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リースバックとは?後悔しないための基礎知識とメリット・デメリットを解説

「老後の資金に不安があるけど引越したくない」「今の家に住みながら住宅ローンの支払いから解放されたい」と考えている方には、リースバックがおすすめです。

リースバックは自宅を売却したあとも賃貸として住み続けられる便利な仕組みで、引越しの手間もなくまとまった資金が得られます。この記事では、リースバックの基本的な仕組みから契約の流れ、メリット・デメリット、よくあるトラブル事例まで詳しく解説します。リースバックをうまく活用したいとお考えの方はぜひ参考にしてください。

リースバックとは?

リースバックは、自宅を売却したあともその家に住み続けられる仕組みです。通常の不動産売却では家を買い主に引き渡して退去する必要がありますが、リースバックでは売却と同時に賃貸借契約を結ぶため、住み慣れた家で生活を続けながら売却代金を受け取れます。

まずは、混同しやすい制度であるリバースモーゲージや通常の不動産売却との違いを詳しく解説します。

リバースモーゲージとの違い

リバースモーゲージは、自宅の評価額の範囲内で住宅ローンを組み、契約者の死亡後に担保となっている自宅を売却して借入金を一括返済する仕組みです。リースバックと同じく自宅に住み続けながら資金を得られる方法ですが、以下のような違いがあります。

比較項目リースバックリバースモーゲージ
資金の受け取り方売却代金を一括で受領年金型や一括型で選択可能
対象年齢制限なし50歳~60歳以上が一般的
月々の支払い貸主様に家賃を支払い金融機関へ利息のみを返済
契約終了時退去または更新の交渉自宅を売却して元本返済
相続への影響不動産は残らない売却後の余剰金が相続
向いている人
  • 今すぐまとまった現金が必要な方
  • 住み慣れた家で老後の生活を送りたい方
  • 相続人がいない方
  • 家を残す必要がない方

リースバックは自宅を不動産会社などに売却し、その後も家賃を払って住み続ける取引です。一方、リバースモーゲージは自宅を担保にして金融機関からお金を借りる融資制度です。物件は手放さず、所有権も維持されます。

資金の受け取り方では、リースバックは売却代金を一括で受領しますが、リバースモーゲージは融資枠から年金型や一括型で借り入れます。また、リースバックでは売却時に所有権が買主様に移転しますが、リバースモーゲージでは契約者の死亡時まで所有権が続きます。

さらに対象年齢は、リースバックに制限がないのに対し、リバースモーゲージは50歳~60歳以上の年齢要件があることが一般的です。月々の支払いでは、リースバックは貸し主に家賃を支払い、リバースモーゲージは金融機関へ利息のみを支払います。

契約終了時は、リースバックは退去または更新をするための交渉となる一方、リバースモーゲージは自宅を売却して元本返済となります。相続への影響では、リースバックは売却済みのため不動産が残らない一方、リバースモーゲージは売却後の余剰金が相続されます。

リースバックは、自宅を売却して現金化したうえで、そのまま同じ家に住み続けられるため、今すぐまとまった現金が必要な方や、住み慣れた家で老後を過ごしたい方に適しています。売却によって所有権は移転しますが、買い主との間で賃貸契約を結ぶことで、引越しせずに生活を続けられます。

一方、リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受け、契約者の死亡後に自宅を売却して返済する仕組みです。基本的に、契約者の死後に住宅は処分されてしまうため、相続人がいない方や、家を遺す必要がない方に向いています。所有権を維持したまま資金を得られるものの、最終的には自宅を手放すことになる点には注意が必要です。

リースバックかリバースモーゲージかでお悩みの際は、年齢や資金の必要性、自宅へのこだわりなどを考慮し、自分に合った方法を選びましょう。

通常の不動産売却との違い

リースバックと通常の不動産売却はどちらも自宅を売却する方法ですが、売却後の暮らし方や目的は大きく異なります。その違いを見てみましょう。

比較項目リースバック通常の不動産売却
売却後も住めるか同じ家に賃貸で住み続けられる新居へ引越す必要がある
売却金額市場価格より受け取る金額が低くなってしまう市場価格に近い金額が受け取れる
売却後の支出賃貸に関する費用がかかる引越し代や新居の購入・賃貸の費用がかかる
周囲に知られるリスク売却が気付かれにくい売却活動や引越しで周囲に知られやすい
向いている人売却価格が下がっても自宅に住み続けたい方高値での売却を優先して引越ししても問題ない方

リースバックと通常の不動産売却との大きな違いは、売却後も住み続けられるのかです。リースバックは同じ家に賃貸で住み続けられますが、通常の売却では新居への引越しが必要です。

資金の受け取り方は、リースバックが不動産会社による買い取りで市場価格より受け取る金額が低くなってしまうのに対し、通常の売却では仲介により市場価格に近い金額が受け取れます。

売却後の支出では、リースバックでは敷金・礼金や家賃負担など賃貸にかかる費用が発生し、通常の売却では引越し代や新居の購入・賃貸の費用負担があります。

周囲に知られるリスクでは、リースバックは生活環境が変わらないため売却が気付かれにくく、通常売却は売却活動や引越しで周囲に知られやすいのが特徴です。

これらのことから、リースバックに向いているのは売却価格が下がっても自宅に住み続けたい方、通常の不動産売却が向いているのは高値での売却を優先し引越しをしても問題ない方といえます。

どちらがご自身に合っているかは、家族と一緒に目的に合わせて検討してみましょう。

リースバックのメリットとデメリットを比較

リースバックの主なメリットとデメリットは次のとおりです。

メリットデメリット
  • 住み慣れた家に住み続けられる
  • 老後の資金を確保できる
  • 相続対策・資産を整理できる
  • 短期間でまとまった資金が得られる
  • 固定資産税など所有者に発生する維持費が不要になる
  • 買い戻しできる場合もある
  • 月々の支出が家賃に一本化され家計管理がしやすくなる
  • 災害リスクによる資産の喪失を回避できる
  • 家賃の支払いが必要になる
  • 家賃が市場相場より割高になる場合がある
  • ケースによっては将来買い戻しができない恐れがある
  • 自宅の所有権を失う
  • 売却価格が市場価格より安くなることが多い
  • 契約方法によっては長く住み続けられない
  • 家賃滞納や契約違反があるとトラブルに発展する恐れがある

リースバックは、住み続けながら資金を得られる点や、引越しが不要で住み慣れた家にそのまま住める点がメリットです。また、住宅ローンの返済から解放され、固定資産税や修繕費などの維持コストも不要になります。最短数日でまとまった資金を調達でき、売却代金の使途も自由です。一度売却した自宅を将来的に再購入する買い戻しができるケースもあります。

一方、自宅の所有権がなくなることや売却価格の安さがデメリットとして挙げられます。さらに、家賃が市場価格より割高に設定されるケースがあるほか、売却後に定期借家契約を締結すると契約期間終了後に退去を求められる恐れもあります。契約内容によっては買い戻しができないことも考えられるでしょう。

リースバックを利用する際は、メリット・デメリットを理解したうえで慎重に検討しましょう。

リースバックがおすすめの人とは?

リースバックは以下のような方におすすめです。

  • 急な出費でまとまった資金を早急に調達したい方
  • 慣れ親しんだ環境で生活を続けたい方
  • 経済的にゆとりのある老後を過ごしたい方
  • 相続発生前に不動産を現金に変えて相続対策をしたい方
  • 介護施設や有料老人ホームの入居費用を準備する必要がある方
  • 買い替えを検討しているものの住宅ローンの返済が残っている方
  • 周囲に自宅を売却した事実を知られたくない方

医療費や事業資金、学費などで今すぐ現金が必要な場合、リースバックを利用すれば最短数日でまとまった資金が得られます。住宅ローン返済がある方も、売却代金でローンを完済して月々の負担を家賃に切り替えられます。

老後の資金を確保したい方には、住み慣れた環境で安心して暮らしながら、生活費や介護費用を準備できる点がリースバックの魅力です。さらに、相続税対策として不動産を現金化したい方や、老人ホーム入居費用を調達したい方にも向いています。周囲に売却を気付かれず自宅を現金化したい方にもおすすめです。

リースバックの契約の流れと書類一覧

続いて、リースバックを利用する際の契約の流れや必要となる書類を解説します。

契約の流れ

リースバック契約は、利用を検討する段階から決済・引渡しまで、大きく8つのステップに分かれます。ただし、不動産会社の仲介でリースバックを進めるのか、不動産会社と直接契約するのかによって流れが変わることを理解しておいてください。

①利用検討

まず、リースバックに興味を持った段階で、自分の状況に適しているかを判断します。リースバックの仕組みや流れを詳しく調べ、メリット・デメリットを整理しましょう。

この段階では特別な書類は必要ありませんが、住宅ローンの残高や固定資産税額など、今の支出状況を把握しておくと次のステップで役立ちます。

②情報収集

リースバックの理解を深めたら、依頼先の選定に向けた準備を始めます。自宅はいくらで売却できそうか、家賃設定の目安はどれくらいかなど、情報を集めながら相場を把握します。そのうえで、複数のリースバック会社や不動産会社を比較し、取引実績やサービス内容を調査しましょう。

③相談・問い合わせ

情報収集が完了したら、不動産会社やリースバック会社にリースバックが可能かを確認します。電話やメール、Webサイトの問い合わせフォームなどから連絡し、物件の基本情報や希望条件を伝えます。

この段階でも必要な書類は特にありませんが、登記簿謄本や間取り図、住宅ローンの残高証明書(ローンがある場合)などがあれば具体的な相談がしやすくなります。

④ 売却価格の見積もり・希望条件の確認

次に自宅の売却査定を行い、売却価格と家賃、契約年数などの条件を確認します。ここでは、書面やデータのみで査定価格を算出する机上査定で概算価格が提示され、その後担当者が実際に物件を確認する訪問査定によって最終的な売却価格と家賃が確定します。

この段階で必要な書類は次のとおりです。

  • 登記簿謄本
  • 固定資産税納税通知書
  • 住宅ローンの残高証明書(ローンがある場合)
  • 間取り図(任意)
  • 建築確認書(任意)

物件詳細を把握するための登記簿謄本や固定資産税納税通知書、住宅ローンの詳細を知るための残高証明書、さらに間取り図や建築確認書があれば売却価格と家賃の設定はスムーズに進みますが、数日から1週間程度の期間が目安です。

⑤ 条件交渉

条件交渉では、提示された条件について詳細な検討と調整を行います。条件交渉を行う主な内容は次のとおりです。

  • 売却価格
  • 家賃の金額・支払い方法
  • 住み続けられる期間や更新条件
  • 買い戻しの条件
  • その他特約の有無

売却価格については、市場相場などと比較し、相場より低い場合は交渉します。家賃が周辺相場より高すぎる、住み続けられる期間が短い、更新できる条件が厳しすぎる、などのケースでも交渉を行います。さらに、買い戻し価格が妥当な水準ではないなど売主様側に不利な特約が付いている場合も交渉してみましょう。

不明点や不安な内容は遠慮なく質問し、納得できるまで条件を調整することが重要です。条件交渉にかかる期間は1日~数日程度です。

⑥ 重要事項説明

契約前には、リースバック会社や不動産会社から必ず説明を聞かなければなりません。それが重要事項説明です。一般的に売買契約・賃貸借契約と同日に行われます。

重要事項説明では、主に以下の内容の説明を受けます。

  • 所有権などの権利の内容や法令に基づく制限など物件に関する事項
  • 売却価格や家賃、支払い方法や支払期限など金銭に関する条件
  • 定期借家契約契約など契約の種類やいつまで住めるかなどの契約期間、更新が可能かなどの条件
  • 契約解除や退去に関する定め
  • 将来の買い戻しができるのか、できるのであればその条件

上記の説明内容に少しでも疑問や不安があれば、契約手続きを一度ストップして再確認を求めてください。説明の内容を十分に理解し、納得してから次のステップに進みましょう。

⑦ 売買契約・賃貸契約の締結

重要事項説明を受け、条件に納得できたら、売買契約と賃貸借契約の2つを締結します。必要書類は以下のとおりです。

  • 身分証明書(運転免許証など)
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 住民票

必要書類として、本人確認のための身分証明書や住民票、書類に捺印をする実印とその印鑑証明書などを準備します。契約書の内容を最終確認し、売却価格や家賃、契約期間や更新条件など、合意した内容と相違ないかを慎重にチェックしたうえで書類に署名・捺印しましょう。

⑧ 決済・引渡し

不動産の所有権が買主様に移転したら、売却代金を受け取ります。決済・引渡しは、売買契約から数日~2週間程度で行われるのが一般的です。住宅ローンがある場合は、売却代金で完済手続きを行い、抵当権を抹消します。それと同時に賃貸借契約がスタートし、元の住まいにそのまま住み続けることになります。

決済・引き渡しで必要な書類は以下のとおりです。

  • 売買代金を受け取る銀行口座情報
  • 各種契約書の控え
  • 権利証
  • 身分証明書
  • 実印
  • 印鑑証明書

決済・引き渡しでは、売買代金の口座情報がわかる口座情報や登記で必要になる権利証、本人確認のための身分証明書、書類に捺印する実印とその印鑑証明書を用意しましょう。自宅の引渡し後は、賃借人として契約で定められたルールにしたがって生活することになります。

契約に必要な書類一覧

あらためて、リースバック契約で必要な書類を確認しましょう。

必要になる時期書類名概要取得・申請場所
相談・問い合わせ登記簿謄本土地や建物の所有者の氏名・住所、物件の所在地・面積・構造などを記載した公的書類法務局
間取り図建物の間取りを表した図面購入時書類
住宅ローンの残高証明書(ローンがある場合)年末時点での住宅ローンの残高を証明する書類金融機関
売却価格の見積もり・希望条件の確認登記簿謄本土地や建物の所有者の氏名・住所、物件の所在地・面積・構造などを記載した公的書類法務局
固定資産税納税通知書固定資産税の納税額を通知する書類役所
住宅ローンの残高証明書(ローンがある場合)年末時点での住宅ローンの残高を証明する書類金融機関
間取り図建物の間取りを表した図面
建築確認書建築物が建築基準法などの法令に適合していることを確認した証明書購入時書類
売買契約・賃貸契約の締結身分証明書本人確認のための書類公的機関
実印市区町村に印鑑登録した印鑑役所
印鑑証明書実印が正式に登録されていることを証明する書類役所
住民票現在の住所や世帯構成を証明する公的書類役所
決済・引渡し売買代金を受け取る銀行口座情報不動産売却代金の振込先となる銀行口座の情報金融機関
各種契約書の控え締結した売買契約書や賃貸借契約書などの写し売却時書類
権利証不動産の所有権を証明する書類購入時書類
身分証明書本人確認のための書類公的機関
実印市区町村に印鑑登録した印鑑役所
印鑑証明書実印が正式に登録されていることを証明する書類役所

それぞれのステップに応じた必要書類を把握して、リースバック契約をスムーズに進めましょう。ただし、物件や状況によって必要書類が変わる可能性があります。

契約にかかる費用の目安

リースバック契約に必要な費用は以下を参考にしてください。

【売却でかかる費用】

費用項目内容費用の目安
仲介手数料不動産会社に売買の仲介を依頼した際に支払う成功報酬上限額
  • 物件価格400万円超 物件価格✕3%+6万円+消費税
  • 物件価格200万円超〜400万円以下 物件価格✕4%+2万円+消費税
  • 物件価格200万円以下 物件価格✕5%+消費税
印紙税売買契約書に貼付する収入印紙代1,000円~6万円
※売却価格により変動
登録免許税(抵当権抹消)抵当権を抹消するために必要な税金不動産1件につき1,000円
司法書士報酬売却の手続きを司法書士に依頼する際の報酬司法書士により変動
譲渡所得税不動産売却で利益(譲渡所得)が出た場合に課される税金
  • 短期譲渡所得 (5年以下):30.63%
  • 長期譲渡所得 (5年超):15.315%
住宅ローン返済手数料住宅ローンを完済する際に金融機関に支払う手数料金融機関により変動

参考:国道交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」

仲介手数料は、物件価格に応じて表に記載した計算式で上限が決まります。印紙税は売買契約書に貼付する税金で1,000円~6万円、抵当権抹消の登録免許税は不動産1件につき1,000円です。

譲渡所得税は利益が出た場合のみ課税され、所有期間により税率が異なります(短期30.63%、長期15.315%)。住宅ローン返済手数料は金融機関によって幅があります。

費用は物件や契約内容などによって変わる可能性がありますが、自宅を3,000万円で売却する場合の費用は以下のとおりです。

内訳費用
仲介手数料105万6,000円
印紙税1万円
登録免許税2,000円(土地・建物)※住宅ローンを組んでいる場合
司法書士報酬司法書士により変動
譲渡所得税なし(3,000万円特別控除を利用)
住宅ローン返済手数料1万円
合計109万8,000円

※表内の費用はあくまで一例です。実際にかかる費用は、不動産会社にご確認ください。

3,000万円特別控除とは、自宅を売却した際に譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる税制優遇制度です。例えば、家を売って得た利益が2,500万円だった場合、3,000万円特別控除を使えば課税対象がゼロになり、譲渡所得税がかかりません。利益が4,000万円の場合でも、3,000万円を差し引いた1,000万円分だけが課税対象となります。

次に、賃貸借契約で必要な費用の一覧です。

【賃貸借契約でかかる費用】

費用項目内容費用の目安
敷金退去時の修繕費用や家賃滞納に用いられる保証金家賃の0~2ヶ月分
礼金貸主様への返金されないお礼金家賃の0~2ヶ月分
前家賃翌月分の家賃を契約時に前払い家賃の1ヶ月分
日割り家賃月の途中で入居する場合の残り日数分の家賃入居日から月末までの日割り計算
管理費・共益費なしなし
仲介手数料不動産会社に賃貸の仲介を依頼した際に支払う成功報酬家賃の0.5~1ヶ月分+消費税
火災保険料火災保険へ加入するための費用5,000円~1万円/年
保証料家賃保証会社への保証料家賃の50~100%程度
鍵交換代入居時の鍵交換代1万円~3万円

参考:国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」

敷金・礼金は家賃の0~2ヶ月分で、敷金は退去時の修繕費保証金、礼金は返金されないお礼金です。前家賃は翌月分の1ヶ月分を前払い、日割り家賃は月途中入居時の残り日数分です。

仲介手数料は家賃の0.5ヶ月~1ヶ月+消費税を支払います。火災保険料は1年で5,000円~1万円程度です。保証料は家賃保証会社への費用で家賃の50%~100%、鍵交換代は1万円~3万円程度となっています。

物件や契約内容などによって費用は変わる可能性がありますが、例えば家賃10万円で賃貸借契約を締結する場合は次の費用がかかります。

内訳費用
敷金10万円
礼金10万円
前家賃10万円
日割り家賃5万円(15日から入居)
管理費・共益費なし
仲介手数料なし(仲介を通さず直接契約)
火災保険料10万円
保証料2万円
合計48万円

※表内の費用はあくまで一例です。実際にかかる費用は、不動産会社にご確認ください。

仲介を通さずに不動産会社と直接売買契約・賃貸借契約を行う場合は、仲介手数料がかからないことが一般的です。また、不動産会社や地域によって金額が変動する点も理解しておきましょう。

リースバックにより賃貸で住み続ける際は家賃支払いが長期に渡ることも想定し、トータルでかかるコストを判断することが大切です。

リースバックの価格相場と家賃の目安の決まり方

リースバックの売却価格と家賃は、一般的な不動産取引とは異なる算出方法で決まります。リースバックの売却価格と家賃がどう決まるのかを見てみましょう。

売却価格の相場はどう決まる?

リースバックでの売却価格の相場は、周辺の同じような物件の市場価格を参考にして決まりますが、売却後も住み続けられる仕組みのため、通常の売却より安くなるのが一般的です。

売却価格の相場は不動産会社によって異なりますが、市場価格の60%~80%になる場合が多く、例えば3,000万円の物件なら1,800万円~2,100万円程度となります。

売却価格を設定する際に見られる主なポイントは次のとおりです。

  • 立地条件
  • 建物の築年数・劣化状況
  • 賃貸需要
  • 災害リスク

駅や商業施設へのアクセスが良く、生活利便性の高いエリアは、売却価格が高くなりやすい傾向にあります。築浅で修繕の必要が少ない物件や、賃貸需要が高い物件も高く売れやすいでしょう。さらに、災害リスクの低いエリアにある物件も高い売却価格がつきやすいです。

多くの不動産会社では、売却査定を無料で行っています。信頼できる仲介会社を通して信頼できる会社を選んでもらうことがおすすめです。

家賃の目安はどう決まる?

リースバックで済み続ける際の家賃も一般的な賃貸相場とは異なる方法で決まります。具体的には、売却価格と期待利回り(将来的に期待する年間収益率)をもとに算出され、計算式は「家賃=売却価格×期待利回り÷12ヶ月」です。

例えば、売却価格が2,500万円で期待利回りが6%の場合、年間家賃は150万円となり、月額家賃は12.5万円と計算されます。利回りが8%なら月額約16.6万円、10%なら月額約20.8万円と、利回りが高いほど家賃も高くなります。

ただし、家賃は契約時に決まった金額がずっと続くとは限らず、更新時に変更される場合もあります。賃貸契約の更新が可能なのかに加え、家賃が変更されないかも確認しておきましょう。

以下の記事では、不動産取引で仲介手数料がいくらかかるのかを詳しく解説しています。
仲介手数料はいくらかかる?相場や法律の上限、計算方法をわかりやすく解説

不動産会社やリースバック会社に依頼するメリットとデメリットを比較

リースバックには、不動産会社に買い主を見つけてもらう仲介型と、リースバック会社が直接買い取る直接買取型があります。それぞれの違いは以下の表のとおりです。

仲介型直接買取型
売却価格複数の買い主候補から選べる価格を比較検討できない
現金化のスピードやや時間がかかるスピーディに進められる
手数料仲介手数料がかかる仲介手数料なし
条件交渉不動産会社が売り主の立場に立って交渉する自分でリースバック会社に交渉する
家賃複数のなかから選ぶことができる交渉次第では家賃が高めに設定されることがある
売却の確実性買い主が見つからないリスクがある買取条件に合意すれば確実に進められる
柔軟性複数の候補から買い主を選べるため柔軟な条件設定ができる売却条件の選択肢が限られる可能性がある

仲介型では複数の買い主候補から最も高い価格を提示した会社を選べるため、直接買取型より高値での売却が期待できます。一方、直接買取型は仲介型のように価格の比較検討ができません。

また、仲介型は買い主を探す時間が必要なため、取引にやや時間がかかる傾向にあります。その点、直接買取型は査定から決済までの期間が短く、スピーディに取引を進められます。仲介型では仲介手数料が発生しますが、直接買取型では不要です。

仲介型では、不動産会社が売り主の立場で契約条件を交渉し、最も有利な条件を提示したところを紹介してもらえます。一方、直接買取型ではリースバック会社と直接交渉する必要があり、不動産会社の中立的な意見を聞くことができない点がデメリットです。

家賃の面では、複数の候補のなかから最も低い賃料を提示したところを紹介してもらえるのが仲介型の特徴ですが、直接買取型ではリースバック会社の査定によっては家賃が高めに設定される可能性があります。

また、仲介型では第三者の買い主を探す必要があるため、買い主が見つからないリスクがあります。直接買取型ではリースバック会社が直接買い取るため、査定条件に合意すれば売却は確実に実行されるでしょう。

仲介型では、複数の買い主候補から売却先を選ぶことができるため、売却価格や家賃、契約期間などの条件面でより柔軟な設定が可能です。一方、直接買取型では、原則1社との直接取引となり、売却条件の選択肢が限られる場合があります。

このように、仲介型と直接買取型にはそれぞれにメリットとデメリットがあります。そのため、どちらがよいか悪いかを単純には判断できませんが、少しでも高値で売りたい方や条件を十分に交渉したい方には仲介型が、とにかく早急に現金化したい方やリースバックに手間をかけたくない方には直接買取型が向いているでしょう。

リースバックの依頼先を選ぶうえで最も大切なのは、自分の希望や状況に合った方法を選ぶことです。リースバックの目的や優先順位を整理し、慎重に検討しましょう。

リースバック契約の前に確認すべき5つのポイント

リースバック契約では、売却価格や家賃だけでなく、長期的な視点でコストや契約条件を確認することが重要です。ここでは、リースバック契約前に確認するべきポイントを5つご紹介します。

家賃の総支払額を試算する

リースバックによる売却後は毎月家賃が発生することになるため、月額だけでなく総額で家賃を把握することが大切です。

例えば、月額12万円で10年住む場合は「12万円×12ヶ月×10年=1,440万円」が総額となります。もし売却価格が1,200万円の場合、結果的に売却価格を上回る支払いが発生することになります。

このような現象を避けるためにも、総支払額とライフプランと照らし合わせて検討する必要があります。

売却価格を相場と比較する

リースバックによる売却価格を相場と比較することも忘れてはいけません。リースバックは通常の売却より価格が低くなるケースが多いですが、不動産ポータルサイトや周辺の取引価格と比較し、提示された金額が妥当かを確認しましょう。

リースバック会社から提示された売却価格が妥当か不安な場合は、複数社に査定を依頼することをおすすめします。その際は、自分で複数社に相談するより、仲介会社を通じて担当者に比較検討してもらうほうが手間がかからず安心です。専門知識を持つ仲介会社であれば、適正価格の判断や交渉を安心して任せられるでしょう。

住み続けられる期間や更新の可否を確認

長期的に住むことを検討しているのであれば、リースバック後に住み続けられる期間や更新の可否を確認しましょう。

賃貸借契約には契約期間が設定されているため、そのあとも更新できるか、再契約が可能かを必ず事前に確認する必要があります。普通借家契約なら借り主の意思で更新できますが、定期借家契約では契約期間終了とともに退去を求められることが一般的です。

長期的に住み続けたい場合は、退去のリスクがないか、契約書を十分にチェックしてください。

買い戻し条件を事前に確認する

将来的に自宅を買い戻したいと考えている場合は、買い戻し条件を事前に確認しておきましょう。具体的には、契約書に買い戻し価格や買い戻しの期限、手続き方法などが明記されているかをチェックします。買い戻しに関する事項が記載されていない場合は買い戻しを断られる可能性があります。

また、買い戻しには事務手数料や登記費用などの別途費用が発生する点も理解しておきましょう。

相続人と事前に共有しておく

将来の相続トラブルを防ぐためにも、リースバックについて相続人と事前に共有しておくことが大切です。リースバック後の家は相続対象ではなくなるため、家族や相続人へ事前に伝えておかなければトラブルに発展する可能性があります。

相続トラブルを防ぐ対策としては、リースバックを利用する理由や売却価格、今後の計画について家族間で話し合いの場を設けることがおすすめです。可能であれば書面で確認しておくとよいでしょう。

リースバックで注意したいトラブル5つ

リースバックは今の家に住みながら資金を調達できる便利な売却方法ですが、ケースによってはトラブルが発生することもあります。ここでは、5つの代表的なトラブル事例と具体的な対策をご紹介します。

家賃が払えず退去になった

リースバックでよくあるトラブルとして、家賃が払えず退去になったケースが挙げられます。売却後も家賃を払い続ける必要があることを理解しておらず、想定より高い家賃で生活することになり、退去せざるを得なくなるケースです。

家賃滞納が発生すると賃貸借契約が解除され、強制退去を命じられる恐れがあります。トラブルを防ぐためにも、長期的に家賃を負担できるかをリースバック契約前にしっかりシミュレーションしましょう。

更新できず退去を迫られた

契約期間満了後に更新できず退去を迫られるケースも、リースバックで起こりえるトラブルの1つです。特に定期借家契約では、期間が満了すると契約が自動更新されないため、貸主様が再契約を拒否すれば退去しなければなりません。

自動更新なのか、再契約するための条件はあるかなどを契約時に確認しておきましょう。特に高齢者や単身世帯の場合は賃貸の再契約が難しくなることが多いため、注意が必要です。

長期間住み続けたい場合は、普通借家契約を締結する、定期借家契約の場合は再契約の可能性があるかを書面で必ずチェックするなどしましょう。

売却価格が相場より安すぎた

リースバックは一般的な不動産売却よりも売却価格が低くなりやすいため、相場を知らずに売却して安すぎたと後悔するケースがよくあります。特に、急いで現金化したい方は足元を見られやすく、不当に安い価格で買い叩かれる可能性があります。

安すぎる売却を防ぐために、地域の売買相場を不動産ポータルサイトで確認し、複数社に査定してもらいましょう。自分で査定を依頼することに不安がある場合は、仲介会社を通じて比較検討してもらうと手間がかからず安心です。

説明不足による誤解・トラブルがあった

リースバックでは、「ずっと住めると思っていた」「買い戻しできると思っていた」など、契約条件の説明不足によるトラブルが多発しています。

こうしたトラブルは、定期借家契約と普通借家契約の違いや買い戻し条件の有無、家賃変更の可能性など、重要な条項について十分な説明を受けていないことが原因です。

トラブルを避けるためには、重要事項説明をしっかり受け、理解できない点は遠慮せずに積極的に質問することが大切です。口頭での説明だけで完了するのではなく、契約内容は必ず書面で確認してください。疑問点があれば契約手続きを一度ストップし、納得するまで確認しましょう。

住み続けることができなくなった

賃貸借契約を解除され、リースバックで売却した家に住み続けることができなくなったというトラブルも起こり得ます。

賃貸借契約が解除される主な理由としては以下の4つが挙げられます。

  • 家賃が払えなくなった
  • 更新できず退去を迫られた
  • リースバック会社が物件を第三者に売却した
  • 契約違反をしてトラブルに発展した

家賃滞納による契約解除や、不動産会社の更新拒否による退去、リースバック会社が第三者に物件を売却することで住めなくなるケースなどがあります。さらに、又貸しや建物の無断改造といった契約違反により強制退去させられることもあります。

長期的に住み続けるためには、更新条件や家賃変更、中途解約の条件や修繕負担など、契約内容全体を理解することが大切です。リースバックを利用する際は契約書の細かい条項まで確認しましょう。

まとめ

リースバックは住み慣れた家に住み続けながら資金が得られる便利な仕組みですが、契約内容をよく理解していなかったり事前確認を怠ったりすることによりトラブルが発生する可能性があります。

売却価格や家賃だけでなく、長期的な総支払額や更新条件、買い戻し条件などを慎重に検討することが重要です。

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