不動産用語集
不動産、住宅、法規制等、不動産取引に関連する用語を多数収録しています。
お住み替えコラム
2022.05.31
家を購入した後に、家族構成やライフプランの変化によって、別の家へ住み替える必要が出てくることがあります。そのような折に、どのようなことに気を付けて住み替えを行えばよいのでしょうか。家の購入は人生で最も高額な買い物と言っても過言ではありません。そのため、手放すことも買い替えることも大きな決断です。そこで今回は、物件種別ごとの売却のタイミングや3つの住み替え方法、住み替えに最適なタイミングについてご紹介します。
物件の種類によって、売却に適したタイミングは異なります。ここでは、マンションと戸建ての2種類に分けて見ていきます。マンションと戸建ての大きな違いは、建物の構造とその材質です。一般的にマンションは鉄筋コンクリート造りで多層階が多く、戸建ては木造造りで2階建ての場合が多く見られます。税法上の住宅用建物の耐用年数(法定耐用年数)は、コンクリート建築では47年、木造建築では22年になります。こうしたことから、築年数による劣化の度合いや、評価額の下落率にも違いが生じます。
鉄筋コンクリート造りでも経年劣化は進みますが、居住設備も時代とともに便利な機能が追加され、住みやすくなるように進化を続けています。築10年以内を目安に売却すると、建物や内装の劣化も少なく、居住設備も比較的新しいうちに売り出すことができるため、高く売れる傾向にあります。
マンションの法定耐用年数は47年ですが、法定耐用年数はあくまで税法上の目安です。実際に建物の維持管理がしっかりされていれば、更に長持ちする可能性もあります。そのため、築30年を超えた物件などでも、立地がよい、修繕が定期的に行われ管理状態がよい、など条件がよいものは、人気を保ちやすく比較的売りやすいといえるでしょう。
マンションは土地建物の区分所有であり、土地建物(もしくはマンション全体)全体のうちの一部を所有します。区分所有権は、権利形態が整理されているため比較的取引流動性が高く、売買しやすい傾向にあります。
一般的な木造の戸建ては、法定耐用年数が22年とされていますが、建物の維持管理がしっかりされていれば、更に長持ちする可能性もあります。しかし、木造の建物はコンクリート造りなどと比べると耐用年数が短く、建物の評価額が早く下がる可能性がありますので、木造戸建てで売却を考えている人は、築年数には注意が必要です。
家の住み替えは、現在住んでいる家の売却と次に住む家の購入を、それぞれいつ行うかによって、次の3つの方法に分けることができます。
それぞれの方法には、メリットとデメリットがあります。順番に見ていきましょう。
「売り先行」は、現在住んでいる家を売却してから、次に住む家を購入する方法です。
現在の家の売却金を元手に次の家を購入できることは、資金的なメリットが大きいといえます。ただし、現在も住宅ローンがあり、家を売却してもなおローン残高が残ってしまう(オーバーローン)場合は、オーバーローン部分の資金を自分の貯蓄でまかなうか、新たにその分を借入して調達しなければなりません。
次に住む家が決まっていない点が、売り先行の最大のデメリットです。すぐに次に住む家が見つからないと、賃貸などの仮住まいを探す必要があります。仮住まいには、家賃や諸費用、引越しを2度しなければならない手間と費用がかかります。
経済的な理由から、できるだけ早く次の住まいに移りたいと思うあまり、現在住んでいる家を売り急いでしまうケースもあります。その際、当初計画していた希望価格では売れず、その後のライフプランに充当しようとしていた資金計画に影響がでるリスクもあります。
「買い先行」は、次に住む家を購入してから、現在住んでいる家を売却する方法です。
現在住んでいる家を退去するわけではないので、気に入った家が見つかるまで、いくらでも時間をかけて探すことができます。また、気に入った家が見つからなければ、住み替え自体を見送ることもできます。
次に住みたい家が見つかり、購入をすぐに決断できれば、他の人が購入する前に契約を済ませることが可能です。希望条件に合う物件を手に入れることができるでしょう。
現在の家の売却金を新居の購入資金へ充当できないため、まとまった資金が必要です。そのため、買い先行は新居の購入資金調達に余裕がある人に向いている方法です。現在住宅ローンを返済中で、新居もローンを組んで購入することになると一時的に2つのローンを返済しなければなりません。
現在住んでいる家の売却と新居の購入を同時に進める方法が、「同時進行」です。
短期間で住み替えができるため、引越しや役所への届け出などを効率的に一度で終えることができます。
現在住んでいる家の売却代金を新居の購入資金に充当し、ただちに新居に住み替えるため、経済的負担が最も少なくなります。仮に新居の方が高額で、追加融資が必要な場合でも、売却金額と購入金額が確定しているので、すぐに手続きを申請しやすい利点もあります。
同時進行は、売却と購入の両者のタイミングを合わせるため、日程調整や手続きが一時に集中することで、負担を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
不動産仲介会社に段取りを確認しつつ、引越し業者などは早いうちから目星を付けておくと余裕を持って進めることができるでしょう。
理論的には、住み替えに最適なタイミングは、「現在住んでいる家が高く売れる時で、かつ次に住む家を安く買える時」です。前者は、「現在住んでいる土地の評価額が売買価格が高い時」です。後者に代表されるのは、住宅ローンを組む場合で、ローン金利が低い時になります。
建物は経年劣化しますが、地価は周辺環境の変化などにより変動し、上昇することもあります。そのため、現在住んでいる家を高く売るためには、売却しようとしている土地の価格が高いタイミングで売却するのがよいということになります。マンションでも、地価の上昇は物件の取引価格の上昇要因につながりますので、取引価格が高値で推移している時が売り時になります。
土地の評価額の相場を知るためには、不動産の取引情報にまめに目を通すことです。そして過去の情報と比較すれば、上昇傾向か下降傾向かなど、現在のトレンドを知ることができます。また、地価公示価格を調べる方法もあります。地価公示価格とは、国土交通省が毎年1月1日時点の正常な価格を公表するものです。
自宅周辺で何か新しい開発の兆候があるかどうかも、地価に影響を及ぼす可能性があります。そうした開発がプラスに働くものもマイナスに働くものもあるでしょう。プラスに働いて地価が上昇していれば、売るのによいタイミングといえます。
住宅ローンを利用して次に住む家を買う場合は、できるだけ住宅ローンの金利が低いタイミングで契約をすると、最終的に負担する金利の総額が少なく済みます。
例えば、3千万円の住宅ローンを20年借りる場合に、金利の違う下記の2つの例で比較してみましょう。
月返済額:13万1,380円
総返済額:3千153万1,200円
うち利息分:153万1,200円
月返済額:13万7,968円
総返済額:3千311万2,320円
うち利息分:311万2,320円
つまり、金利が0.5%増えると、同じ借入額(借入金3千万円)、借入期間(期間20年)でも、総額で158万1,120円多く返さなくてはいけなくなります。
借入金額や借入期間が増えれば増えるほど、金利が上がることにより、支払わなければならない総利息額も増えることになります。住宅ローンを組んで新居の購入を検討するなら、住宅ローンの金利にも着目することが重要です。
住み替えにおける成功をおさめるためには、現在住んでいる家の売却と、住み替え先の購入のタイミングを正しく判断する必要があります。現在住んでいる家を高く売り、次に住む家を安く手に入れることができれば、経済的な観点からは、住み替えが成功したといえるでしょう。しかし、現在住んでいる家の状況や条件、住み替えの目的や予算などは、人それぞれ異なります。
そのため、自分に合った提案をしてくれる不動産仲介会社と出会うことが、住み替えを成功させる重要なポイントでもあります。
三菱地所の住まいリレーでは、住み替えに関する様々な相談が可能です。まずは無料査定から住み替えの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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