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不動産用語集

生前贈与(せいぜんぞうよ)

存命中に自分の財産を他人に与えることであるが、通常は、相続の前倒しとして行なう贈与をいう。

贈与を行なったときには、贈与を受けた者に対して贈与税が課せられる(毎年110万円までは非課税)。一方、相続した場合に課せられる相続税は、贈与税よりも税率が低い。そこで、存命中に被相続予定者等に対して財産を分与する必要に応えるために、一定の要件を満たす贈与財産について、相続時にその贈与財産も相続財産と同様に取り扱う制度(相続時精算課税制度)が創設された(2003(平成15)年)。この制度に従ってなされる贈与が、生前贈与である。

また、直系尊属からの住宅取得等資金の贈与等については一定額まで贈与税が非課税となるが、この制度による贈与も生前贈与である。

なお、贈与税の課税においてどのような贈与が特別扱いの対象となるかなどについては、具体的な事例に則して十分に確認する必要がある。

用語解説

相続

死者の有した財産上の一切の権利義務を、特定の者が包括的に承継することをいう。

相続は、死亡のみによって、意思表示を要せず一方的に開始される。ただし、遺言により相続の財産処分について生前に意思を明らかにし、相続に反映させることができるが、この場合には、遺留分の制約がある。

財産の継承者(相続人)は、1.子・直系尊属・兄弟姉妹がこの順で先順位の者が(同順位者が複数あるときには共同して均等に)、2.配偶者は1.の者と同順位で常に、その地位を得る。子・兄弟姉妹の相続開始前の死亡や相続欠格等の場合には、その者の子が代わって相続人となる(代襲相続)。
また、相続人は、相続の開始を知ったときから3ヵ月以内に、相続の承認、限定承認、相続放棄のいずれかの意思表示が必要である(意思表示がないときには相続の承認とみなされる)。

遺言の指定がないときの相続分(法定相続分)は、1)配偶者と子のときには、配偶者2分の1、子2分の1、2)配偶者と直系尊属のときには、配偶者3分の2、直系尊属3分の1、3)配偶者と兄弟姉妹のときは、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1である。

なお、法定相続分は遺言がない場合の共同相続人の権利義務継承の割合を定めたもので、遺産分割は相続人の協議等によってこれと異なる割合で行なうことができる。

贈与

当事者の一方がある財産権を相手方に無償で移転する意思を表示し、相手方がそれを受諾する意思を表示し、双方の意思が合致することによって成立する契約のこと(民法第549条)。

贈与は諾成契約とされている。つまり、当事者の双方が意思を表示し、意思が合致するだけで成立する(財産が引き渡されたときに成立するのではない)。また、贈与は不要式契約なので、書面による必要はなく口頭でも成立する。

本来、贈与は好意・謝意などの動機で行なわれるものであるから、契約ではないとする考え方もあるが、わが国の民法では、贈与も契約であると構成したうえで、「書面による贈与」と「書面によらない贈与」に区分し、異なった取扱いをするという方法を採用している。

「書面による贈与」とは、贈与者による贈与の意思が現れた書面が存在する贈与である。書面による贈与は書面が存在する以上、もはや撤回することができない。
「書面によらない贈与」は、原則的にいつでも撤回することができるが、履行が終わった部分については撤回できないとされている(民法第550条)。

贈与税

贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがある。いずれの方法の場合にも、財産の被贈与者が申告、納税しなければならない。

1.暦年課税

1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産の合計額に対して課税する方法
この場合、基礎控除額は110万円で、これを超える額に対して累進的な税率(基礎控除額を超える額に応じて10~50%、2015(平成27)年以降は最高税率55%)によって課税される。

2.相続時精算課税

あらかじめ選択した一定の要件に該当する贈与者ごとに、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計金額から2,500万円の特別控除額を控除した残額に対して課税する方法

この場合、前年以前にこの特別控除の適用を受けた金額がある場合には、2,500万円からその金額を控除した残額がその年の特別控除限度額となる。また、相続発生時に、相続時精算課税された相続税と相続した財産に係る相続税とを通算して税額の精算が行なわれる。

相続時精算課税において控除額を超える額に対する課税税率は、一律20%である。

相続税

相続や遺贈によって取得した財産に対して賦課される税をいう。

この場合の財産には、相続時精算課税制度の適用を受けて贈与により取得した財産を含む。

納税義務者は財産を取得した者であるが、税額の算定に際しては各種控除などが適用されるので、十分な注意が必要である。

一般的な相続税額の算出手順は次の通りである。

① 課税価格の算出
取得した財産の価額から、一定の生命保険金等の非課税財産の価額、小規模宅地に係る減額相当額などを減じ、相続時精算課税に係る贈与財産価額や3年以内の贈与財産の価額などを加算して、課税財産額を算出する。
② 相続税総額の算出
ア 課税遺産総額の算出:①で算出した課税価格から、遺産に係る基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を減じる。
イ 法定相続人の取得金額の算出:アで算出した課税遺産総額を民法に定める法定相続分に従って取得したと仮定して、各法定相続人の取得金額を算出する。
ウ 法定相続分ごとの取得金額に応じた相続税額の算出:イで算出した金額に相続税率を乗じて算出する。税率は、取得金額に応じて、10%から55%まで累進的に定められている。
エ 相続税総額の確定:ウで算出した法的相続人ごとの相続税額を合計する。
③ 各人ごとの相続税額の算出
②エで確定した相続税総額を、各人の実際の相続割合に応じて按分し、相続税額を算出する。
各人ごとの相続税額=②エの価額×各人の相続割合
④ 各人の納付税額の算出
③の価額から、相続人の属性に応じて、配偶者税額軽減、未成年控除などの各種税額控除額を減じ、各人の納付税額を確定する。この場合、財産取得者が被相続人の配偶者、父母、子供以外の者である場合には、相続税額の20%相当額を加算して納付税額が算出されることに注意が必要である。

相続税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内に申告納税しなければならない。

相続時精算課税制度

贈与税の納税方法で、贈与時に贈与財産に対する贈与税を納め、その贈与者が亡くなった時にその贈与税と相続財産に課す相続税とを通算する制度をいう。贈与税の算定は暦年ごとに行なうのが通例であるが(暦年課税)、その特例である。

相続時精算課税制度の適用を受けるためには、親族関係や年齢に関する一定の要件を満たすこと、同制度を選択する旨申告することが必要である。

贈与税額は、暦年課税では累進的な税率によって算定されるが、相続時精算課税制度を選択すると一律の税率で課税される。また、贈与税と相続税の精算は、相続時に、生前に贈与された財産の価額と相続財産の価額とを合計し、それを基に計算した相続税額から既に納めた贈与税相当額を控除する方法によって行なう(超過分は還付される)。これによって、生前贈与による資産移転が促進されると考えられている。

尊属

親族関係のうち、ある人を基準にして先の世代にある血族をいう。血族とは血縁者のことであるが、民法では養子縁組によって生まれる親族も血族として扱う。例えば、父母・祖父母など(直系尊属)や、おじ・おばなど(傍系尊属)が尊属である。

尊属という概念が法的に重要だったのは、刑法で尊属殺を一般の殺人よりも重い刑に処するとされていたからであるが、その規定は違憲とされ(1973年4月4日最高裁判決)、削除されている。

なお、後の世代の血族を卑属という。

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