造作買取請求権|不動産用語集

造作買取請求権(ぞうさくかいとりせいきゅうけん)

借家契約の終了の際、借家人が建物に付加した造作を家主に時価で買い取らせることのできる権利をいう。

造作とは、、建具、電気・水道施設などをいい、その付加について家主の同意を得ていることが必要である。

民法の原則では、賃貸借契約の終了時には賃借人が付加した造作を収去しなければならないとされているが、造作買取請求権は、借家契約における例外規定である。ただし、造作の買取り義務を負わないよう契約上特約することができる(任意規定である)。

なお、造作買取請求が正当で有効である場合に、家主が代金を支払わない間は、同時履行の抗弁権(双務契約において相手方が債務を履行するまでは自分の債務を履行しないと主張する権利)によって、家屋の明渡しを拒絶される恐れがある。

用語解説

借家

借りて住む家屋。「借家する」と言うように、家を借りることを指す場合もある。これに対して、自らが所有して住む家屋は「持ち家」である。

住宅・土地基本調査では、借家を、公営の借家、都市再生機構・公社の借家、 民営借家、給与住宅に分類している。

なお、賃貸借契約に基づいて住む借家については、借地借家法が適用される。

建物

民法では、土地の上に定着した物(定着物)であって、建物として使用が可能な物のことを「建物」という。

具体的には、建築中の建物は原則的に民法上の「建物」とは呼べないが、建物の使用目的から見て使用に適する構造部分を具備する程度になれば、建築途中であっても民法上の「建物」となり、不動産登記が可能になる。

造作

建物の内部を構成する部材や設備をいう。

部材としては建具、畳、床、鴨居など、設備としては水道設備、空調設備などがこれに当たる。詳しくは「造作買取請求権」を参照。

なお、建築することをいう場合(「造作する」というような使い方)もあることに注意が必要である。

床の敷物で、わらを芯に藺(い)の茎を編んだ表をつけたものをいう。部屋の広さを示す単位(「◯畳の間」など)としても使われる。
広さの単位として使われる場合には、地域によってその大きさに違いがあることに注意しなければならない。たとえば京間は6尺3寸×3尺1寸5分、江戸間・田舎間は6尺×3尺(いずれも内法)を単位にして畳数で表示される(1尺=0.30303m=10寸=100分)。
このような違いがあることなどから、不動産広告における面積の表示はメートル法によるのを原則とし、居室等の広さを畳数で示す場合には、各部屋の壁心面積を畳数で割った値が1.62平方メートル以上となるようにしなければならないとされている(不動産の表示に関する公正競争規約)。

水道

人の飲用に適する水を供給する施設の総称で、取水施設、貯水施設、浄水施設、配水施設などから構成される。下水道に対して、上水道といわれることもある。

水道事業を営む者は、その給水区域内の需要者から給水契約の申し込みを受けたときは、正当の理由がなければ契約を拒んではならないとされている(給水義務)。

特約

特別の条件を伴った契約をすることをいう。

原則として契約条件の定め方は自由であるから、どのような条件が特別であるかについては判断の幅があるが、一般的な条件とは異なる利益を伴うものをさすと理解されている。

ただし、強行規定(法令によって当事者の合意如何にかかわらず適用される規定)に反する条件は当事者が合意しても無効である。

双務契約

契約当事者の双方がお互いに対価性のある債務を負担する契約をいう。売買、賃貸借などの契約はこれに該当する。これに対して、贈与のような当事者の一方のみが債務を負担する契約を「片務契約」という。

双務契約においては、双方の債務履行が密接な関係にあるから、相手の給付があるまでは自分の債務を履行しないとの主張(同時履行の抗弁権)が認められているほか、一方の債務の消滅等において他方の債務をどうするか(危険負担)などが問題となる。

債務

私法上の概念で、ある人(債権者)に対して一定の給付をなすべき義務をいう。

債務を負っているのが債務者である。

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