被補助人|不動産用語集

被補助人(ひほじょにん)

精神上の障害があるために、補助人を付けられた者のこと。

精神上の障害により物事を判断する能力が不十分である者について、家庭裁判所は、本人・配偶者・親族などの請求に基づいて審判を行ない、「補助開始」の決定をし、「補助人」を職権で選任する(民法第14条、第876条の7)。
こうした手続きにより補助人を付けられた者のことを「被補助人」と呼ぶ。

この「被補助人」の制度は、精神上の障害の程度が軽微な人について、法律行為を円滑に行なうことができるように、2000(平成12)年の民法改正によって創設された制度である。

被補助人は、精神上の障害の程度が軽微であるので、重要な法律行為であっても基本的には単独で有効に行なうことができるが、家庭裁判所が必要と判断した場合には、特定の重要な法律行為について、補助人の同意が必要とされたり、補助人が法律行為を代理する場合がある(民法第16条、第876条の9)。

どのような法律行為について「同意」や「代理」を必要とするかは、本人、配偶者、親族などの請求によって家庭裁判所が審判する(民法第16条、第876条の9)。

従って、被補助人との契約を行なうには、その補助人と事前に協議するべきである。

関連用語

成年被後見人
精神上の障害があるために、後見人を付けられた者のこと。

精神上の障害により物事を判断する能力が欠如した状態にある者について、家庭裁判所は、本人・配偶者・親族などの請求にもとづいて審判を行ない、「後見開始」の決定をし、「後見人」を職権で選任する(民法第7条、第843条)。

こうした手続きにより後見人を付けられた者のことを「成年被後見人」と呼ぶ。

また、成年被後見人に付けられる後見人は「成年後見人」と呼ばれる。この「成年被後見人」の制度は、2000(平成12)年の民法改正によって創設されたもので、それ以前は「禁治産者」という名称であった。

成年被後見人は法律行為を有効に行なうことができないものとされているので、どんな法律行為でも原則的に後で取り消すことが可能である(ただし日用品の購入などは有効に自分で行なうことができる)(民法第9条)。

従って、成年被後見人との契約を行なうには、その成年後見人を代理人として契約を行なうべきである(民法第859条)。
被保佐人
精神上の障害があるために、保佐人を付けられた者のこと。
保佐とは「たすける」という意味である。

精神上の障害により物事を判断する能力が著しく不十分である者について、家庭裁判所は、本人・配偶者・親族などの請求に基づいて審判を行ない、「保佐開始」の決定をし、「保佐人」を職権で選任する(民法第11条、第876条の2)。
こうした手続きにより保佐人を付けられた者のことを「被保佐人」と呼ぶ。

この「被保佐人」の制度は、2000(平成12)年の民法改正によって創設されたもので、それ以前は「準禁治産者」という名称であった。 被保佐人は、財産に関わる重要な法律行為(不動産売買や不動産賃貸借など)を自分だけでは有効に行なうことができない。
こうした重要な法律行為を行なうには保佐人の同意が必要であり、もし保佐人の同意を得ないで重要な法律行為を行なった場合には、後でその法律行為を取り消すことが可能である。
ただし重要でない法律行為や、日用品の購入などは有効に自分だけで行なうことができる(民法第12条)。

従って、被保佐人との契約を行なうには、その保佐人の同意を必ず取得するべきである。

用語解説

補助人

被補助人に対して、補助開始の審判のときに、家庭裁判所が職権で選任する補助人のことである(民法876の7条)。

補助人は、家庭裁判所が必要と判断した場合には、特定の重要な財産行為について同意する権限を持ち、代理する権限を持つ(民法16・120条・876条の9)。

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