共振|不動産用語集

共振(きょうしん)

振動体に対して外から固有振動数に近い振動が加わると、振動体の振幅が大きくなる現象。「共鳴」も同じ意味である。

例えば、地震に際して建物の大きな揺れが長く続くときは、地震の波長が建物の固有振動数に近いため、建物が共振したと考えて良い(注:波長×振動数=波の速度)。

また、建物の耐震化に当たって採用される制振構造や免震構造は、共振を防ぎ和らげるため、建物の固有振動数または建物に伝わる地震波長を変えるように設計される場合が多い。

用語解説

固有振動数(建築物における~)

物体などが自由な状態で振動するときに、その物理的な性質によって決まる固有の振動数。固有振動数による振動は、一旦始まると、外力を加えなくても継続する。また、物体にその固有振動数で外力を加えると、振幅(揺れの大きさ)が増大する(共振)。

固有振動数は、物体の質量(重さ)が大きいほど小さく、剛性(硬さ)が高いほど大きい。

建築物にも固有振動数がある。地震によってその固有振動数の振動が加わると、建築物が共振し、大きな揺れが生じる。低層で剛性が高い建築物は、固有振動数が大きいため、短い周期の振動が多い直下型の地震で大きな被害を受けやすい。一方、高層で剛性が低い建築物は、固有振動数が小さいため、長い周期の地震動(減衰しにくく長距離まで届く、大規模な地震に多い)で被害を受けやすい。

建築物の免震構造は、振動の減衰を大きくするとともに、固有振動数を地震動の一般的な振動数より小さくすることによって、地震による揺れを小さくし、共振を防ぐ仕組みである。

免震構造

大地震による揺れをできるだけ小さくして、心理的恐怖感や家具の転倒などによる災害を少なくするために、建物の基礎と土台の間に防振ゴム(積層ゴム)を挿入するなどの構造を免震構造という。

マンションでの採用が多いが、一戸建て住宅に採用するケースも多い。振動を通常の2~3割程度に和らげる効果があるとされており、今後さらなる増加が予想される。

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