お住み替えコラム

2022.07.19

住み替え元のマンションは売却せずに賃貸に出すほうがいい?メリットや注意点を確認しよう

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住み替えのノウハウ特集
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マンションからの住み替えを考える際、通常は住んでいるマンションを売却して、新しい家に住み替えますが、なかにはマンションを保有したまま、賃貸に出すことを考える人もいるでしょう。たしかに賃貸に出せば家賃収入があるなどさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットや注意点もあることを忘れてはいけません。住み替え元のマンションを賃貸に出すことが向いているのはどんな人なのか、貸し出すにあたってどんな注意点があるかについて解説します。

  1. 賃貸か、売却か。向いているケースは
  2. 住賃貸に出すメリットと注意点
  3. 分譲マンションを賃貸に出す際の注意点
  4. 賃貸に出すか、売却するか、迷っている場合はプロに相談しよう

賃貸か、売却か。向いているケースは

マンションからの住み替えにあたり、元のマンションを賃貸に出すのが向いているのはどのようなケースなのでしょうか。また、賃貸に出すだけではなく、売却やそのまま空き家にしておく選択肢についても考えてみます。

購入者の借入履歴

住み替えが一時的なものであり、また元のマンションに戻ってくる可能性がある場合、賃貸に出すという選択肢があります。たとえば「転勤で一時的に引っ越すことになったが、数年後には戻ってくるのでまた住みたい」「家族の介護で一時的に引っ越すことになったが、落ち着いたらまた戻ってきたい」「家族が増えて住み替えることになったが、愛着のある住まいを売却するのは寂しいので、子供が独立したらまた住みたい」などの理由が挙げられます。所有物件に住宅ローンの残債がなく、賃貸に出すことができれば、家賃収入を得ることができる点も、大きなメリットです。所有物件や街を気に入っていて「いつかはここに戻りたい」という想いがある場合は、賃貸活用の検討をおすすめします。

賃貸活用ではなく、売却を検討する方がよいケース

一方、賃貸活用ではなく、売却に向いているのはどんなケースでしょうか。一つ目は、住まいを売却することで資金化し、次の住まいの購入資金などにあてる場合です。賃貸活用をする場合は、家賃収入を得ることはできるかもしれませんが、まとまった資金を手にすることはできなくなってしまうからです。二つ目は、住宅ローンが残っている場合です。住宅ローンは借り入れた人がその住宅に「住むことが条件」とされていることがほとんどです。その住宅に住まなくなった場合には、住宅ではなく投資・事業用物件としてみなされるため、住宅ローンの一括返済をしなければならない場合もありますので、注意が必要です。三つ目は、その住宅を手放したくない、いつかは同じ場所に戻って暮らしたいという気持ちや理由がない場合です。賃貸に出すということは、家賃収入を得られる代わりに、オーナーとしての責任も生じ、管理の手間や経費もかかります。その住まいを持ち続けることにこだわりがなければ、売却して新しい生活にその資金を生かす方が、住み替え先を探すのも選択肢が広がります。

賃貸に出すメリットと注意点

賃貸に出すことにはメリットがある反面、デメリットも存在します。賃貸に出すことを考えるなら、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが大切です。

賃貸に出すメリット

所有しているマンションを売却せずに賃貸に出すメリットとしては、以下のものが挙げられます。

家賃収入がある

賃貸に出すことによって毎月、一定額の家賃収入を得られる点は大きなメリットといえるでしょう。特に賃貸需要の多いエリアで築浅の物件や、立地の良い物件であれば高い賃料で貸せる可能性も高くなります。毎月一定の収入が得られる点は非常に大きな魅力ではないでしょうか。

費用は経費に計上できる

自己所有物件を貸し出し、賃料収入を得た場合、その収入は不動産所得になります。不動産所得金額は「家賃収入から経費を差し引いた額」で計算し、金額によっては課税対象となります。このため、経費計上できる費用は多いほど節税になる可能性が高まります。

経費計上できる項目は主に、

  • 固定資産税(都市計画税含む)
  • 減価償却費
  • 管理費、修繕積立金
  • ローンを利用している場合はその金利
  • 損害保険料
  • 修繕費
  • 賃貸管理を不動産会社へ委託した場合はその費用

などです。その物件の所有や管理に必要な費用は経費として計上できます。

減価償却費は高い節税対策になる可能性

上記に挙げた費用の中で特に注目したいのが減価償却費です。減価償却費は土地部分については計上できませんが、建物部分については法定耐用年数に基づいた償却率を基に計算されます。

これを経費として計上することで、最終的な不動産所得金額を抑えることもできます。

減価償却費は建物部分のほか、建物に付帯している設備でも計上できます。それぞれに該当する減価償却期間と償却率は国税庁のサイトで確認できます。経費に計上できるものは漏れがないようにしておきましょう。

相続対策になる

一般的に相続財産は現金で持っておくよりも不動産で持っておく方が相続財産としての評価額は低くなるとされます。その分、相続税を少なくすることにつながるため、売却せずに所有しておくことで、所有中に相続が発生した際の相続対策にもなります。相続による所有者変更などの手続きが発生しますが、単なる不動産として相続するよりも、賃貸に出していることから収益物件として相続できるというメリットもあります。

一定期間貸すという選択も

転勤などの理由で一定期間、家を離れなければならなくなり、その後に戻ってくる予定があるなら、その間だけ貸し出すことで家賃収入を得ることができます。家は空き家のままメンテナンスを怠ると傷んでしまうため、賃貸に出して使ってもらうことで、空き家独特の劣化を防ぐことにもつながります。ただ、その際には戻ってきた際に住むことができるよう、貸し出しに期限を付けた賃貸契約(定期借家契約)を結びましょう。

賃貸に出す注意点

ここまで賃貸に出すことについてのメリットを見てきました。では、注意点としてはどのようなものがあるのでしょうか。

住宅ローン控除が終了する

住宅ローン控除の適用を受けている場合、賃貸に出すことでその適用は受けられなくなります。住宅ローン控除の要件の1つに、「自己が居住する物件であること」があり、賃貸に出すことで事業用物件となってしまうからです。

3,000万円特別控除が使えない

通常、物件を売却する際には要件を満たすことで3,000万円の特別控除の適用を受けることができます。ただしこの特別控除は自宅を売却した場合に限定され、収益物件は対象外となります。したがって、賃貸に出したまま売却する際(オーナーチェンジ)には注意が必要です。

空室リスクがある

賃貸に出す際に、空室リスクを心配される方もいらっしゃるでしょう。相場からかけ離れた賃料で募集してしまうと、なかなか入居者が見つからない可能性もあります。ただ、一般的に新生活に向けて年末~春先は賃貸物件の需要が高まるシーズンです。また、募集時期によって、賃料などの募集条件を調整することで入居希望者が見つかる可能性は高まるでしょう。現在ほとんどの方がポータルサイト等のWEBサイトを利用して賃貸物件を探す時代ですので、市場を把握するうえでも周辺の募集情報をチェックしておくと、大体の相場感がイメージできるかもしれません。

入居者対応に手間がかかる

設備トラブルの発生や賃料の滞納を気にされる方もいらっしゃいますが、これらのリスクに対応したさまざまなサービスを提供している管理会社もあります。オーナーである自分が対応しなければならない場面があるかもしれないとご心配の方も、不動産管理会社に任せることで解消できることもあります。

上記で挙げた人間関係のトラブルなど、賃貸にまつわるさまざまな業務やトラブルに対処していくには負担がかかります。賃貸管理業を担う不動産会社に一括して管理業務を委託することで負担を軽減することを考えましょう。

分譲マンションを賃貸に出す際の注意点

分譲マンションをオーナーとして賃貸に出す際には、注意しておかなければならない点が複数あります。なかでも以下の点には十分に注意しておくようにしましょう。

賃貸に出すにも費用がかかる

これまで住んでいた家を貸し出す際には、賃貸管理会社に支払う賃貸管理業務手数料や、入居前・入居中・退去後に発生するクリーニング費用、修繕費用などが発生します。それぞれ詳しくみてみましょう。

賃貸管理業務手数料

賃貸に出す際に管理業務を専門の管理業者に委託する場合は、そのための手数料も考えておかなければなりません。管理会社やプランによって手数料やサービス内容は異なりますので、ご自身のニーズが叶えられるかどうか確認することが大切です。

入居中の修繕や原状回復費用

賃貸人が入れ替わる際には、ハウスクリーニング費用や修繕費用が必要となります。通常使用による劣化の場合、その原状回復を行うのはオーナー側です。賃借人に請求できるのは、過って付けてしまった傷などの修復部分に留まることも知っておきましょう。

また、既存設備の劣化に伴う修繕費用は、オーナー負担となります。修繕費用が負担にならないよう、設備として提供するのはエアコン程度に留め、室内の照明などは借主自身で用意してもらうなどの方法もあります。また、室内だけではなく、ベランダや外壁、さらには水道管の劣化などによる水漏れが発生する可能性もあります。その場合の修繕費用も借主に故意過失がない限りオーナー負担となりますので、築年数が特に古い物件などに関しては、入居前に専門業者の点検を入れておくと安心です。

固都税、管理費・修繕積立金

物件にかかる固定資産税や都市計画税、さらにマンションの管理費や修繕積立金は基本的にオーナー負担となります。毎年どのくらいの費用がかかるのか、事前に把握しておきましょう。

住宅ローンが残っているとき

住宅ローンが残っている物件を貸し出す際には、必ず借り入れている金融機関に相談するようにしましょう。なぜなら、住宅ローンは自分が居住するための物件に対して融資されるもので、目的が賃貸(事業用)に変わった場合は、原則として住宅ローンの利用ができなくなるからです。

金融機関に相談し、承認を得ることで引き続き住宅ローンを利用できる場合もありますので、必ず事前に相談するようにしてください。

賃貸の契約方法

賃貸の契約方法には「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。この2つの契約の違いをしっかりと理解し、賃貸に出す際にはどちらの契約で行うかをあらかじめ決めておきましょう。

普通借家契約とは

普通借家契約とは、「契約期間が決められていない」もしくは定められていても「更新可能」としている借家契約のことを指します。この契約の最大の特徴は、借主の権利が大きい点です。オーナー側から退去をお願いしても、借主側が承諾しなければ退居してもらうことはできません。退去してもらうためには、オーナー側の正当な理由が必要で、さらに6ヶ月から1年前には交渉を始めておかなければなりません。

定期借家契約とは

あらかじめ契約期間が決められた借家契約のことを、定期借家契約といいます。契約期間は契約時に自由に決めることができます。ただし、契約期間が1年以上の場合、賃借人に退居してもらうためには1年〜6カ月前には契約が終了する旨の通知をしなければならない決まりになっています。

不動産所得20万円超で確定申告が必要

不動産所得の金額の算出方法については、前述の通りですが、その不動産所得金額が20万円を超えると確定申告が必要です。その年に得た家賃収入から経費を差し引いた額が20万円超となった場合は、忘れずに確定申告を行うようにしましょう。

また、不動産所得が赤字になった場合は、他の所得(給与所得など)と合算することができるため、確定申告を行うことで徴収されていた所得税の一部が還付される可能性もあります。

賃貸に出すか、売却するか、迷っている場合はプロに相談しよう

ご所有マンションを賃貸に出すにあたっては、上記で説明した通り、押さえておくべきポイントがたくさんあります。賃貸に出すか、売却するか迷っている場合は、どちらが自分のニーズに合っているのか適切なアドバイスをしてくれる不動産仲介会社をパートナーとして選ぶことが重要でしょう。

三菱地所ハウスネットでは、売却価格・賃料価格の無料同時査定を承っております。

売買・賃貸それぞれのプロフェッショナルがお客様一人ひとりに合ったご提案をいたしますので、まずはお気軽に無料査定からご依頼ください。

この記事を監修した専門家

新井智美

新井智美トータルマネーコンサルタント
ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員。
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。

掲載記事の内容は制作時点の情報に基づきます。

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