枠組壁工法|不動産用語集
枠組壁工法(わくぐみかべこうほう)
木材でつくった枠に、構造用合板等を釘で打ち付けて、壁・床・屋根を箱型に形成する工法。
柱と梁で支えるわが国の伝統的な木造軸組工法(在来工法)と比べると、壁そのものが垂直方向と水平方向の強度を持つ点に最大の特徴がある。箱型の六面体を形成する壁全体で躯体を支えるので、耐震性に優れ、気密性、断熱性にも優れている。また、角材、合板とも一定の規格により工場で生産されるので、施工による品質のばらつきが少ない。ただし、壁で躯体を支えているため、窓等開口部を大きくするような変更や、増改築等は難しくなる傾向がある。
本来は北米で生まれた工法だが、わが国では1974(昭和49)年の建設省告示により自由に建築できるようになった。
2インチ×4インチの木材を使用する「2×4(ツーバイフォー)工法」と、2インチ×6インチの木材を使用する「2×6(ツーバイシックス)工法」がある。
関連用語
- 木造
- 建物の主要な部分を木材とした建築構造のこと。
木造の工法は、大きく分けて「在来工法」「伝統工法」「枠組壁工法」に分類されている。
- 在来工法
- 木造建築物の工法の一つ。
「在来工法」とは、「伝統工法」を母胎としながら、第二次大戦後の技術革新で新たに生まれた木造建築物の工法である。
この「在来工法」は、「木造軸組工法」「在来軸組工法」「在来木造」「木造軸組」などのさまざまな呼び方がされるが、その内容は基本的に同じである。
「在来工法」の特徴としては次のことが挙げられる。 1.鉄筋コンクリート製の「布基礎」(連続フーチング基礎)を採用し、土台と布基礎をアンカーボルトで緊結する
2.筋かいを入れて、プレート等で止めつけることにより、軸組全体を安定させる
3.壁材に構造用合板を採用する等により、壁に強度を与える
4.その他、材の接合部(仕口)に多様な金物を用いて、軸組全体を補強する
これらの工夫により、構造的に強い木造建築が初めて可能となった。 ちなみに建築基準法では、木造建築物についてさまざまなルールを設けているが、これらのルールの前提として想定されているのはこの「在来工法」である。
用語解説
構造用合板
壁などの強度をつくり出すことができる合板のこと。
在来工法や枠組壁工法の木造建築物において、耐力壁、床板、屋根の野地板などとして使用される。
屋根
建物の上部に設ける覆い。屋根は、雨露、風雪、寒暑を防ぐために設けられ、建築構造の一部となる。
屋根のかたちには、二つの面が棟で山型に合わさる「切妻屋根」、山型の二面とその両端を斜めに切る二面で構成する「寄棟屋根」、傾斜した四つの面が頂点で合わさる「方形屋根(ほうぎょうやね)」、一つの傾斜面の「片流れ屋根」、水平面の「陸屋根(ろくやね)」、切妻屋根の両端に傾斜面を付加した「入母屋屋根(いりもややね)」などがある。
屋根材としては、粘土瓦、セメント瓦(プレスセメント瓦、コンクリート瓦)、スレート(化粧スレート、天然スレート)、金属(銅、トタン、ガルバリウム鋼板等)が用いられるほか、陸屋根の屋根材には、アスファルト、モルタル、防水シート等の防水材が使用される。また、古民家のなかには茅や藁を用いるものもある。
なお、屋根を仕上げることを「葺く」といい、屋根を「瓦葺」「スレート葺」「茅葺」などに分ける場合もある。
梁
小屋組や床組の荷重を二点支持により水平や斜めの状態で支える横材のこと。
柱などと連結して、上方からの荷重を鉛直方向に流し、地面に力を伝える重要な構造部材である。
木造軸組工法
在来工法ともいい、木造建築物の工法の一つ。
「在来工法」とは、「伝統工法」をベースとしながら、第二次大戦後の技術革新で新たに生まれた木造建築物の工法である。
この「在来工法」は、「木造軸組工法」「在来軸組工法」「在来木造」「木造軸組」などのさまざまな呼び方がされるが、その内容は基本的に同じである。
「在来工法」の特徴としては次のことが挙げられる。
1.鉄筋コンクリート製の「布基礎」(連続フーチング基礎)を採用し、土台と布基礎をアンカーボルトで緊結する。
2.筋かいを入れて、プレート等で止めつけることにより、軸組全体を安定させる。
3.壁材に構造用合板を採用する等により、壁に強度を与える。
4.その他、材の接合部(仕口)に多様な金物を用いて、軸組全体を補強する。
これらの工夫により構造的に強い木造建築が初めて可能となった。
ちなみに建築基準法では、木造建築物についてさまざまなルールを設けているが、これらのルールの前提として想定されているのはこの「在来工法」である。
躯体
建物の構造をかたちづくる部材の集まり(構造体)の総称。基礎、柱、梁、壁面、床などで構成され、建物に加わる力を支える役割を担っている。
躯体は、構造体の主要材料に応じて、木造、ブロック造、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造(S造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)などに区分される。
合板
ベニヤ板ともいう。
薄く切った木材を奇数枚貼り合わせたもの。木材を交互に直交させることにより、強度を高めている。
合板は、普通合板、構造用合板などに区別される。
施工
工事を行なうこと。建築物の施工は、設計に基づいて、地盤の整備、材料の加工、構造材の組立、コンクリートの打設、設備の設置、内装などの作業を関連させながら系統的に実施される。
施工は通常、建築主が施工会社に発注するが、各種作業の実施は、施工会社がそれぞれの作業を専門とする建設会社(専門工事業者)にさらに発注するのが一般的である。
開口部
壁・床・屋根に設けられた開口部分のこと。窓、出入口、天窓などを指す。
2×4(ツーバイフォー)工法
北米で生まれた「枠組壁工法」であり、断面が2インチ×4インチの木材を使用することから、このような名称が付けられた。
木材で組んだ「枠組」に構造用合板を打ち付け、箱型の六面体を形成する壁全体で躯体を支えるので、耐震性に優れているなどの利点がある(「枠組壁工法」「2×6(ツーバイシックス工法)」を参照)。
一定の規格に沿った木材、合板を用いるため、施工による品質のばらつきが生じにくい一方で、設計変更や増改築が困難となるほか、湿度の高い日本の気候には合わないのではないかとの指摘もある。
2×6(ツーバイシックス)工法
木造の枠組壁工法のうち、2インチ×6インチの規格木材と、構造用合板を使用する工法。
同じ枠組壁工法で2インチ×4インチの角材を使用するツーバイフォー工法(2×4工法)に比べ、角材が太い分、さらに耐震性に優れるとともに、壁が厚く、充填できる断熱材の量も多くなるため、断熱性も高まる。このため、昨今の住宅の省エネ化、ZEHの普及促進などの流れにも沿い、注目度が上がっている。