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土地の名義変更はどうやるの?費用や必要な書類、手続きの流れを解説

土地の名義変更(所有権移転登記)は、不動産の所有者が変わる際に必要となる重要な手続きです。しかし、相続や贈与、売買などの状況によって必要書類や手続きの流れが異なるため、「何を準備すればいいのかわからない」と悩む人も少なくありません。

特に2024年4月からは相続登記が義務化され、土地の名義変更を放置するリスクも大きくなっています。この記事では、土地の名義変更が必要となるケースや費用の目安、必要書類、具体的な手続きの流れまでわかりやすく解説します。

土地の名義変更とは?手続きが必要な4つのケース

土地の名義変更とは、法務局に登録されている土地の所有者情報を書き換える「所有権移転登記」のことをいいます。土地の所有者が変わった場合でも、登記を変更しなければ第三者に対して正式な権利を主張することができません。

また、土地の名義変更を怠ると、売却や相続の際に大きなトラブルへ発展する可能性もあります。まずは、どのような場面で土地の名義変更が必要になるのか、代表的な4つのケースを確認しましょう。

1. 相続による土地の名義変更

土地の所有者が亡くなった場合、相続人へ名義を変更する「相続登記」が必要となります。例えば、親名義の土地を子どもが引き継ぐケースなどが代表例です。

相続による名義変更では、単に法務局へ申請するだけでなく、戸籍謄本の収集や遺産分割協議書の作成など、事前準備にも時間がかかります。特に相続人が複数いる場合には、誰が土地を取得するのかを全員で話し合い、合意内容を書面化しなければならないため、スケジュールに余裕をもって手続きを進めることが重要です。

2. 生前贈与による土地の名義変更

土地の所有者が生前のうちに、子どもや配偶者などへ無償で土地を譲り渡す場合には、「贈与」を原因とする名義変更が必要となります。例えば、将来の相続対策として親から子へ土地を引き継ぐケースや、夫婦間で不動産を移転するケースなどが代表的です。

契約書を作成し、当事者間で贈与契約を締結したうえで、その内容に基づいて所有権移転登記を行います。

なお、生前贈与を行う場合には、贈与税にも注意が必要です。暦年贈与の場合、基礎控除額の110万円を超える財産を受け取った場合には、原則として贈与税がかかります。

ただし、一定の要件を満たす場合には、特例制度を利用できるケースもあります。例えば、婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産を贈与する場合には、最高2,000万円まで控除できる「配偶者控除」を適用できます。

また、近年では「相続時精算課税制度」を利用した生前贈与も増えています。適用する制度によって税負担が大きく変わる可能性もあるため、事前に税理士などへ相談することが重要です。

3. 離婚の財産分与による土地の名義変更

離婚にともなう財産分与によって、土地の所有者に変更がある場合にも、名義変更の手続きが必要です。例えば、財産分与により、夫名義の土地を妻がもらう場合や、夫婦の共有名義の不動産をどちらか一方の単独名義にする場合などがあります。

一般的には、離婚協議が成立したあと、その内容をまとめた離婚協議書や調停調書などをもとに登記申請を行います。

なお、住宅ローンが残っている土地や建物については、金融機関との調整が必要になるケースもあります。単純に名義だけ変更できるとは限らないため、司法書士や弁護士、金融機関へ事前相談しておくと安心です。

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4. 売買による土地の名義変更

土地を売却・購入した場合にも、所有者を変更するための名義変更が必要となります。

売買による名義変更は、不動産取引における最も一般的なケースであり、不動産会社を通じて売買契約を締結し、売買に合わせて登記手続きを行うこととなります。

実務上は、決済日に司法書士が立ち会い、売り主・買い主双方の本人確認や必要書類の確認を行ったうえで、その日のうちに法務局への登記申請手続きを進める流れが一般的です。

また、住宅ローンを利用して土地を購入する場合には、あわせて金融機関による抵当権設定登記も行うこととなります。

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【ケース別】相続による土地の名義変更にかかる費用

土地の名義変更には、法務局へ支払う税金だけでなく、必要書類の取得費用や専門家への報酬など、さまざまなコストが発生します。

ここでは、相続にともなって土地の名義変更を行う場合に発生する主な費用について解説します。

土地の名義変更にかかる費用と税金

土地の名義変更で発生する代表的な税金が「登録免許税」です。登録免許税とは、法務局へ登記申請を行う際に国へ納める税金であり、固定資産税評価額を基準に計算されます。

相続による名義変更の場合、原則として「固定資産税評価額×0.4%」の税額がかかります。例えば、固定資産税評価額が2,000万円の土地であれば、「2,000万円×0.4%=8万円」となります。

なお、固定資産税評価額は実際の売買価格とは異なり、市区町村が固定資産税計算などで用いる評価額のことです。毎年送付される固定資産税の課税明細書や、役所で取得できる固定資産税評価証明書などで確認できます。

また、登録免許税以外にも、戸籍謄本や住民票、印鑑証明書などを取得する際に、数千円程度の諸費用が発生します。特に相続登記では、被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍を取得する必要があるため、必要書類の枚数も多くなりやすい点に注意しましょう。

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【参考】生前贈与や売買による土地の名義変更にかかる費用

生前贈与や売買による名義変更は、相続に比べると税負担が大きくなる傾向があります。これは、相続の場合、限られたタイミングでしか発生しないことや、課税時期を納税者自身が選べないことを考慮し、過度な税負担が生じないように配慮されているためです。

生前贈与による所有権移転登記の登録免許税は、固定資産税評価額の2%です。例えば、評価額2,000万円の土地であれば、「2,000万円×2%=40万円」となり、相続登記と比べると大きな差があります。

さらに、生前贈与の場合には、登録免許税だけでなく、贈与税や不動産取得税も課税される可能性があります。

特に贈与税はまとまった税額となるケースも多いうえ、受贈者が自己資金から納税資金を用意する必要があるため、負担感が大きくなりがちです。そのため、「相続対策として生前贈与を行いたい」という場合でも、事前に贈与税のシミュレーションを行ってから手続きを進めることが重要です。

一方、売買による土地の名義変更については、登録免許税の本則税率は2%ですが、土地売買については軽減措置が設けられており、2029年3月31日までの登記については1.5%に引き下げられます。

また、売買では買い主側に不動産取得税が課税されるほか、売り主側には所得税や住民税が発生する可能性があります。不動産売却によってまとまった利益(譲渡所得)が出る場合には、譲渡所得による納税額を必ず確認しておきましょう。

司法書士へ名義変更を依頼した場合の費用

土地の名義変更は自分で行うことも可能ですが、司法書士へ依頼するケースが一般的です。

特に不動産売買では、決済日当日に確実に登記申請を行う必要があるため、司法書士の関与が事実上必須となります。相続登記についても、「平日に役所や法務局へ行く時間がない」「手続きを間違えたくない」という理由から、専門家へ依頼する人が増えています。

司法書士へ依頼した場合の報酬相場は、おおよそ5万円〜15万円程度となりますが、費用は案件の内容によって変動します。

例えば、「相続人が多い」や「戸籍収集が複雑」「不動産が複数ある」「遠方に不動産がある」「別途、遺産分割協議書の作成が必要」といったケースでは、報酬額も高くなる傾向があります。

土地の名義変更の手続きに必要な書類一覧

土地の名義変更では、法務局へさまざまな書類を提出しなければなりません。

必要書類は登記原因によって異なりますが、書類の不足や記載ミスがあると申請が受理されず、再提出が必要になる場合もあります。特に相続登記では取得する書類数が非常に多くなるため、事前に必要書類を整理しておくことが重要です。

ここでは、共通して必要となる書類と、ケース別に必要な追加書類について解説します。

すべての名義変更の手続きで共通して必要な書類

土地の名義変更では、原因を問わず共通して必要になる基本書類があります。主な書類は以下のとおりです。

書類名主な内容
登記申請書法務局へ提出する申請書類
固定資産税評価証明書市区町村役場で取得
住民票新所有者の住所証明
印鑑証明書売り主・贈与者などが提出(※相続登記では原則不要。ただし、遺産分割協議による相続登記では必要)
登記識別情報(権利証)旧所有者が保管(※相続登記では原則不要)
本人確認書類運転免許証など

登記申請書については、法務局のホームページで書式例が公開されています。不動産の表示や登記原因などを正確に記載する必要があります。

固定資産税評価証明書は登録免許税の計算根拠となるため、最新年度のものを取得する必要があります。また、印鑑証明書については、「発行後3ヶ月以内」といった有効期限が設けられるケースも多いため、書類の取得時期にも注意しましょう。

相続や売買などケース別に必要な追加書類

土地の名義変更では、登記原因ごとに追加書類が必要となります。例えば、相続登記では相続関係を証明するために、主に以下の書類を追加で用意する必要があります。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 除籍謄本・改製原戸籍
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書
  • 被相続人の住民票の除票

特に戸籍収集は非常に手間がかかる部分です。転籍を繰り返している場合には、複数の自治体から戸籍を取り寄せる必要があり、収集だけで数週間かかるケースもあります。

それに対し、売買や贈与では、共通して必要な書類に加え、「登記原因証明情報」の提出も求められます。

登記原因証明情報とは、「なぜ名義変更が発生したのか」を法務局へ説明するための書類です。売買契約書や贈与契約書の提出でも構いませんが、これらをもとに、必要な情報のみをまとめた書類を作成するケースもあります。

なお、売買にともなって、旧所有者が抵当権を抹消したり、新たな所有者が抵当権を設定したりする場合には、別途登記手続きが必要となります。

土地の名義変更を自分で行う際の手続きの流れ

土地の名義変更は司法書士へ依頼するケースが一般的ですが、必要書類を揃え、法務局で手続きを行うことで、自分自身で申請することも可能です。

ここでは、土地の名義変更を自分で行う際の基本的な流れについて解説します。

ステップ1. 名義変更する土地の情報を正確に把握する

まずは法務局で「登記事項証明書(登記簿謄本)」を取得し、現在の土地の状況を正確に確認しましょう。

ここには現在の所有者の氏名や住所だけでなく、地番、面積、地目、抵当権の設定の有無などの情報が網羅されています。登記されている情報に相違がないかを確認することが、手続きの第一歩となります。

ステップ2. 土地の名義変更に必要な書類を収集・作成する

必要書類を市区町村役場などで集め、法務局の指定フォーマットに沿って「登記申請書」を作成します。申請書には不動産の表示や申請人の情報、登録免許税の額などを正確に記入しなければなりません。

また、書類の並べ方や綴じ方、契印(割印)の押し方にも細かなルールがあるため、法務局の記載例をしっかりと確認することが大切です。

ステップ3. 管轄の法務局へ土地の名義変更の登記申請を行う

すべての書類が揃ったら、土地の所在地を管轄する法務局の窓口へ持参するか、郵送またはオンラインで申請します。オンライン申請は専用ソフトや電子証明書が必要となるため、個人で申請する場合は窓口または郵送での提出が一般的です。

申請後、不備がなければ1週間から2週間程度で登記が完了し、新しい登記識別情報(権利証)が発行されます。

土地の名義変更をしないまま放置する3つのリスク

「すぐに困っていないから」「手続きが面倒だから」といった理由で、土地の名義変更を後回しにしてしまうケースは少なくありません。しかし、名義変更を放置すると、将来的に深刻なトラブルへ発展する可能性もあります。

ここでは、土地の名義変更を放置する代表的なリスクについて解説します。

土地の売却手続きを進められなくなる

土地を売却する際、登記簿上の名義は売り主本人でなければなりません。

例えば、相続登記を行っておらず、亡くなった親名義のままでは、仮に買い主が見つかったとしても売買契約を結ぶことができず、取引を進めることができなくなってしまいます。

したがって、将来的に土地の売却を検討している場合には、現時点での所有者への名義変更を済ませておきましょう。

相続登記の義務化により過料の対象になる可能性がある

法改正によって、2024年4月以降は相続登記が義務化されました。正当な理由なく、相続を知った日から3年以内に申請をしないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。

義務化よりも前に発生していた相続にも適用されるため、名義変更の漏れがないように注意が必要です。

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時間の経過とともに権利関係が複雑になる

名義変更をしない間に年月が経ち、次の相続が発生すると、本来の相続人の子や孫まで権利者に加わり、相続人の数が増えていきます。こうなると、面識のない遠い親戚と遺産分割協議をしなければならなくなったり、連絡が取れない人が現れたりして、全員の合意をえることが極めて困難になります。

このような状況に陥ると、その土地の貸付けや売却にも支障をきたす恐れがあるため、早めに権利関係を整理することが重要です。

土地の名義変更に関するQ&A

土地の名義変更については、「どれくらい時間がかかるの?」「自分でもできる?」といった疑問を持つ人も多いでしょう。

ここでは、よくある質問について解説します。

土地の名義変更の手続きにはどれくらいの期間がかかりますか?

法務局へ申請書類を提出してから、登記が完了するまでの期間は約1週間から2週間が目安です。ただし、これは申請書類を提出したあとの、法務局側の手続きに関する所要日数にすぎません。

相続人の確定のための戸籍収集や遺産分割協議に時間がかかることが多く、それらの期間も含めると、全体で3ヶ月から半年以上を要することもあります。

土地の名義変更は司法書士と自分のどちらが行うべきですか?

自分で手続きを行うことで司法書士報酬を節約できますが、書類の準備や修正対応で役所や法務局へ足を運ぶ手間が発生します。また、書類の漏れや記載ミスで手続きが止まったり、修正対応に追われたりするリスクもあります。

特に、不動産売買や権利関係が複雑な場合などは、取引の安全性を確保するため、司法書士へ依頼するケースが一般的です。

まとめ

土地の名義変更は、自分の大切な財産を守り、次世代へ確実に引き継ぐための基本となる手続きです。相続、贈与、離婚、売買など、所有者が変わったタイミングで適切に登記を更新しておくことが、将来のトラブルを未然に防ぐ唯一の方法です。特に、将来的に土地の売却を少しでも検討しているのであれば、事前に名義変更しておくことが、スムーズな売却への第一歩となります。

もし現在、名義変更が必要な土地を所有していたり、相続した土地の売却を検討されていたりする場合は、早めに信頼できる不動産会社へ相談することをおすすめします。専任媒介契約や専属専任媒介契約を結べる会社であれば、単に買い主を探すだけでなく、提携する司法書士の紹介を含め、名義変更から売却後の税金対策まで手厚いサポートを受けることが可能です。

専門家の知恵を借りながら、確実な売却手続きを進めていきましょう。

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