広小舞|不動産用語集

広小舞(ひろこまい)

日本家屋等の木造建築において、屋根軒先側の下端に取り付けられる板。多くの場合、断面が三角形で、下から反るような角度を保つことにより、などを支えるような形になる。

屋根の骨組みの上に下地材として「野地板」が張られるが、この野地板の端を止めることによって、雨や湿気等による劣化や不安定化を防ぐ。また、縦方向に屋根を支えている垂木を固定し、瓦の角度を調節し、そろえる役割を担っている。野地板に軽い合板などが使われるのに対し、広小舞は耐久性の高いスギ、ヒノキ等が使われることが多い。

用語解説

木造

建物の主要な部分を木材とした建築構造のこと。

木造の工法は、大きく分けて「在来工法」「伝統工法」「枠組壁工法」に分類されている。

屋根

建物の上部に設ける覆い。屋根は、雨露、風雪、寒暑を防ぐために設けられ、建築構造の一部となる。

屋根のかたちには、二つの面が棟で山型に合わさる「切妻屋根」、山型の二面とその両端を斜めに切る二面で構成する「寄棟屋根」、傾斜した四つの面が頂点で合わさる「方形屋根(ほうぎょうやね)」、一つの傾斜面の「片流れ屋根」、水平面の「陸屋根(ろくやね)」、切妻屋根の両端に傾斜面を付加した「入母屋屋根(いりもややね)」などがある。

屋根材としては、粘土瓦、セメント瓦(プレスセメント瓦、コンクリート瓦)、スレート(化粧スレート、天然スレート)、金属(銅、トタン、ガルバリウム鋼板等)が用いられるほか、陸屋根の屋根材には、アスファルト、モルタル、防水シート等の防水材が使用される。また、古民家のなかには茅や藁を用いるものもある。

なお、屋根を仕上げることを「葺く」といい、屋根を「瓦葺」「スレート葺」「茅葺」などに分ける場合もある。

軒先

屋根の外壁から突き出た部分が「軒(のき)」で、その先端部分をさす。「軒端(のきば)」も同じ意味である。

軒先には装飾的な加工が施される場合があるほか、雨樋(軒樋)が取り付けられていることが多い。

なお、「軒先」は、家屋の外壁付近をさす言葉として使われることもある。

粘土を整形し焼き固めた屋根葺き材。

瓦の形状は、屋根の部位等に応じて多様である。例えば、平面を葺く厚板状の平瓦は、穏やかな曲線形の和瓦(J形瓦)、平らな平板瓦(F形瓦)、波打つS形瓦に大別される。

瓦の素材はもともと粘土であるが(粘土瓦、本瓦とも言われる)、陶器製のもの(陶器瓦)、プレスセメント製のもの(厚形スレート)、金属製のもの(金属瓦)なども用いられている。

瓦は、耐久性や防音性に優れるが、建物の上部が重くなるため、構造上の対応が必要である。また、耐震性・耐風性を確保するため、すべての瓦を確実に緊結しなければならない。

垂木

木造建築において、棟木・母屋・軒桁をつなぐように架ける細長い斜材。一般に、屋根下地を支える役割を担い、等間隔で懸架される。垂木は軒桁から外に突き出て軒をかたちづくるが、軒裏に隠れる「野垂木」と、軒下に現れる「化粧垂木」との区別がある。化粧垂木は、装飾として用いられる場合もある。

合板

ベニヤ板ともいう。

薄く切った木材を奇数枚貼り合わせたもの。木材を交互に直交させることにより、強度を高めている。

合板は、普通合板、構造用合板などに区別される。

キーワードから探す

頭文字から探す