お住み替えコラム

2024.08.08

マンションの売却相場は?エリア別の相場や高く売るコツも紹介

コラムカテゴリ:
住み替えのノウハウ特集
  • # 不動産売却
  • # 資金計画

マンションを売却する際には、周辺で売り出されているマンション価格の調査や不動産会社の査定を経て、金額の目安を把握する必要があります。スムーズに売却を進めるためにも、金額の目安を把握したうえで売出価格を決めましょう。
マンションの価格は昨今上昇傾向にあります。しかし、エリアによって相場は異なるため、売却を検討しているマンションが属するエリアの状況を踏まえることが大切です。
この記事では、マンションの売出価格の相場や高く売却できるタイミング、売却のコツなどを解説します。

  1. マンションの売却価格は上昇傾向にある
  2. 【都道府県別】マンションの売却相場
  3. マンションの売却相場の調べ方
  4. マンションを高く売却するためのベストタイミング
  5. マンションを高く売却するコツ
  6. マンションを売却するときの流れ
  7. マンション売却の査定・相談なら三菱地所の住まいリレー
  8. まとめ

マンションの売却価格は上昇傾向にある

近年、マンションの価格は上昇傾向にあります。国土交通省の住宅価格指数(令和6年2月・第4四半期分)によると、不動産価格指数のマンション(区分所有)季節調整値は198.8でした。

2010年の平均値を100として算出しているため、2010年時点と比較するとマンションの価格は約2倍になっており、下図のように右肩上がりで上昇しています。

出典:国土交通省「不動産価格指数(令和6年2月・令和5年第4四半期分)を公表

マンション価格が上昇している理由は、「ウッドショック 」とも呼ばれる木材価格の高騰や人件費の上昇、円安の影響などさまざまです。

建設業就業者数と建設技能者数は減少し続けており、 人手を確保するには高い給料を提示せざるを得ず、人件費が増えます。その結果、不動産の販売価格に転嫁され、不動産の価格は全体的に上昇していると言えます。

出典:日本建設業連合会 建設業デジタルハンドブック「4. 建設労働」

さらに、建設業の労働者に対して、2024年4月からは時間外労働時間に上限が設けられました。これにより、稼働率を維持するための人員採用が厳しくなり、人件費負担がますます重くなる事態が想定されます。

出典:厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制 (旧時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務)」

今後も人件費負担が重くなれば、マンション価格もつられて上昇すると考えられるでしょう。

このように、建築業界の人手不足に伴う人件費の上昇や円安によるコストの増加は、マンションの価格に転嫁されます。今後のマンション価格を展望するうえで、経済情勢や社会情勢の確認は欠かせません。

【都道府県別】マンションの売却相場

マンションの売却相場は、エリアごとに大きく相場は異なるため、売却したいマンションが属するエリアの相場を把握しておくとよいでしょう。

三菱地所の住まいリレーの「マンション売却・査定・相場情報」では、エリアごとにマンション価格の相場を調べられます。最新相場を確認したい際にご活用ください。

マンションの売却相場の調べ方

マンションの売却相場を調べるにあたって、効率よく情報収集できるWebサイトがいくつかあります。以下では、マンションの売却を検討している売主様にとって参考になるWebサイトを解説します。

レインズ・マーケット・インフォメーション

レインズ・マーケット・インフォメーション(REINS Market Information)は、不動産流通機構が運営しているWebサイトです。マンションや戸建ての取引情報を掲載しており、不動産会社の関係者だけでなく一般個人も利用できます。

沿線や最寄り駅、駅からの距離など詳細な条件指定に対応しているので、売却を検討しているマンションと条件が近い物件の取引事例を調べることが可能です。

また、実際に売買が行われた物件の成約価格も調べられるため、マンションを売り出す際の目安となる金額を把握できるでしょう。検索対象の取引情報の更新は月次で行われているため、速報性が高い点も特徴です。

不動産情報ライブラリ

不動産情報ライブラリとは、国土交通省運営のWebサイトで不動産の取引価格や地価公示をはじめとした価格情報を掲載しています。

都市計画情報や周辺施設に関する情報も網羅しており、不動産に関するさまざまな情報を確認できます。地図や地域だけでなく、路線・駅名からも不動産の取引価格と成約価格を検索できるため、精度の高い情報を得られるでしょう。

専有面積や間取り、駅からの距離など売却を検討しているマンションと近い条件での取引価格と成約価格を確認すれば、売却相場を把握できます。

不動産情報サイト

不動産情報サイトとは、各不動産会社が運営しているWebサイトです。各不動産会社が保有している物件の売出情報やこれまでの成約価格などを調べることができます。

エリアや最寄り駅、間取りなどの条件指定をして検索すれば、「今どのような物件が、どのような金額で売り出されているのか」を把握できます。売却を検討しているマンションと条件が似ている物件を探せば、売却相場を調べられるでしょう。

三菱地所の住まいリレー「マンション売却・査定・相場情報」でも、間取りや築年数、専有面積ごとに売却相場を検索できるため、ぜひご利用ください。

マンションを高く売却するためのベストタイミング

マンションには、高い価格で売却しやすいベストタイミングがあります。できるだけ高い価格でマンションを売却したいと考えている方は、参考にしてみてください。

大規模修繕の直後

大規模修繕が行われたあとのマンションは、良好な住環境になっているケースが多いため高い価格で売却できる可能性があります。大規模修繕では、外壁塗装や設備の更新が行われ、外観がよくなることに加えて設備もリニューアルされるためです。

設備のリニューアルで利便性が向上するだけでなく、修繕によって建物の安全性も向上します。快適に暮らせる環境になり、買主様にとってより魅力的なマンションであれば物件価値が向上しやすいでしょう。

さらに、大規模修繕が完了したばかりのマンションは、当面の間は大きな修繕を行う必要がありません。買主様は長期的な修繕コストを軽減できるため、心理的に購入しやすい状況といえます。

金利水準が低いとき

金利水準が低いタイミングは、マンションを高い価格で売却できる可能性が高まります。金利が低いと住宅ローンの借入コストが下がる(支払利息が軽減される)ことから、消費者心理的に住宅ローンを組みやすく、不動産需要が増加するためです。

市場原理によって、需要が増加すると均衡価格が上昇するため、売り出しているマンションを高い価格で売却できる期待が持てます。金利の動向もマンションの売出価格に影響する点は抑えておきましょう。

マンションの周辺環境が良化したとき

マンションの周辺環境が良化したとき、エリアそのものの魅力が高まるためマンションを高い価格で売却できるタイミングといえます。そのエリアに住みたいと思う人が増えるため、需要の増加に伴って高い価格で売却できる可能性が高まるでしょう。

例えば、新しく大型商業施設(ショッピングモールやショッピングセンターなど)や注目度の高い施設ができたり、新駅が開通したりすると生活の利便性が向上します。ほかにも、公園や緑地が整備されたり、教育施設が充実したりするとエリアに好影響を与えるでしょう。

逆に、ゴミ処理場や火葬場など一般的に嫌悪感を持たれやすい施設が作られると、エリアの魅力が損なわれマンションの価値も下がりやすくなる可能性もあります。

所有期間が5年を超えたとき

税制面を考慮すると、マンションの所有期間が5年を超えたときが売却するよいタイミングです。「高く売却する」ではなく「多くの資金を手元に残す」うえで、税制度を理解することは重要です。

土地や建物を売却したときに得られた利益は譲渡所得となり、分離課税としてほかの所得と区分して計算します。マンションの所有期間が売却した年の1月1日現在でマンションの所有期間が5年以内か5年を超えているかによって、税率が異なります。

マンションの所有期間 税率
所有期間が5年以内(短期譲渡所得) 所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%=合計39.63%
所有期間が5年超(長期譲渡所得) 所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%=合計20.315%

出典:国税庁「土地や建物を売ったとき」

例えば、現在のマンションの保有期間が4年程度で売却見込み額が今後も変わらない場合、所有期間が5年を超えるまで待つことも一つの手段です。低い税率が適用されれば納める譲渡所得税を軽減できるため、手元に多くのお金を残せます。

ただし、譲渡所得税はそもそも売却時に利益が出るとき(売却金額が購入金額よりも高いとき)に課税されるため、購入時よりも低い金額で売却する際には関係ありません。

マンションを高く売却するコツ

マンションをいくらで売却できるかどうかは、不動産市況や金利状況、周辺環境などの影響を受けます。これらは、売主様自身ではコントロールできません。

しかし、マンションを高く売却する際のコツとして、売主様自身も意識すべきポイントがあります。

11月~12月にかけて売り出す

一般的に、毎年1〜3月頃は4月の転職や転勤などのライフイベントに備えるため、不動産の需要が高まります。高い価格でマンションを売却するためには、1〜3月頃の売却を見据え、11月~12月にかけて売り出し始めるとよいでしょう。

マンションの現況調査や不動産会社の査定などの事前準備を済ませ、11月から12月にかけて売り出し始めると、売主様のご希望に近い条件でマンションを売却できる可能性が高まります。

日程にゆとりがあれば、内覧準備を含めて周到な準備を行えます。11月~12月にかけて売り出せるように、マンションの点検や修繕などの事前準備を進めてみてください。

売却スケジュールにゆとりを持たせる

売却スケジュールにはゆとりを持たせておくとよいでしょう。もちろん物件によってはすぐに売却できるケースもありますが、一定の売出期間(3ヶ月から6ヶ月程度が目安)があれば多くの方の目に留まり、買主様が見つかりやすくなるケースもあります。

また、複数の購入検討者と交渉する機会があれば、競争原理が働き高い価格で売却できる可能性が高まるでしょう。

また、マンションをはじめとした不動産の売買では、売主様と買主様との間で価格交渉が発生することがあります。売却スケジュールにゆとりがあれば、価格交渉にも柔軟に対応することが可能です。

スケジュールにゆとりがないと「早く売却しなければ」という焦りから、売却額で妥協せざるを得なくなる恐れが考えられます。例えば、売主様に「3月までには必ず売却したい」という事情がある場合、価格交渉で不利になってしまうでしょう。

売却スケジュールにゆとりがあれば、高く売却できる可能性が高まるだけでなく、心理的な余裕も持てます。

内覧当日はよい印象を与える

買主様候補が現れたら、内覧の案内をすることがあります。内覧の申し込みを受けたら、掃除と整理整頓をして、よい印象を与えられるように備えましょう。

また、内覧当日はカーテンを開けて明るい雰囲気を作ったり、換気を行って新鮮な空気を取り入れたりするとよいでしょう。

買主様にとって、購入するマンションは生活の新しい拠点となります。「安心して暮らせる」「快適に暮らせる」という印象を与えるためにも、部屋の掃除や故障している設備の修理を通じて、清潔感を与えることは重要です。

買主様候補によい印象を与えられれば、スムーズに売却まで至る可能性が高まります。あわせて、競合物件と差別化できればマンションの魅力が伝わり、高く売却できるでしょう。

事前に買主様候補から受けるであろう質問を想定し、対応できるように準備することも効果的です。買主様候補の疑問や不安を解消できれば、安心して取引できるでしょう。

三菱地所の住まいリレーでは、事前に売主様と打合せをした上で、営業担当者からご内覧者様へしっかりとご説明させて頂きます。

マンションの売却に強い不動産会社に相談する

一般的に、マンションを売却する際には不動産会社に売却を依頼します。購入希望者の多くは不動産会社経由で情報収集するため、売主様もマンションの売却に強い会社で相談するとよいでしょう。

マンションの売却経験が豊富な不動産会社は、販売力と交渉力が優れていることが期待でき、売主様の希望どおりにマンションを売却できる可能性が高まります。

そのため、不動産会社を探す際には、マンションの売却に関してどれだけの実績を持っているか確認するとよいでしょう。特に、売却予定のマンションと同じエリア・同じような間取りの売却実績があれば、相場の把握ができていることわかります。

不動産会社が有しているネットワークの広さや、どのような売却活動を行うのかも確認しましょう。多くの買主様候補にアプローチできるネットワークの広さがあれば、スムーズにマンションを売却できる可能性が高まるためです。

経済情勢や社会情勢を考慮する

マンションをはじめとした不動産の価格は、経済情勢や社会情勢の影響を受けます。売主様自身がコントロールできない問題ではありますが、経済情勢や社会情勢を考慮したうえで売却活動を進めるとよいでしょう。

例えば、一般的に金利が上昇すると不動産需要が減少するため、売主様にとってはネガティブな状況変化です。一方で、土地の再開発計画や公共交通機関の整備が進んでいると、エリアの魅力が向上し、高い価格で売却できる可能性があります。

実際に売り出したあとも、不動産会社の担当者とコミュニケーションを取りながら、最適な方法で売却方針を探ってみてください。

売却前にリフォームの実施はしなくてもよい

築年数が経過しているマンションの場合、リフォームをしてから売り出そうと考える売主様がいるかもしれません。

しかし、買主様の中には「購入後、自分好みにリフォームしたい」と考えているケースがあります。売り出す前にリフォームをすると買主様の興味を削いでしまう可能性がある点には留意しましょう。

ただし、設備が劣化しており修繕する必要がある箇所や、汚れが目立つ箇所に関しては手を加えて問題ありません。快適な居住空間につながる修繕や清掃は、積極的に行ったほうがよいでしょう。

マンションを売却するときの流れ

マンションを売却する際の具体的な流れは以下のとおりです。

1.ご相談 売却を依頼する不動産会社を選定します。
マンションの売却実績や担当者は信頼できそうかを確認しましょう。
2.査定・販売計画 不動産会社へマンションの価格を査定してもらいます。
売出価格を決める際の材料となるため、査定の根拠を確認するとよいでしょう。
3.媒介契約の締結※ 売却を依頼する不動産会社が決めて、媒介契約を締結します。
売却活動の具体的な内容や手数料などの条件を話し合い、納得したうえで契約を締結しましょう。
4.売却活動の開始 実際に不動産会社がマンションの売却活動を行います。
広告や買主様候補へのアプローチを行うため、必要に応じて内覧の日程調整や条件交渉をしましょう。
5.売買契約の締結 買主様と条件交渉がまとまったら、売買契約を締結します。
売買契約の手続きは不動産会社の事務所で、担当者・買主様・売主様の三者が集まって行われます。
6.決済・引き渡し 売買契約で決めた内容に則って、決済とマンションの引き渡しを行います。
7.売却完了後の手続き 売却益が発生した場合は、翌年の2月16日~3月15日にかけて確定申告を行います。

※媒介契約の種類は3種類あり、以下の記事で詳しく解説しています。

媒介とは?仲介との違いや3種類の契約方法をわかりやすく解説

マンションを売却する際には、さまざまなプロセスを踏む必要があります。売却を進める中で気になることがあれば、不動産会社の担当者と相談するとよいでしょう。

マンション売却の査定・相談なら三菱地所の住まいリレー

マンション売却の査定・ご相談は、ぜひ三菱地所の住まいリレーにお気軽にご用命ください。三菱地所の住まいリレーでは、長年にわたりマンションに関する売却・購入のご相談を承り、多くのお取扱い実績がございます。

経験と実績を重ねてきた、三菱地所グループの安心のサービスでお客様をサポートいたします。契約から引き渡しまで担当者が一貫してサポートするため、初めてマンションを売却する方でも安心してご利用いただけます。疑問点や不明点があるときも、お気軽にご相談ください。

住まいのご売却の流れ

まとめ

近年はマンションの価格が上昇傾向にあるため、現在は高い価格で売却しやすい市場環境といえます。エリアによってマンションの売却相場は異なるため、事前に調査したうえで不動産会社の担当者に相談しましょう。

なお、マンションの価格は経済状況や社会情勢などの影響を受ける点を抑えておきましょう。売主様自身も、高く売却できそうな時期に売却することを見越して売却スケジュールを立てたり、内覧を案内するときによい印象を与えたりすることが大切です。

希望どおりのマンション売却を進めるためには、マンションの売却に強い不動産会社へ相談することは欠かせません。特に、初めてマンションを売却する方は適切なサポートやアドバイスを受けたほうがよいでしょう。

三菱地所の住まいリレーは、多くのお客様の「売りたい」「買いたい」という希望に対応してきました。お客様一人ひとりに寄り添ったサービスと担当者の提案力でサポートいたしますので、いつでもお気軽に三菱地所の住まいリレーにご相談ください。

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この記事を監修した専門家

柴田 充輝

柴田 充輝宅地建物取引士
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。
保有資格は宅地建物取引士・FP1級・社会保険労務士・行政書士。金融メディアや不動産メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆経験がある。

掲載記事の内容は制作時点の情報に基づきます。

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