住まいリレーコラム

2025.09.01

旗竿地(はたざおち)とは?売れにくい理由や売れる旗竿地の共通点を解説

コラムカテゴリ:
住み替えのノウハウ
  • # 売却

旗竿地(はたざおち)の売却を検討する際、「売却しにくいのでは?」といった悩みや不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

独特な形状をもつ旗竿地には一般的な土地とは違う特徴があり、その特徴を活かすことで売却を優位に進められる可能性があります。この記事では、旗竿地の特徴やメリット・デメリット、売却しやすい旗竿地の共通点についてわかりやすく解説しています。旗竿地の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

  1. 旗竿地とは?
  2. 旗竿地が売れにくい理由
  3. 旗竿地にはメリットがたくさんある
  4. 売れる旗竿地の共通点
  5. 旗竿地を売れる物件にするためにできること
  6. まとめ

旗竿地とは?

旗竿地(はたざおち)とは、通路のように細長い「竿」と、その奥にある広い「旗」の部分からなる、旗の形に似た土地のことです。

一般的な四角形や長方形の整形地と異なり、道路に接する間口が狭く、奥まった場所に敷地があります。土地を分割して販売する際や建築基準法の接道義務を満たす際に生まれることが多く、都市部に多い傾向にあります。

旗竿地と一般的な土地では使い勝手やメリット・デメリットが異なるため、特徴を十分に理解したうえで売却を検討しなければなりません。次の章では、旗竿地が売れにくい理由について詳しく解説します。

旗竿地が売れにくい理由

旗竿地はその独特な形状のため、一般的な土地と比べて売却時に不利になりやすい傾向にあります。ここでは、旗竿地が売れにくい主な理由を解説します。

車の出入りが難しい場合がある

旗竿地が売れにくい理由の1つに、車の出入りが難しい場合があることが挙げられます。竿(通路)部分の幅が狭いと車幅がある車や大型車の進入が難しく、車庫入れの難易度が高くなってしまうためです。

竿部分が狭い旗竿地は、車を頻繁に利用する方の購入意欲を下げる原因となってしまう可能性があるでしょう。

生活動線が悪い場合がある

生活動線が悪い場合があるのも旗竿地のデメリットです。細長い通路を通って家に入るため、買い物帰りの荷物運びや引越し作業に手間が生じる場合があります。

また、来客にとって入り口がわかりづらいデメリットもあり、将来的な資産価値にも影響を及ぼす可能性があります。

採光や通風が悪い場合がある

採光や通風が悪くなりやすいのも、旗竿地が敬遠される理由です。旗竿地は周囲を建物で囲まれているケースが多く、日当たりや風通しが十分に確保できない場合があります。

周囲に建物が密接していると、明るさや快適性が損なわれることも考えられます。その結果、住宅としての魅力が下がり、売れにくくなる可能性があるのです。

防犯性が低い場合がある

防犯性が低い点も、旗竿地が売れにくい要因の1つです。旗竿地は奥まった位置にあるため通行人や近隣住民の目が届きにくく、死角が多くなります。夜間は暗くなりやすく、空き巣や不審者の侵入リスクを心配する声もあります。

家を建て替えられない場合がある

家を建て替えられない場合がある点も、旗竿地が敬遠されやすい理由です。

旗竿地のなかには、「再建築不可」の土地が含まれていることがあります。再建築不可とは、今ある建物を解体して更地にした場合、新しく家を建てることができない土地のことです。

このような土地は資産価値が大きく下がってしまうため、中古物件としても購入希望者が見つかりにくくなります。

なお、再建築不可となる主な理由は、「接道義務」を満たしていないことです。接道義務とは、敷地が幅4メートル以上の道路に、2メートル以上接していなければならないという建築基準法上のルールです。

建築にかかる費用が高くなりやすい

建築にかかる費用が高くなりやすい点も、旗竿地のデメリットです。竿(通路)部分が狭いと工事車両や重機が敷地内に入れず、資材の搬入や作業が手作業になるなど施工効率が悪くなり、人件費や工事費が高くなってしまいます。

また、給排水や電気などインフラ工事に追加費用が発生する可能性もあり、購入希望者は割高感を感じてしまいます。

旗竿地にはメリットがたくさんある

旗竿地にはご紹介したようなデメリットがある一方、魅力的な面もあります。ここからは旗竿地のメリットをご紹介します。

プライバシー性が高い

旗竿地は道路から奥まった場所に位置するため、通行人の視線を気にせず生活できます。周囲の建物に囲まれていることでプライバシーが守られやすく、リビングや庭が外から見えにくいため、落ち着いた環境が得られます。家族だけの空間を確保しやすくなるでしょう。

土地面積が広めなケースが多い

旗竿地は竿(通路)部分も土地面積に含まれるため、実質的に広めの土地になる場合があります。

土地面積が広いと、建物の配置や庭づくりにゆとりが生まれます。通路部分を駐車スペースやガーデニング用地として活用すれば、住宅スペースを有効に使えるでしょう。

建築設計と活用の自由度を楽しめる

他の住宅と距離が取れる旗竿地の場合、中庭やコの字型の設計、吹き抜けなど、自由な建築プランで家が建てられます。デザインにこだわる方や隠れ家感のある家に住みたい方にとっては大きな魅力になるでしょう。

また、旗竿地ならではの奥行きを活かし、使い方の幅を広げることも可能です。手前と奥で建物を分けて親世帯と子世帯を分けたり、住居と賃貸スペースを併設したりすることもできます。

購入検討者の幅が広い

土地の形状や立地によっても異なりますが、旗竿地は同じエリアの整形地より1割~3割ほど安くなる傾向にあるため、予算を抑えたい人に向いています。都心部で広さを確保したいけれど予算が限られているような子育て世代や若い夫婦などに選ばれやすい傾向にあります。

静かな住環境を得られる

旗竿地は道路に面していないため、騒音や排気ガスの影響が少なく、静かな環境で生活できます。また、道路から離れていることにより子どもの飛び出しリスクが減り、子育て世代でも安心して暮らせるでしょう。

税負担が軽くなる

旗竿地は形がいびつなため、一般的な土地よりも評価額が下がる傾向があります。そのため、固定資産税などの税負担が軽くなりやすく、相続のときも節税につながる可能性があります。

旗竿地の評価額は、主に次の流れで算出されます。

①路線価(ろせんか)を調べる
まずは、その土地が面している道路の「1㎡あたりの評価額(路線価)」を確認します。国税庁のホームページで調べられます。

参考:国税庁「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」

②土地の形を考慮して評価額を調整する
旗竿地の評価額は、まっすぐで四角い理想的な土地(想定整形地)の価値から、通路部分など使いにくい場所(かげ地)の価値を差し引いて計算します。

以下のように計算します。
旗竿地の評価額=想定整形地の評価額−かげ地の評価額

③補正率をかけて最終的な評価額を算出する
さらに、土地の間口(道路に接している幅)が狭い・奥行きが長すぎるなどの場合は、それぞれに応じた「補正率」をかけて調整します。

  • 不整形地補正率×間口狭小補正率
  • 間口狭小補正率×奥行長大補正率

これらの計算は専門的で複雑なため、正確な金額を知りたい場合は不動産会社などに相談するのがおすすめです。

売れる旗竿地の共通点

旗竿地でも、条件が整えばスムーズに売却できます。ここでは、売れやすい旗竿地に共通するポイントをご紹介します。

接道幅が2m以上ある

建築基準法では、原則として幅4m以上の道路に接している面が2m未満の場合は接道義務を満たしておらず、今の家を解体しても新しい家が建てられない再建築不可の土地となり、資産価値が大きく下がってしまいます。

旗竿地の接道幅が2m以上あれば将来の建て替えやリフォームが可能となり、資産価値が保たれやすく、売却も有利に進むでしょう。

建物が新しい

建物が新しい点も、売れやすい旗竿地の特徴です。旗竿地に建物が建っている場合、古い建物だと修繕やリフォームの費用がかさむため、敬遠されることが考えられます。

しかし、新しい建物であれば修繕費用が少なく済むため、購入希望者の安心材料となります。最新の耐震基準を満たしている点も新しい建物のメリットです。

更地化や整地が済んでいる

すでに更地になっており整地が済んでいる旗竿地は、購入後のイメージを持ちやすく、自由に建物プランを立てられるため、購入希望者が見つかりやすくなります。整地された土地は見た目も良く、建物の解体が不要ですぐに建築や活用が可能です。

価格設定が適正

土地が相場より高い場合、購入希望者は他の物件と比較して敬遠しやすくなります。一方、相場より安すぎると「土地に欠陥があるのでは」と不安を感じ、購入をためらう方が出てしまいます。

旗竿地は一般的に整形地より安い傾向にあります。相場を把握したうえで、条件がよいと感じてもらえる価格に設定することがポイントです。

不動産会社のホームページを確認したり、不動産会社の担当者に相談したりして、価格設定の相場を知ったうえで、査定をおこなってもらうとよいでしょう。

三菱地所の住まいリレーでは、無料査定が可能です。売り出しにおける適正な価格設定を把握したい方はぜひ参考にしてみてください。

旗竿地を売れる物件にするためにできること

旗竿地でも工夫や準備次第で売却しやすい物件にすることは可能です。最後に、売却を成功させるために実践すべき具体的な方法をご紹介します。

旗竿地の売却実績がある不動産会社に相談する

旗竿地の売却を検討する際は、旗竿地の売却実績が豊富な不動産会社に相談するとよいでしょう。実績が豊富な不動産会社であれば、売却のプロフェッショナルが物件にマッチした購入希望者を探してくれるため、価格を高めに設定できる可能性が高まります。

また、旗竿地の特性やデメリットを理解している会社であれば、購入希望者にうまく魅力を伝えてくれることが期待できます。

不動産買取業者での売却を検討する

旗竿地を早く・確実に売りたいなら、不動産買取で直接売却する方法を検討する手もあります。この場合、不動産会社に直接不動産を買い取ってもらうため、購入希望者を探す手間がかからずスピーディーに売却できます。ただし、売却価格は市場相場より安くなるのが一般的です。

また、不動産仲介会社に「買取も対応可能か」を相談してみるのもおすすめです。三菱地所の住まいリレーでは、信頼できる買取業者をご紹介するサービスをおこなっております。ぜひお気軽にご相談ください。

買取サポートサービス

測量・整地・更地化で資産価値を上げる

旗竿地は、測量や更地化をしたうえで整地を行えば資産価値が高まり、購入希望者が見つかりやすくなる傾向にあります。測量を行い境界を明確にすることで購入希望者の安心感が増し、トラブル防止にもつながるためです。

さらに、更地化すれば購入希望者が自由に建築プランを立てられるため、売却が有利に進みます。ただし、測量や建物の解体には費用がかかるため、売却価格や費用対効果も考慮して検討しましょう。

まとめ

旗竿地は独特な形状ゆえにデメリットもありますが、プライバシー性の高さや静かな住環境など、メリットも多くあります。売却を成功させるには、接道幅・建物の築年数・整地の状況・価格設定などが重要なポイントです。

これらの条件がそろえば、スムーズな売却につながる可能性が高まります。売却実績のある不動産会社に相談し、必要に応じて測量や更地化を行えば、資産価値の向上も期待できるでしょう。

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