固有周期(こゆうしゅうき)
物体の振動には周期があり、これは、建築物が地震により振動する場合も同じである。周期は、物体の質量と剛性によって決まるので、ひとつひとつの建築物が、それぞれ異なる周期を有していることになる。これをその建築物の固有周期という。
建築基準法では、耐震性を確保する観点から、地震の際に建築物に作用する地震力を想定し、これに耐え得る構造を要求している。その地震力の算定に当たり、建築物の「揺れ方」を表す固有周期等の数値を基に、必要な「地震層せん断力係数」を得る。詳細な計算方法は、建築基準法施行令第88条及び昭和55年建設省告示第1793号による。
用語解説
建築物
建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。
これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備
上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。
建築基準法
国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低の基準を定めた法律。市街地建築物法(1919(大正8)年制定)に代わって1950(昭和25)年に制定され、建築に関する一般法であるとともに、都市計画法と連係して都市計画の基本を定める役割を担う。
遵守すべき基準として、個々の建築物の構造基準(単体規定、具体的な技術基準は政省令等で詳細に定められている)と、都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められている。また、これらの基準を適用しその遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されている。
その法律的な性格の特徴は、警察的な機能を担うことであり、建築基準法による規制を「建築警察」ということがある。