利回り|不動産用語集

利回り(りまわり)

投資額に対する収益額の割合。

利回りを算定する投資の対象は、株式などの証券類、投資信託、不動産、金などの特定商品のほか、各種の金融商品である。また、算定する収益は、投資対象に応じて、利息、配当金、賃料、売却益などであるが、資産保有から得るインカムゲインに限定し、売買から得るキャピタルゲインは除外する場合も多い。算定期間は通常1年間で、「年利回り」ともいう。

不動産投資の利回りには、賃料収入をそのまま収益とする「表面利回り」と、維持経費を控除して収益を算定する「実質利回り」とがある。また、資産価値の算定に当たって、将来発生する収益額を現在価値に割り戻すときに用いる利率が「還元利回り」である。

なお、一般に、利回りが高い投資対象は、価格の変動性(ボラティリティ)が大きく、リスクも高いとされている(ハイリスク・ハイリターンの原則)。

用語解説

不動産

不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。

賃料

賃貸借契約によって賃借人が支払う対価をいう。

特約がない限り後払いである。また、地代・家賃については、事情変更による増減請求権が認められている。

なお、借主が実質的に負担するのは、賃料に保証金、預かり金等の運用益を加えた額(実質賃料)である。また、共益費など賃料以外の負担を求められることも多い。

インカムゲイン

資産の保有によって得る利益。英語のincome gain。不動産賃料、株式の配当、預金の利子などがこれに該当する。

不動産のインカムゲインは、賃料収入から保有・管理費用を減じた価額である。

インカムゲインに対して、資産価額の変動によって得る利益を「キャピタルゲイン」と言い、例えば、不動産の売却益がこれに該当する。

キャピタルゲイン(Capital Gain)

資産の価格変動に伴って得る利益をいう。

株式や不動産などの売買差益はこれに当たる。

資産から得られる利益の種類で、その保有により得る利益をインカムゲイン、その価格変動に伴って得る利益をキャピタルゲイン(損失はキャピタルロス)という。株式の配当、不動産の賃料、預金の利子などはインカムゲイン、株式や不動産などの売買差益はキャピタルゲイン(譲渡益、資本利得ともいう)である。

両者は税務上の取扱いなどが異なるため、投資に当たっても両者の性格の違いを十分に認識しておくことが重要である。
もっとも、両者は無関係ではなく、資産の価格はそれから得ることのできる利益を現在価格に還元したものの総額に等しいとされているため、例えばインカムゲインが増大すれば資産価格が上昇して、キャピタルゲインを得る機会となる。ただし、資産価格は期待や予想に左右されやすいことに注意が必要である。

表面利回り(不動産投資における〜)

不動産投資の収益性を示す指標のひとつで、投資対象物件の価格に対する年間家賃収入の割合をいう。物件を維持するための費用等を考慮しない利回りである。

これに対して、総家賃収入から物件を維持するための諸経費を控除した金額を、物件価格と取得時に負担した諸経費の合計額で除した割合を「実質利回り」という。

表面利回りには維持費用が反映されないことに注意が必要である。既存物件については表面利回りと実質利回りとの違いが大きいとされ、また、実質利回りは物件の状態に応じて変化する。

還元利回り

資産の収益から資産価格を算出する際に用いる利率をいう。

「キャップレート(Cap Rate)」とも呼ばれる。
資産価値は、発生するであろう収益額を現在価値に割り戻して総計した額に等しいと考えられているが、このとき現在価値に割り戻すために用いる利率が還元利回りである。

その値は、資産の種類や条件によって異なるが、おおむね一般的住宅では5~7%、事業用は8~10%が目安とされている。逆に、資産価格と収益額が与えられれば還元利回りを求めることができるが、利回りが高いほど収益性が高いと判断してよい。

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