特定建築物(定期報告が必要な〜)|不動産用語集

特定建築物(定期報告が必要な〜)(とくていけんちくぶつ)

敷地、構造及び建築設備について定期的に調査し、結果を報告しなければならない建築物。建築基準法に基づいて報告義務が課せられている。

定期報告が必要な特定建築物は、安全上、防火上又は衛生上特に重要なものであって、政令または特定行政庁によって指定されている。指定されているのは、不特定多数の者が利用する一定の建築物のうち、一定の階数、面積等を有するものであるが、その詳細は指定する特定行政庁によって異なる。また、高齢者等が就寝用途で利用する一定の福祉施設も指定されている。

特定建築物の所有者・管理者は、1級建築士・2級建築士・建築物調査員(設備については建築設備等検査員)に調査を依頼し、その結果を特定行政庁が定める期間ごとに報告しなければならない。

なお、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」に基づき、空気環境の調整、給排水の管理、清掃等に関する基準(建築物環境衛生管理基準)に従って維持管理しなければならない建築物も「特定建築物」というが、これは建築基準法に基づき定期報告が必要な特定建築物とは異なる。

用語解説

敷地

建築物のある土地のことを「敷地」という。

なお、同一の敷地の上に2つの建築物がある場合には、建築基準法では、2つの建築物が用途上分けられないときは、同一敷地にあるものとみなすことになっている(建築基準法施行令1条)。
例えば、ある人の所有地の上に「住宅」と「物置」が別々に建っている場合は、この2つは用途上不可分であるので、別々の敷地上に建てたと主張することはできない、ということである。

ところで、建築基準法では「敷地」が衛生的で安全であるように、次のようなルールを設定しているので注意したい(建築基準法19条)。

1.敷地は、道より高くなければならない(ただし排水や防湿の措置を取れば可)
2.敷地が、湿潤な土地や出水の多い土地であるときは、盛り土や地盤の改良を行なう。
3.敷地には、雨水と汚水を外部に排出する仕組み(下水道など)をしなければならない。
4.崖崩れの被害にあう恐れがあるときは、擁壁(ようへき)の設置などをしなければならない。

建築基準法

国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低の基準を定めた法律。市街地建築物法(1919(大正8)年制定)に代わって1950(昭和25)年に制定され、建築に関する一般法であるとともに、都市計画法と連係して都市計画の基本を定める役割を担う。

遵守すべき基準として、個々の建築物の構造基準(単体規定、具体的な技術基準は政省令等で詳細に定められている)と、都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められている。また、これらの基準を適用しその遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されている。

その法律的な性格の特徴は、警察的な機能を担うことであり、建築基準法による規制を「建築警察」ということがある。

一級建築士

建築物の設計や工事管理を行なうことのできる資格のひとつ。建築士法に基づき、国土交通大臣の行なう一級建築士試験に合格し、大臣から免許を受けることによって得ることのできる資格である。

建築物の設計・工事管理は、用途、構造、規模に応じて定められた一定の建築物について、一級建築士、二級建築士または木造建築士が行なわなければならないとされている(建築基準法)。この場合、二級建築士および木造建築士については設計・工事管理を行なうことができる建築物に制限があるが、一級建築士は、すべての建築物について設計・工事管理を行なうことができる。

ただし、一定規模以上の建築物の構造設計または設備設計に関しては、構造設計一級建築士または設備設計一級建築士による構造関係規定または設備関係規定への適合性の確認を受けるか、それらの者が自ら構造設計または設備設計を行なう必要がある。

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