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変動金利が一気に上がる可能性は?金利が上がる前に住宅ローン利用者が取るべき3つの対策

住宅ローンを変動金利で借りている人のなかには、「金利が一気に上がったら返済できるのか」「今のうちに固定金利へ借り換えるべきか」と不安を感じている人も多いのではないでしょうか。

変動金利は固定金利よりも当初の金利が低くなりやすい一方で、将来の金利上昇によって返済負担が増える可能性があります。ただし、変動金利がどのような仕組みで決まり、返済額にどのように反映されるのかを理解しておけば、過度に不安になる必要はありません。

この記事では、住宅ローンの変動金利が一気に上がる可能性や、金利上昇時の返済額への影響、今から取るべき対策についてわかりやすく解説します。

住宅ローンの変動金利が一気に上がる可能性はある?

住宅ローンの変動金利について、まず気になるのは「急激な金利上昇によって、返済額が大幅に増えることはあるのか」という点です。

結論からいえば、変動金利が将来的に上がる可能性はあります。ただし、短期間で一気に数パーセントも上昇するというより、金融政策や市場金利の変化に応じて段階的に見直される可能性が高いと考えられます。

ここでは、変動金利が決まる仕組みと、過去の金利推移から見た変動幅を確認しましょう。

変動金利が決まる仕組みと日銀の金融政策

住宅ローンの変動金利は、多くの場合、金融機関が定める短期プライムレートなどを基準に決まります。短期プライムレートとは、金融機関が信用力の高い企業へ短期で貸し出す際の優遇金利のことで、日本銀行の政策金利や短期金融市場の影響を受けます。

日銀が政策金利を引き上げると、金融機関の資金調達コストや短期金利が上がりやすくなり、住宅ローンの変動金利にも上昇圧力がかかります。

もっとも、政策金利の急激な引き上げは、家計や企業の借入負担、景気、不動産市場に大きな影響を与えます。そのため、経済・物価情勢を見ながら段階的に調整されるケースが一般的です。変動金利が上がる可能性は意識しつつも、仕組みを理解したうえで冷静に備えることが大切です。

過去の金利推移から見る変動金利の変動幅

過去の住宅ローン金利を見ると、バブル期から1990年代前半にかけては、現在よりも高い水準で金利が推移していました。一方で、バブル崩壊後は長期的に低金利の時代が続き、変動金利も低い水準で推移してきました。

過去の推移を見ても、住宅ローン金利は一気に数パーセント上昇したというより、金融政策や市場環境に応じて段階的に変動してきたことがわかります。

ただし、現在の借入額や返済期間、家計の状況によっては、わずかな金利上昇でも負担感が大きく変わることも考えられます。変動金利を利用している場合は、返済額がどの程度増える可能性があるのかを事前に確認しておくことが大切です。

もし変動金利が一気に上がったら?

万が一変動金利が急上昇した場合、現在返済中の住宅ローンにはどのような影響があるのでしょうか。

変動金利型住宅ローンには、返済額の急激な増加を抑える仕組みが設けられているケースがあります。ただし、返済額が抑えられても、利息負担そのものがなくなるわけではないため、正しく理解することが大切です。

急激な返済額増加を防ぐルールがある

多くの変動金利型住宅ローンでは、適用金利は半年ごとに見直されます。ただし、元利均等返済の場合、金利が急上昇したとしても毎月の返済額は据え置かれ、5年ごとに見直される仕組みが一般的です。これがいわゆる「5年ルール」です。

また、返済額が見直される場合でも、新しい返済額はそれまでの返済額の125%までに抑えられる「125%ルール」が適用されるケースもあります。例えば毎月の返済額が10万円の場合、次回見直し後の返済額の上限は12万5,000円となります。

ただし、すべての金融機関が5年ルールや125%ルールを設けているわけではないため、必ず契約内容を確認しましょう。

未払利息発生のリスクに注意する

5年ルールや125%ルールは、毎月の返済額の急増を抑えるための仕組みです。しかし、金利上昇によって発生した利息が消えるわけではありません。

返済額が据え置かれている間に金利が上がると、毎月の返済額のうち利息の割合が増え、元金が減りにくくなります。さらに金利上昇幅が大きい場合には、毎月の返済額だけでは利息すら払いきれず、「未払利息」が発生する可能性もあります。

未払利息が発生すると、返済しているつもりでも元金が減らず、将来の返済負担が重くなるケースもあります。5年ルールや125%ルールがあっても、金利上昇リスクそのものがなくなるわけではない点に注意しましょう。

【シミュレーションあり】固定金利が有利になるケースは考えられる?

変動金利は、固定金利よりも当初の金利が低く設定されることが多いため、金利が上がらなければ総返済額を抑えやすいメリットがあります。

一方で、金利が段階的に上昇し続ける場合には、将来的に固定金利より総返済額が大きくなる可能性もあります。

ここでは、変動金利と固定金利のシミュレーション比較や、固定金利を選ぶメリットについて解説します。

総返済額のシミュレーション比較

借入額3,000万円、返済期間35年、元利均等返済という前提で、変動金利と固定金利の返済額を比較してみましょう。

なお、実際の返済額は、金融機関の商品や適用金利、借入時期、手数料、団信の条件などによって異なります。

金利タイプ・上昇シナリオ当初金利借入当初の月額返済額最大月額返済額総返済額固定金利との差
全期間固定金利1.8%約9.6万円約9.6万円約4,046万円-
変動金利・上昇なし0.6%約7.9万円約7.9万円約3,327万円約719万円少ない
変動金利・5年ごとに0.4%上昇約9.7万円約3,776万円約270万円少ない
変動金利・5年ごとに0.7%上昇約11.2万円約4,149万円約103万円多い

この例では、変動金利が上がらない場合や緩やかな上昇にとどまる場合は、固定金利よりも総返済額を抑えられます。一方で、金利が長期間にわたって大きく上昇し続ける場合には、固定金利よりも総返済額が高くなる可能性が高まります。

「あとから固定に借り換える」が通用しない

変動金利を選ぶ人のなかには、「金利が上がりそうになったら固定金利に借り換えればよい」と考える人もいるでしょう。

しかし、実際にはその考え方がうまくいかないケースもあります。なぜなら固定金利は長期金利の影響を受けやすく、変動金利よりも先に上昇することが多いためです。

将来の金利上昇が見込まれると、長期金利が先に上がりやすくなります。そのため、「変動金利が上がり始めたから固定金利に借り換えよう」と思った時点では、すでに固定金利も上昇している可能性が高いです。

したがって、将来の借り換えを前提にしすぎず、まずは現在の家計でどこまで金利上昇に対応できるかを考えておきましょう。

住宅ローン以外の上昇リスクへの備えが必要

住宅購入後に増える支出は、住宅ローンの返済だけではありません。特にマンションの場合は、管理費や修繕積立金の上昇にも注意が必要です。

マンションは、建物の経年劣化に合わせて大規模修繕が必要になり、その費用をまかなうために修繕積立金が引き上げられることがあります。住宅ローンの変動金利が上がる時期と、管理費・修繕積立金の上昇が重なると、家計への負担が想定以上に大きくなる可能性があります。

固定金利を選ぶことで、住宅ローンの返済額を一定にできるため、他の支出増加にも備えやすくなるでしょう。

金利が上がる前に!住宅ローン利用者が取るべき3つの対策

変動金利を利用している場合でも、金利上昇に備える方法はあります。重要なのは、金利が大きく上がってから慌てて対応するのではなく、余裕があるうちに選択肢を確認しておくことです。

ここでは、住宅ローン利用者が検討したい3つの対策を紹介します。

対策1:固定金利への借り換えを検討する

将来の金利上昇が不安な場合は、金利の低いうちに固定金利への借り換えを検討しましょう。

全期間固定金利に借り換えれば、完済までの金利と返済額を確定できるため、将来の返済計画を立てやすくなります。また、10年固定や20年固定などの固定金利期間選択型を選ぶことで、一定期間の金利上昇リスクを抑える方法もあります。

ただし、借り換えには事務手数料や保証料、登記費用などの諸費用がかかります。そのため、金利差ばかりに着目するのではなく、諸費用を含めた総返済額や、返済期間中の安心感も含めて比較しましょう。

対策2:繰り上げ返済で元金を減らす

手元資金に余裕がある場合は、繰り上げ返済によって住宅ローンの元金を減らす方法も効果的です。

将来金利が上がった場合、変動金利では、ローン残高に対して高い利率が適用されます。そのため、金利が上がる前にローン残高を減らしておくことで、将来の利息負担を抑えやすくなります。

なお、繰り上げ返済には、返済期間を短くする「期間短縮型」と、毎月の返済額を下げる「返済額軽減型」があります。総返済額を少しでも減らしたい場合は「期間短縮型」、家計の負担を軽くして教育費や生活費に余裕を持たせたい場合は「返済額軽減型」が選ばれやすくなっています。ただし、家計を圧迫しないよう、無理のない範囲で繰り上げ返済を行うことが大切です。

対策3:家計の見直しと余裕を持った資金計画を行う

金利上昇への備えとして、家計の見直しも欠かせません。

まずは、現在の住宅ローン返済額に加えて、金利が上昇した場合に毎月の返済額がどの程度増えるのかをシミュレーションしましょう。そのうえで、増加後の返済額でも生活費や教育費、老後資金の積立などを無理なく続けられるかを確認します。

家計に余裕がない場合は、通信費や保険料、サブスクリプションなど、固定費の見直しから始めると効果的です。金利上昇に備えるためにも、家計を見直して資金計画の余力を高めましょう。

金利上昇局面における住み替えと不動産売却の考え方

金利上昇は、すでに住宅ローンを返済している場合だけでなく、これから住み替えや売却を検討している場合にも影響します。

住宅ローン金利が上がると、購入希望者の借入可能額や購買意欲に影響し、不動産市場にも変化が生じる可能性があります。

金利上昇が不動産価格に与える一般的な影響

一般的に、住宅ローン金利が上昇すると、同じ借入額でも毎月の返済額が増えます。その結果、購入希望者の借入可能額が下がり、住宅購入を見送るケースも増える可能性があります。

購入希望者の資金力や購買意欲が弱まると、不動産価格には下落圧力がかかりやすくなります。特に、住宅ローン利用者が多い実需向けのマンションや一戸建てでは、金利上昇の影響を受ける可能性も高まります。

国土交通省が公表する不動産価格指数では、海外投資家の増加や建築コストの高騰などの影響もあり、不動産価格が高い水準で推移していることが示されています。ただし、金利上昇が続く場合には、不動産市場の潮流も変化する可能性があるため、今後の市場動向を注視しましょう。

住み替え・売却を検討するならまずは机上査定や訪問査定を

住み替えや売却を検討している場合、まずは自宅がいくらで売れそうかを把握することが重要です。

大まかな相場を知りたい場合には、物件情報や周辺の取引事例をもとに価格を算出する「机上査定」が便利です。まだ売却を決断していない場合でも、今後の資金計画を立てるための参考になります。

一方、より正確な売却価格を知りたい場合は、不動産会社の担当者が実際に物件を確認する「訪問査定」を受ける方法があります。室内の状態や管理状況なども踏まえて、より現実的な価格を把握できます。

早めに査定を受けることで、住み替えや売却を実行すべきかを冷静に判断しやすくなるでしょう。

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まとめ

住宅ローンの変動金利は、日銀の金融政策や短期金利の影響を受けやすい一方で、経済・物価情勢に応じて段階的に見直されるケースが一般的です。

金利が急上昇した場合に備え、住宅ローンの商品には5年ルールや125%ルールが設けられているケースも多いですが、金利上昇リスクがなくなるわけではありません。返済額が抑えられている間も利息負担は増え、場合によっては未払利息が発生するリスクもあります。

変動金利を利用している場合は、固定金利への借り換えや繰り上げ返済、家計の見直しなど、金利が上がる前にできる対策を検討しましょう。金利上昇を過度に恐れるのではなく、金利が上がっても無理なく返済を続けられる準備をしておくことが大切です。

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