不動産所得|不動産用語集

不動産所得(ふどうさんしょとく)

不動産の貸し付けなどによる不動産収入がある場合において、次の計算式で求めた金額のことを「不動産所得」と呼ぶ。

「 不動産収入-不動産所得の必要経費=不動産所得 」

このような不動産所得がある場合には、必ず確定申告を行なう必要がある。

なお不動産所得で赤字が生じた場合には、その赤字の全部または一部は、給与所得など他の黒字と相殺することができる(詳しくは「損益通算の特例」)。

用語解説

不動産

不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。
定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。

不動産収入

不動産収入とは、家賃収入、管理費収入、共益費収入、礼金収入、駐車場使用料収入などのことである。

不動産の貸付けから発生する収入は、所得税法においては、事業収入ではなく、不動産収入に分類されることとなっている。

従って、個人が賃貸住宅や駐車場を経営している場合には、不動産収入が発生し、不動産所得を得ていることになる。

ただし、退去の際に全部または一部を返還するような金銭(敷金・保証金)については、返還しない部分だけが不動産収入に加算される。

確定申告

毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税等の額を計算し、税務署に申告し、納税する手続。2月中旬から3月上旬にかけて、税務署窓口、郵送、インターネット(e-Tax)で受け付ける。国税庁は、事務の合理化と混雑回避のため、e-Taxの利用を推奨している(申告内容によっては電子申告ができないケースもある)。

源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合には、その過不足を精算する給与の年間収入金額が2,000万円を超える者や、給与を1ヵ所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える者など、一定の者には確定申告の義務が生ずる。

住宅を購入した場合では、住宅ローンの返済利子分を複数年にわたって所得から控除できる(住宅ローン控除)ため、住宅を取得した勤労者にとっても利点が大きく、義務がなくても確定申告することが一般的である。

所有する不動産を売却した場合には、分離課税となり、譲渡所得から取得費用と譲渡費用を控除した額に課税される。

また、借家経営をしていて年間20万円以上の家賃収入がある場合には、申告の義務が生じる。

損益通算の特例

不動産所得に赤字が発生したとき、その赤字のうち土地の取得のために借り入れた借入金の利子に相当する部分は、他の所得の黒字と通算することができない。これを「損益通算の特例」という(租税特別措置法第41条の4)。

例えば、ある年において、不動産収入が500万円、土地の取得のために借り入れた借入金の利子が70万円、その他の必要経費が550万円だったとする。この他に給与収入から給与所得控除を差し引いた後の給与所得が300万円あったとする。
このとき、不動産所得は「500万円-70万円-550万円=120万円の赤字」である。このうち70万円は給与所得と相殺することができない。
よって不動産所得の赤字のうち50万円だけを給与所得の黒字から差し引くことができるので、この年の所得は「300万円-50万円=250万円」となる。

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