換地処分|不動産用語集

換地処分(かんちしょぶん)

土地区画整理事業において行なわれる、土地の権利変動等の効果を生じる行政処分をいう。これによって換地は従前の宅地とみなされる。

権利変動などの内容は換地計画に定められているが、換地処分によってそれが法的な効果として確定することとなる。

換地処分は原則として工事が完了した後に遅滞なく行なわれ、公告される。そして、公告の翌日から、従前の宅地の所有権等は、換地計画において定められた換地の所有権等に変わる。また、換地処分による土地や建物の変動は、事業施行者によって登記される。

なお、換地処分は、土地改良事業においても行なわれることがある。

用語解説

土地区画整理事業

市街地を面的に整備するために、土地の区画形質の変更や公共施設の整備を行なう事業の一つで、土地区画整理法に従って実施されるものをいう。

この事業の実施によって、例えば、不整形な土地や袋地が解消され、道路や公園が整備されることとなる。

土地区画整理事業の特徴は、

1.権利変換による土地の交換・分合(換地)という手法を採用すること
2.新たに必要となる公共用地を土地所有者が平等に提供するという仕組み(減歩)によって生み出すこと

である。

また、事業によって宅地の評価が増価するが、その一部を事業に充てるという受益者負担の考え方が取り入れられていることも大きな特徴である。

日本においては、農地から市街地への土地利用の計画的な転換、大震災後の市街地復興、街路網の整備などの手法として多用されてきた。

換地

土地区画整理事業によって行なう土地の所有権の変更をいう。

土地区画整理事業においては、土地の区画についてその位置等を変更する必要があるが、そのために行なわれる、区画を変更する前の宅地(従前の宅地)から区画を変更した後の宅地(新しい宅地)への土地の所有権の変更手続が「換地」である。

宅地所有者から見れば、いったん従来の宅地を失い、それと同時に新しい宅地を与えられるということである。また、こうして宅地所有者に与えられる新しい宅地そのものを「換地」と呼ぶこともある。

換地計画

土地区画整理事業において、事業施行地区内の土地や土地に関する権利が、事業施行後にどのような姿となるかを定める計画をいう。

換地計画では、原則的には、事業前の各宅地に対して、事業によって整備された換地をそれぞれ交付するように定める。そのほか、換地に当たっての不均衡に対応するための金銭(清算金)の徴収・交付、公共用地の帰属、事業費に充てるための保留地などについても定められる。

換地計画において換地を定める場合には、原則として、換地および従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならないとされている(照応原則)。また、換地計画を定めようとする場合には、2週間公衆の縦覧に供するなどの手続きが必要である。

換地計画の効果は、工事が完了した後になされる換地処分によって生じるのが原則である。従って、事業完了前に換地予定地を利用する場合には、その土地を仮換地に指定して利用することとなる。

所有権

法令の制限内で自由にその所有物の使用、収益および処分をする権利をいう。

物を全面的に、排他的に支配する権利であって、時効により消滅することはない。その円満な行使が妨げられたときには、返還、妨害排除、妨害予防などの請求をすることができる。
近代市民社会の成立を支える経済的な基盤の一つは、「所有権の絶対性」であるといわれている。だが逆に、「所有権は義務を負う」とも考えられており、その絶対性は理念的なものに過ぎない。

土地所有権は、法令の制限内においてその上下に及ぶとされている。その一方で、隣接する土地との関係により権利が制限・拡張されることがあり、また、都市計画などの公共の必要による制限を受ける。さらには、私有財産は、正当な補償の下に公共のために用いることが認められており(土地収用はその例である)、これも所有権に対する制約の一つである。

建物

民法では、土地の上に定着した物(定着物)であって、建物として使用が可能な物のことを「建物」という。

具体的には、建築中の建物は原則的に民法上の「建物」とは呼べないが、建物の使用目的から見て使用に適する構造部分を具備する程度になれば、建築途中であっても民法上の「建物」となり、不動産登記が可能になる。

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