は新築物件に比べ、比較的低価格で市場に出ていることが多いため、購入後にリフォームを行うことで新築と変わらない感覚で住み替えることも可能です。

新築物件は最新の設備や素材を導入できることに加え、さらに注文住宅を選択すればバリアフリー設計にできるなど自由度も高くなります。

ただし、どちらも新しく購入することになるため、まとまった資金が必要となり、住宅ローンの利用を考える必要もあるでしょう。その際、住宅ローンの申し込み条件に該当するか、そして返済額が生活する上で負担にならないかを考える必要があります。

子どもと同居か高齢者施設か

住み替えといっても、これまでと全く別の場所に住むのではなく、2世帯住宅に建て替えて子どもと同居するという考え方もあります。同じ建物でも玄関を別にする完全分離型の2世帯住宅なら、それぞれのプライバシーを保つことができ、介護が必要になった際には子どもに頼ることもできるでしょう。

自身の介護に関して子どもに迷惑をかけたくないと考えるならば、高齢者施設に入居するという選択肢もあります。高齢者施設にはさまざまな種類があり、どのようなサービスを望むかによって費用や入居条件が異なります。したがって、どの高齢者施設を利用するかは、自身の現在の状況と今後の希望を考慮しながら決めることが大切です。

シニアの住み替え先選びのチェックポイント

老後の住み替え先を選ぶ際には、「どのような場所に住むのか」や「どのような建物に住むのか」、さらには「住み替え先の物件の資産価値」など、考えるポイントもさまざまです。全ての希望を叶える住み替え先を選ぶことは難しいため、どこまでなら妥協できるのか、もしくはここだけは譲れないといった条件を明確にし、優先順位をつけることが重要となります。

ここでは、住み替え先を選ぶ際のチェックポイントについて詳しく解説していきます。

立地・周辺施設

どのような場所に住むのかは、老後の生活を送るうえで非常に大切なポイントです。今後、車を手放すことを考えているなら、バス停や駅などの近くはもちろん、バスや電車の路線や一日に走っている本数も考慮しておきましょう。また、食品や日用品を購入するスーパーマーケットや、メインに使っている金融機関が近くにある場所を選ぶことも大切です。

さらに、老後は病院にかかる頻度が高くなることが予想されるため、かかりつけ医になりそうな通いやすい病院が近くにあるかどうかも考えておきましょう。あわせて、何かあった際に頼れる家族や親族ができるだけ近くにいる場所を選ぶことも大切です。そして、普段から家族や親族と連絡を取り合っておくなど、日頃の情報を共有しておくように心がけておきましょう。

建物の性能と構造

高齢者には少しの段差も危険といわれていますので、段差がないバリアフリー設計は見逃せないポイントです。また、防犯カメラを設置するなど、セキュリティ対策も怠らないようにしましょう。マンションの場合、オートロックなどセキュリティ対策を行っている物件が多いですが、戸建ての場合は自分で行う必要があります。

また、間取りを考えることも重要なポイントです。使わない部屋があると、必然的に物置化してしまいます。不要なものはできるだけ処分することを考えるとともに、生活する上で必要最小限の間取りを確保することを考えましょう。そして、将来身体の動きが不自由になる可能性も考え、寝室とトイレを近くするなどといった生活動線も考慮しておくと安心です。

物件の資産価値

将来、再度住み替える必要性が生じたり、子供が相続した時のことを考え、物件の資産価値をポイントに住み替え先を選ぶという考え方もあります。立地条件や間取り、築年数によっては高値で売却できる可能性がありますし、今後の周辺環境の変化によっては、購入時よりも資産価値が上がる可能性もあります。資産価値が高いのであれば、売却だけでなく、自分が退去した後に賃貸に出すことで、賃料収入を得るという選択肢もあります。

仮に新しく購入する際は、資産価値の高い住宅に住み替えることが今後の資産形成に繋がったり、相続が発生した場合、対象財産である不動産が賃貸用であれば評価額がさらに下がるため、相続税対策にもなることを覚えておきましょう。

シニアの住み替えを成功させるポイント

シニアの住み替えを成功させる一番のポイントは、「いかに早めに取り組むか」です。子どもが独立したタイミングで自分の年齢を考慮しながら、いつまでこの家に住み続けることができるかを考えましょう。

その際には、リタイア時点での貯蓄額、そして年金収入がどのくらいあるのかを把握し、老後の生活を送るにあたって収支がマイナスにならないよう、余裕を持って資金計画を立てることが大切です。

必要な間取りや広さを見直し再考する

これまで子どもと同居しており、老後は夫婦2人もしくは単身での生活になるのであれば、これまでよりも部屋数が少なくて済むでしょう。自分たちが暮らすうえで必要な間取りはどのくらいかを検討し、必要な間取りや広さを見直し再考することも大切です。

また、老後は上下の動線が負担になることが考えられるため、戸建てを考えるなら横の動線で完結する平屋の検討をおすすめします。あわせてバリアフリー構造としてのスロープや手すりを考慮するとよいでしょう。特に坂が多い立地の場合、道路から玄関までが階段であるケースが多く、敷地面積によってはスロープの確保が難しい可能性もあります。そのような状況であれば、思い切って段差に悩むことが少ないマンションを選ぶという手もあります。

余裕のある資金計画を立てる

資金計画は、住み替えを考え始めた時の状況によって異なります。持ち家を売却する際の査定額をしっかりと把握し、さらには年金受給額を考慮しながら、新しく購入する物件にどのくらいの費用を充てることができるかを考えましょう。

そのうえで、住み替えた後の住居にかかる費用や、リタイア後にどのような生活をしていきたいかを考えながら、突発的な出費にも対応できるような余裕を持った資金計画を立てることが大切です。

また、住宅ローンが完済していない状況ならば、どのくらいの価格でご自宅が売却できるか現状の資産価値を把握して、売却した費用でローン残債を完済できるかどうかも確認しておきましょう。

家族などによく相談する

中には、将来その家に住みたいと考える子どもが居るかもしれませんので、住み替えを考える際には家族とよく相談してみましょう。自分だけで考えるのではなく、特に相続に関係する人の意見を聞くことで、今後の選択肢がより具体化する可能性があります。

また、住み替え時には環境や暮らし方も含めてさまざまな変化を伴います。そのため、自分の不安や悩み、さらには困ったことが起きた際に相談できる存在がいるかどうかを改めて見直してみることも必要です。相談相手は、子どもや親族だけではありません。古くから付き合いのある友人やこれまでに住み替えを体験した人の意見も参考にすることで、最終的に後悔しない住み替えを実現することができるでしょう。

60代70代の住み替えは不動産仲介会社に相談

60代70代の住み替えには考慮する点がたくさんあります。そのためにも、なるべく早くから準備に取り掛かることが大切です。どのような家に住むかといった「住み替え先の選択肢」、さらには住む場所などの「住み替え先を選ぶ際のチェックポイント」、そして資金計画といった「住み替えを成功させるためのポイント」をしっかりと理解したうえで、家族や信頼できる周囲の人ともよく話し合いながら行動に移すようにしましょう。

三菱地所ハウスネットは、60代70代のお客様も多く、住み替えに関するさまざまなご相談を承っております。何から始めていいか分からないという方も、まずはお気軽にご相談ください。

この記事を監修した専門家

新井智美

新井智美トータルマネーコンサルタント
ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員。
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。

掲載記事の内容は制作時点の情報に基づきます。

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