密集市街地|不動産用語集

密集市街地(みっしゅうしがいち)

老朽化した木造の建築物が密集し、細街路が多くてオープンスぺースが少なく、地震火災が発生した場合には、延焼の防止や円滑な避難が困難になる市街地。

密集市街地であるかどうかの厳密な判定は難しいが、国土交通省の「地震時等に著しく危険な密集市街地」の調査(2012年)では、住宅の密度、不燃化領域の割合などによって評価した「延焼の危険性」と、街路形状、建物の耐震・防火性能などによって評価した「避難の困難性」に基づいて判定されている。

密集市街地の危険性を軽減するために、建物の耐震化・不燃化、街路やオープンスペースの整備、延焼遮断帯の形成などが進められている。

用語解説

老朽化

長い年月の経過によってモノの状態や機能が低下・減退すること。建築物の老朽化は、設備の性能が経年的に低下すること、建築材料が錆びやひび割れの発生、腐食等によって劣化することなどによって生じる。


住宅の老朽化対策は、住宅性能表示制度における評価項目の一つとされ、木造についてはシロアリや腐朽菌による腐敗対策など、鉄骨造についてはサビによる劣化対策など、鉄筋コンクリート造については鉄筋のサビやコンクリートの傷み対策などが評価される。

木造

建物の主要な部分を木材とした建築構造のこと。

木造の工法は、大きく分けて「在来工法」「伝統工法」「枠組壁工法」に分類されている。

火災

火によって生じる災害。「火事」も同じ意味である。

火災統計(消防庁)では、火災を、人の意図に反して発生・拡大し(放火による発生を含む)、消火の必要がある燃焼現象であって、消火するために消火施設等を必要とするもの(人の意図に反して発生・拡大した爆発現象を含む)と定義している。

燃焼のためには、発火だけでなく、可燃物と酸素の供給が必要で、可燃物又は酸素が無ければ燃焼は継続しない。したがって、火災を防ぐためには、意図しない発火を防止し、可燃物を適切に管理する必要がある。また、火災が発生したときには、早期に発見し、可燃物の隔離、酸素供給の遮断、放水による冷却などによって燃焼反応を抑えることになる。さらには、家屋火災を防ぐためには、建物を防火・耐火構造にすることが重要である。

火災対策のための設備として、自動火災警報器のような火災を発見・通報する設備、水や消火剤を放出し燃焼を抑える消火設備、炎や煙が拡散するのを防ぐ防火扉や排煙設備などがある。避難のための非常口の設置も有効である。また、火災による損失を補填する火災保険は、火災リスクを管理する仕組みである。

なお、失火によって他者に損害を与えた場合は、「失火ノ責任ニ関スル法律」によって、損害賠償の責任を負わないとされている。ただし、失火者に重大な過失があったときにはこの限りではない。

 

 

 

 

オープンスペース

大規模なビルやマンションに設けられる空地(くうち:敷地のうち建築物が建てられていない部分)であって、歩行者用通路や植栽などを整備した空間をオープンスペースという。また広い意味では、都市における公園・緑地・街路・河川敷・民有地の空地部分などの建築物に覆われていない空間を総称して「オープンスペース」と呼ぶ場合がある。

高層建築物による景観や生活環境の悪化に対する制度として、国では1961(昭和36)年に特定街区制度、1971(昭和46)年に総合設計制度を創設した。
これらの制度は、大規模なビルやマンションを建設する際に広い空地を確保し、その空地を一般の歩行者が自由に通行できる空間として利用することを推奨するものである。
特に後者の総合設計制度は、現在も広く活用されており、この制度によって設けられた一般公衆が自由に出入りできる空地は「公開空地」と呼ばれている。

近年では、大規模なビルやマンションにおいて、ヒートアイランド現象を緩和するために地上の空地部分の緑化が推進されており、また地方自治体の条例により良好なまち並みの形成が推進されている。

さらにビルやマンションの市場価値自体を高めるという目的のために、開発者が空地に歩行用通路・樹木・植栽・庭園・水路などを整備することが盛んになっている。
このようなさまざまな理由にもとづいて、大規模なビルやマンションの空地において、通路・植栽等を整備することが近年盛んになっている。こうした空地のことを一般に「オープンスペース」と呼んでいる。

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