負担水準|不動産用語集

負担水準(ふたんすいじゅん)

土地の固定資産税課税標準額を決定する際に用いられる数値をいい、その土地の課税標準額が固定資産税評価額との比較から見てどの程度の水準にあるかを示す指標である。

具体的には、次の算式によって算出される。

「負担水準=前年度の固定資産税課税標準額 ÷ (今年度の固定資産税評価額×課税標準の特例率)×100」

負担水準が低い場合には、固定資産税額が急激に増加しないように一定の調整がなされる。

関連用語

負担調整率
地価上昇による負担の急増を調整するために土地の固定資産税課税標準額を前年度の課税標準額に一定の率を乗じて決定する方法を採用する場合の、当該率をいう。

負担水準に応じて、負担水準が低いほど負担調整率が大きくなるように定められている。

用語解説

固定資産税課税標準額

固定資産税を課税する対象となる金額のこと。
固定資産税の税額は、原則的に「固定資産税課税標準額の1.4%」とされている。

建物の場合、固定資産税課税標準額と固定資産税評価額は通常一致する。
しかし土地の場合には、固定資産税課税標準額と固定資産税評価額は異なる額となる。
その理由は次の通りである。

1.住宅用地に係る課税標準額の特例
住宅用地については、その土地の課税標準額を次のように圧縮する措置が取られている。
小規模住宅用地の場合:固定資産税評価額×1/6=固定資産税課税標準額
一般住宅用地の場合:固定資産税評価額×1/3=固定資産税課税標準額
(詳しくは「固定資産税の軽減措置(住宅用地)」参照)

2.土地に関する負担調整率
土地の固定資産税評価額は3年に1度評価替えが行なわれている。この評価替えにおいて、固定資産税評価額が急激に上昇すると、納税者の税負担が急に増大し、納税の困難を招く恐れがある。
そこで法律(地方税法)では、土地の固定資産税評価額が大きく上昇したときでも、土地の固定資産税課税標準額はわずかな上昇率にとどめるという措置を講じている。この上昇率を「負担調整率」という。

具体的には、次の式により今年度の土地の固定資産税課税標準額を定めている。

「前年度の固定資産税課税標準額×負担調整率=今年度の固定資産税課税標準額」

上記1.および2.の理由により、土地の固定資産課税標準額は、土地の固定資産税評価額よりも非常に低い額となっている。
ごく普通の住宅用地(200平方メートル以下のもの)では、固定資産税課税標準額は、固定資産税評価額の6分の1から10分の1程度である。

課税標準

税額を計算するときに、税率を乗じる対象となる価額をいう(税額=課税標準×税率)。

例えば、所得税では所得控除後の所得額、法人税では利益額が課税標準であるというように、税の種類によって算出方法が異なる。また、所有権移転登記に係る登録免許税や固定資産税については、固定資産台帳に登録された価格が課税標準であるが、住宅用地などに特例措置が適用される場合には固定資産税の課税標準が減額されるなど、特別の措置があるので注意が必要である。

固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、固定資産課税台帳に記載された土地・家屋の評価額のことである。

この固定資産税評価額は、毎年度の初めに市町村から送付されてくる固定資産税の「納税通知書」に添付されている「課税資産明細」に記載されている。

また、毎年の一定期間内において所有者等は、固定資産課税台帳を市町村の窓口で縦覧して、固定資産税評価額を確認することができる(詳しくは固定資産課税台帳の縦覧制度へ)。

なお、土地・家屋の固定資産税評価額については3年に1度「評価替え」が実施されており、この評価替えの年度を「基準年度」という。
この固定資産税評価額は、基準年度の評価額が次年度および次々年度にそのまま引き継がれるのが原則である。

ただし、次の1.または2.の事情等があるときは、基準年度以外の年度であっても、土地の固定資産税評価額を変更するものとされている。

1.分筆、合筆、地目の変更により土地の区画・形質が変化したこと
2.著しい地価の下落があったこと

固定資産税

毎年1月1日現在において、土地・家屋等を所有している者に対し、市町村が課税する地方税のこと。
不動産の所在地の市町村が課税の主体となるので、実際の徴収事務は市町村の税務担当部署が行なう。

固定資産税の納付方法については、年度初めに市町村から土地・家屋の所有者に対して、固定資産税の「納税通知書」が送付されてくるので、それに従って年度内に通常4回に分割して納付することとされている(ただし1年分をまとめて先に支払うことも可能である)。

固定資産税の税額は原則的に「固定資産税課税標準額の1.4%」とされている。
ただし、一定の新築住宅については固定資産税額の軽減措置が実施されている。また、住宅用地については固定資産税課税標準額そのものが6分の1または3分の1に圧縮されている。

固定資産税は毎年1月1日において、固定資産課台帳に所有者として登録されている者に課税される。
従って、年の途中で不動産の売買が行なわれて、所有者が変わった場合であっても、納税義務者は元の所有者となる。こうした場合には不動産売買契約書において、その年度分の固定資産税額の一部を新所有者が負担するという特約を設けることが多い。

キーワードから探す

頭文字から探す