定着物|不動産用語集

定着物(ていちゃくぶつ)

定着物とは、土地の上に定着した物をいう。

具体的には、建物、樹木、未分離の果実、移動困難な庭石などが定着物である。なお土砂は土地そのものであり、定着物ではない。

定着物は、土地から分離することができないので、原則として定着物は土地の所有権に吸収され、土地の取引とともに取引され、土地と法律的運命をともにすることに最大の特徴がある。
ただし、この例外として次のような定着物がある

1.建物
定着物のうち、建物は常に土地から独立した定着物であり、独立して取引の対象となる。
ただし建築中の建物は、土地から独立した定着物ではない(詳しくは建物へ)。

2.立木(りゅうぼく)法により登記された立木
定着物のうち、立木法により登記された立木(注:立木とは樹木の集団のこと)は、建物と同様に、土地から独立した定着物となる。

3.果実、桑葉、立木法により登記されていない立木など
これらはすべて定着物であるが、明認方法を施すことにより、土地から分離して取引することができる。

用語解説

所有権

法令の制限内で自由にその所有物の使用、収益および処分をする権利をいう。

物を全面的に、排他的に支配する権利であって、時効により消滅することはない。その円満な行使が妨げられたときには、返還、妨害排除、妨害予防などの請求をすることができる。
近代市民社会の成立を支える経済的な基盤の一つは、「所有権の絶対性」であるといわれている。だが逆に、「所有権は義務を負う」とも考えられており、その絶対性は理念的なものに過ぎない。

土地所有権は、法令の制限内においてその上下に及ぶとされている。その一方で、隣接する土地との関係により権利が制限・拡張されることがあり、また、都市計画などの公共の必要による制限を受ける。さらには、私有財産は、正当な補償の下に公共のために用いることが認められており(土地収用はその例である)、これも所有権に対する制約の一つである。

建物

民法では、土地の上に定着した物(定着物)であって、建物として使用が可能な物のことを「建物」という。

具体的には、建築中の建物は原則的に民法上の「建物」とは呼べないが、建物の使用目的から見て使用に適する構造部分を具備する程度になれば、建築途中であっても民法上の「建物」となり、不動産登記が可能になる。

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